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12月2日―メディアを創る
どの面下げて
2日の産経新聞が、一面で大きく小泉首相の年明け早々の中東訪問を報じている。イスラエルとパレスチナを訪れて和平協議が軌道に乗るよう双方の信頼醸成を促す橋渡しをしたいという。どの面下げてそんなあつかましいことが言えるのか。外務省が意図的にリークする御用原稿を、スクープとばかりそのまま垂れ流す産経新聞はメディアとしての矜持を持ち合わせているのか。
盆暮れや連休の休みには政治家は決まって外遊する。日本にいてもすることがないからだ。とくに首相の場合はこれが仰々しい外交慣例になってきた。ところが小泉首相は自らまいた種で、もはや行くべき国がない。行くことのできる国がない。米国以外のどの国からも歓迎されていないのだ。まさか訪日したばかりのブッシュ大統領に会うために米国へ行くわけにはいかないだろう。
しかし、どこにも行かないというわけには行かない。外交の手詰まりを証明しているようなものだ。そこで外務官僚が知恵を絞ってイスラエルとパレスチナに行かせることにしたのだ。中東紛争に貢献する小泉首相の姿をアピールするには格好の機会だということだろう。親米政権の国を訪れて、歯の浮くような歓迎振りを演出すれば、小泉中東外交が正しかったと宣伝できる。一石二鳥だ。そういう外務官僚の浅知恵に乗った小泉首相なのである。
どの面下げてそんなことが出来るのか。一国の首相に投げかけるには非礼な言葉かもしれない。しかしこの言葉以外の適当な言葉が見当たらないのだ。それほど私は小泉首相の中東政策に憤りを覚えてきたのだ。
今から三年ほど前、米国がイラク攻撃を始めた時、小泉首相は中東情勢に対する知識も関心も全くないにもかかわらず、いや知識も関心もなかったからこそ、平然とあの間違った戦争を支持し、イラクに自衛隊まで送り込んで米国の中東支配を支援した。
あのイラク攻撃は、イスラエルに歯向かうパレスチナ抵抗組織やそれを支援する反米、反イスラエル国家を、「民主化」という名目で解体する為に行われたものであった。「目的達成のためには武力行使が最善である」と公言する米国は、9・11以降、ウソを重ね、情報操作をして、中東支配政策を遂行してきた。そのかげでどれだけ多くの無辜のアラブ市民が犠牲になってきたことか。
今度の中東訪問の際に小泉首相はサプライズでサマワを訪れるとの話が伝わっている。日本人を相手にパフォーマンスを繰り返すのはいいだろう。しかし米国の不正義の前におびただしい流血と怨念が渦巻いている中東紛争の最前線に、自己宣伝の目的のみで軽々しく足を踏み入れるとしたら、そしてそのことに何らの後ろめたさを感じないとしたら、私は憤りを抑えきれない。中東を甘く見てはいけない。
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