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イラク自衛隊:派遣1年間延長、12月9日に閣議決定
政府は29日、自衛隊のイラク派遣を1年間延長する方針を固め、12月14日を派遣期限としている基本計画の変更を同月9日に閣議決定する方向で与党との調整に入った。撤退時期は明示しないが、イラク南部サマワで公共施設の復旧や医療など人道復興支援を行っている陸上自衛隊については、今年末にも発足する新政府のイラク統治が順調に進むことを前提に、来年中に撤退させる方針。多国籍軍支援の物資などを輸送する航空自衛隊の派遣は陸自撤退後も継続させることを検討する。
自衛隊派遣の基本計画はイラク復興特別措置法に基づき03年12月に閣議決定され、当初1年間だった派遣期間は昨年12月に1年間延長された。サマワの治安維持を担当する英豪軍が来年5月ごろから撤退を始める可能性があり、政府は同時期の撤退を視野に再延長期間を半年とする案も検討したが、今後のイラクの治安や政治プロセスの動向が不透明なため、来年12月14日まで1年間延長することにした。
現行計画で「600人以内」となっている陸自部隊の派遣規模や活動内容は変更しない。空自は現在、陸自の物資を中心にイラク南部のタリル空港へ輸送しており、陸自の撤退後は米軍など多国籍軍の物資を南部のバスラや北部のモスルなどに輸送する形で活動を継続することを検討。そのため来年12月には派遣期間を再々延長する余地も残す。【古本陽荘】
◇解説 陸自撤退へ環境整備 空自は継続
自衛隊のイラク派遣延長を12月9日に閣議決定する方針を固めた政府は今後、来年中に陸上自衛隊を撤退させるための環境整備を進める。自衛隊派遣に代わるイラク支援策として政府開発援助(ODA)を拡充するほか、早期撤退に難色を示す米国との調整が課題になる。航空自衛隊の派遣継続で米側の理解を得たい考えで、陸自撤退後は米軍支援色が強まり、イラク復興支援を名目としてきた自衛隊派遣の性格が変わることになる。
派遣延長の閣議決定は昨年12月に続き2回目だが、昨年と違うのは延長期間内の陸自撤退が政府・与党内のコンセンサスになっていることだ。陸自の主任務だった給水活動は今年2月に終了し、現在は学校や道路などの補修・整備が活動の中心になっている。ピーク時は36カ国にのぼったイラクへの部隊派遣国は28カ国に減り、サマワ周辺の治安維持を担当する英豪軍はイラク治安部隊の増強を待ちながら撤退時期を探っているのが現状。治安維持の権限を持たない陸自だけを残すことへの不安もあり、英豪軍とともに撤退させたいのが政府の本音だ。
国内には派遣延長への反対論が根強く、撤退時期の明示を求める声もあったが、政府は「どこの国も早く撤退したいのを我慢している。日本が『撤退ドミノ』の引き金を引くのは避けたい」(外務省幹部)との判断から撤退時期には触れない方針。公明党の神崎武法代表は29日、福岡市で開かれた「毎日・世論フォーラム」で「(派遣延長の)結論を出す際には撤退時期についても公明党の考え方を明らかにしたい」と述べ、同党として陸自を来年中に撤退させる方針を打ち出す考えを示した。【平田崇浩】
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20051130k0000m010146000c.html