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11月13日ーメディアを創る
米軍再編を支援する特別立法
総じて月曜日の新聞記事はつまらない。なぜなら週末は皆が休日を楽しんでいるからだ。記者もまた休んでいる。
そんな各紙の記事の中で、なんといっても特筆されるべきは、「在日米軍再編推進関連法案」の動きを報じる日経新聞一面の記事だ。
在日米軍再編には膨大な経費がかかる。米国は再編の完了は2012年までとしているらしいが、日本政府はこの米国の一方的な軍事力改編を、総額1兆円規模で後押しするというのだ。その柱は沖縄海兵隊のグアム移転関連経費だという。司令部施設、兵舎、家族住宅、福利厚生施設などが対象になっているというが、現在の日米地位協定には海外の米軍施設に資金援助する仕組みになっていないので、新たな立法が必要になってくるのだ。
そもそも78年から始まった「思いやり予算」が日米地位協定を超えた超法規的措置だった。その脱法行為が、おかしいと言われながら20年近くも放置され、その額も数千億円に膨れ上がっている。それに加えて、もっと大規模な、しかもグアムというれっきとした米国領土内の軍事施設に関する経費まで負担しなくてはならない。中間報告で合意させられた事を、小泉首相は訪日するブッシュ大統領に確約したいのだ。どこまでもブッシュ大統領に気に入られたいのだ。
そもそも米軍再編に対する協力は、極東における日本の安全保障を定めた日米安保条約とは無関係な軍事協力だ。日米地位協定の改正では対応できない。そうであるならば、この際、一挙に包括的な米軍再編支援法案をつくってしまうほうが手っ取り早いということだ。
日本国民はどこまで馬鹿にされているのだろうか。福祉を切り捨て、増税を図って国民負担を急増させようとしている政府が、その一方でここまで米国に財政支援をする。国民にまったく説明しないままブッシュ大統領にいい顔をみせる。どこまでも国民を無視した小泉首相だ。野党はいまこそ国会の緊急開催を求め、国民の前で説明責任を要求すべきではないのか。
これでは、取られっぱなしではないのか。
そのブッシュ大統領の訪日である。同じく14日の日経新聞に、16日に予定されている日米首脳会談に関する記事があった。支持率急減でレイムダックになりつつあるブッシュ大統領を迎える小泉首相は、総選挙の圧勝を受けて歴代のどの首相よりも強い立場にある。
外交の常識から言えばこれほど有利な立場にある日本が、それにもかかわらず、米国に譲歩するばかりで、米国から何一つ得られない、得ようとしない。
米軍再編に対する協力表明はいわずもがな、その他、イラク自衛隊の派遣延長、牛肉輸入の年内再開など、いずれも国民を説得できないものばかりをブッシュ大統領に約束する。
その一方で、拉致問題解決への協力、国連安保理常任理事国入りへの協力、靖国参拝への理解、北方領土問題解決に対する米国の支援など、どれ一つ米国は日本の要望に応えようとしない。日本も米国に求めようとしない。一体何のための外交であるのか。疲れきったブッシュ大統領を京都の秋でなぐさめる慰労訪日でもなかろうに。
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