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□イスラエル右派政党内で「純粋ユダヤ主義派」が台頭 保守化が一段と強まる可能性も [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1577212/detail
イスラエル右派政党内で「純粋ユダヤ主義派」が台頭 保守化が一段と強まる可能性も
【アルジャジーラ特約24日】イスラエルの右派政党「リクード」はこのほど、シャロン前党首(首相)の離党を受けて党首選挙を実施し、ベンヤミン・ネタニヤフ元首相を新党首に選出したが、この選挙でもうひとつ注目されたのが、国内在住の非ユダヤ人とパレスチナ人の排除などを主張する「純粋ユダヤ主義派」の台頭だ。
同派を率いるのは超保守主義を掲げるモシェ・フェイグリン氏。同氏は今回の党首選で、約15%と予想を上回る得票率を獲得し、リクード内における「純粋ユダヤ主義派」の台頭を見せつけた。ネタニヤフ氏の得票率は44%だった。
フェイグリン氏はパレスチナ人との和平に真っ向から反対する立場を鮮明にし、党首選では「ユダヤ・アジェンダ」なる構想を打ち出して戦った。
「ユダヤ・アジェンダ」は故バビ・メイル・カハナ氏がかつて主張した「ユダヤ・アイデア」と似ており、いずれも「イスラエルからの異民族排除」と「ガザ地区などからのパレスチナ人テロリストの追放」を中心に据えている。
党首選挙中の演説でフェイグリン氏は「イスラエルに住む非ユダヤ人たちは『ハラチャ』(ユダヤ教の法律)を無条件で受け入れねばならず、それがいやなら、この国を去るべきだ」との自説を強調した。
ヨルダン川西岸地区に住む同氏の支持者たちは「ムハンマドよ、(ユダヤ人に)コーヒーを入れろ」をスローガンに掲げている。当然、ここで言う「ムハンマド」とはパレスチナ人たちを指している。
フェイグリン氏は党首選が実施された当日、支持者たちに対し「今回の選挙結果はイスラエル国民にとり素晴らしいものとなった」と指摘、約15%に達した得票率の持つ意味を強調するとともに、「この国は今後数年以内にユダヤ教を土台とする指導部を選ぶことになるだろう」との見通しまで明らかにした。
これに加えフェイグリン氏はイスラエル東部にある隣国ヨルダンが「イスラエル領土」であり、将来、ヨルダンを占領するとの考えも主張している。ヨルダンは1994年にイスラエルと国交を結び、治安面での協力関係を強化しているだけに、フェイグリン氏の主張は大きな論議を呼んでいる。
これに対し現政権内からは「リクードはフェイグリン党になりつつある」との批判と警戒が出ているほか、今回、リクードを離れシャロン首相の新党「カディマ」に加わった元閣僚経験者は「リクードはもはやかつてのリクードではなくなった」と、フェイグリン氏率いる「純粋ユダヤ主義派」の台頭に不快感を表明した。
また、アラブ系のタラブ・アル・サニエ国会議員はアルジャジーラの取材に対し、「フェイグリン氏がリクード内で例外的存在ではない。同党内では民族主義を標ぼうし和平に反対する考えが支配的だ」との見方を示した。
一方で、今回の「フェイグリン現象」を一部で起きているだけ、と指摘する知識人たちもいる。その1人であるシャルカンスキ・ヘブライ大学教授は「この国に過激主義者がいるのは事実。だが、フェイグリン氏が得たわずか15%の支持率だけでは、過激派台頭の証明にはならない。リクードの将来はネタニヤフ党首のかじ取りいかんにかかっている」と分析している。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2005年12月24日00時08分