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以下引用
|イラク|政治|
▼鍵を握るニネベ県の投票数は計算が合わない(10/19)
イラクの新憲法草案の是非を問う国民投票で、ニネベ県について圧倒的に賛成多数とした速報は誤解を招く発表だった。IPSが確認したニネベ県の最終的な集計数では、3分の2の反対にまでは至っていないが大差で新憲法は却下されていた。速報の数字と最終的な数字との差は集計の信頼性について疑問を抱かせ、スンニ派の指導者は、ニネベ県の得票数は改ざんされていると非難している。
ニネベ県のイラク独立選挙管理委員会(IECI)は当初、開票率90%で32万6千票が新憲法に賛成、反対は9万票だとし、この非公式発表によってメディアは新憲法が承認されるという予想を報道した。その後の公式発表はまだないが、米軍のIECI連絡将校のジェフリー・ヒューストン少佐によると、最終集計は反対票424,491、賛成票353,348である。そうすると当初の発表の開票率が実は54%で未開票の大多数が反対票だったことになる。実際にはありえない話であり、メディアを操作しようとする意図を疑わせる。
スンニ派の住人の多いニネベ県は、今回の国民投票で特に結果が注目された地区である。米軍のIECI連絡将校が示した数字から推測される投票率についても信頼できない。スンニ派が勢力を持つ他の県の投票率は9割前後であるのに、ニネベ県だけが6割というのは変に思える。ニネベ県の人口の過半数はスンニ派で、スンニ派はほぼ全員が反対票を投じるはずだ。この地区の民族的、宗教的構成を考えると賛成票が35万というのも疑わしい。
イラク侵攻前の2003年の公式人口調査によると、ニネベ平野部の人口の46%はアッシリア人キリスト教徒とスンニ派アラブ人であり、クルド人はわずか6%だった。だが現在はクルド民兵組織とクルド民主党が勢力を持ち、政治的支配権を確立している。新憲法の135条でキリスト教徒の居住地をカルデア人とアッシリア人に区別すると定めていることを利用して、クルド人が土地の没収などにより迫害するのではないかとキリスト教徒は懸念しており、キリスト教徒も反対票を投じたはずだ。
憲法に反対するスンニ派のサレ・アルムトレク氏は、イラク国家警備隊がこの地区の投票所からクルド人が支配する行政区の役所へ投票箱を運び出したと不正を訴えている。1月の選挙のときも同様のことがあった。9月にIPSが報告したように、クルド人による票の水増し計画も確かにあった。選挙委員会は大差の賛成票を調査するというが、ニネベ県での結果は調査されるかどうかはっきりしていない。
イラク新憲法の国民投票における不正の疑いについて報告する。
引用ここまで URL http://www.janjan.jp/world/0510/0510284457/1.php