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【ワシントン笠原敏彦】イラク戦争開戦(03年3月)以来の米兵死者が2000人を超えたのと相前後し、ブッシュ米大統領が訴える同戦争の「大義」の焦点が微妙に変化している。大統領は25日の演説で、イラク戦争をスペインからインドネシアに及ぶ地域に「過激なイスラム帝国」を築こうとする国際テロ組織アルカイダとの戦いの最前線と位置づけた。イラク戦争への逆風が強まる中で、テロに対する国民の危機感に訴えかけ、戦争への支持をつなぎ止める狙いがあるとみられる。
新たな主張の裏づけとなっているのは、米政府が11日に公表したアルカイダのナンバー2、ザワヒリ容疑者が「イラクの聖戦アルカイダ組織」のザルカウィ容疑者にあてたとする書簡だ。ブッシュ政権首脳は最近、同書簡をひんぱんに引用し、戦争遂行の必要性を強調している。
ブッシュ大統領は、アルカイダは米国が撤退したベトナム戦争を参考にしていると指摘。「イラクから米国を追放し、近隣国にジハード(聖戦)を拡大する」とのザワヒリ書簡に触れながら、大統領は「武装勢力は一つの国(イラク)を支配することで、スペインからインドネシアに及ぶ過激なイスラム帝国を建設できると信じている」と主張した。
その上で、「残忍なイスラム過激派のイデオロギー(との戦い)は21世紀の挑戦だ。この戦いは前世紀の共産主義との戦いに似ている」などと語った。対テロ戦争という大義を歴史的に位置づけることで、米国民の理解と忍耐を求めた格好だ。
背景には、米国民がイラクの民主化という従来の大義に懐疑的になっている現実がある。ブッシュ政権は大量破壊兵器問題を主な理由にイラク戦争を始めたが、その存在が怪しくなると、大義の焦点をイラク民主化に当ててきた。
米兵の大きな犠牲にもかかわらずイラクの治安情勢が改善しないことから、民主化の訴えだけでは米国民の戦争への支持をつなぎ止めるのは困難になっている。
毎日新聞 2005年10月27日 20時06分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051028k0000m030069000c.html