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【ワシントン和田浩明】「使える核」として批判を浴びる強化型地中貫通核爆弾(RNEP)の研究に関し、米国家核安全保障局が、06会計年度(05年10月〜06年9月)の予算要求約400万ドル(約4億6000万円)を取り下げると米議会に伝えたことが明らかになった。RNEPは「バンカーバスター」と呼ばれる兵器の一種で地下のざんごう(バンカー)などを破壊するためのもの。通常弾頭型は03年のイラク戦争などでも使用されたが、核弾頭を使う計画は実質的に断念されたといえる。
要求取り下げは25日、上院歳出委員会エネルギー・水開発小委員会のドメニチ議員(共和党)が公表した。ドメニチ議員によると、同局は「地中貫通兵器の研究は、核でなく通常兵器を優先すべきだ」との見解を示したという。AP通信は政府高官の話として、通常型に研究を集中する決定がすでになされたと報じた。
ブッシュ政権は02年1月の核戦略見直し報告(NPR)で、地下の敵施設攻撃を想定したRNEPの研究推進を打ち出した。しかし、使用時の放射性降下物で民間人が大量に死亡する可能性を専門家が再三指摘。連邦議会も懸念を示し、05年度も予算を認めていなかった。
ただブッシュ政権は依然、先制使用も視野に入れた核配備体制を維持する姿勢を崩してはいない。RNEP研究は断念したものの、安価で維持が容易な核弾頭の導入を目指しており、今年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議では「核不拡散を強調しながら核軍縮努力が不十分」と批判を浴びた。
米国の核政策に詳しい軍備管理協会(ワシントン)のダリル・キンボール事務局長は「ホワイトハウスは使用可能な核に固執するのでなく、国内外の過剰核弾頭の解体をさらに進めるべきだ」と述べている。
毎日新聞 2005年10月27日 11時28分 (最終更新時間 10月27日 11時53分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20051027k0000e030045000c.html