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【ワシントン=坂元隆】オーストラリアのテレビ局が19日、アフガニスタンに駐留する米軍兵士が旧支配勢力タリバン兵士の遺体を焼いているとされる映像を放映したうえ、米軍がタリバンを挑発したと報道し、波紋を広げている。
アフガン駐留米軍は19日、「違法行為だった疑いがある」として、調査を開始したと発表した。遺体を火葬しないイスラム教を国教とするアフガン政府も同日、独自調査に着手した。
豪SBSテレビが放映した映像は、アフガニスタン南部のカンダハル近郊にある農村の丘の上で、米兵たちが米軍との戦闘で死亡したタリバン兵士2人の遺体を焼いているところを映している。
イスラム教では遺体は焼かずに埋葬するのが通例だが、SBSによると、米兵たちはイスラム教を冒とくする目的で意図的に遺体をメッカの方角に向かせた上で焼いたという。
続いて、心理作戦の専門家という米軍軍曹が村に潜んでいるとされるタリバン兵士の残党をおびき寄せるため、ラウドスピーカーで村の方角を向き、「タリバン、憶病な犬どもよ。恐ろしくて仲間の遺体を引き取りに来ることもできないのか」と挑発的なメッセージを読み上げた。
現場で取材にあたったのは、オーストラリアのフリージャーナリストで、AP通信に本人が語ったところによると、米陸軍空挺旅団に従軍し、10月1日に遺体を焼く光景を撮影したという。SBSは、米兵の行為は、「遺体は尊厳をもって埋葬される」と定めたジュネーブ条約に抵触すると指摘している。
アフガニスタン駐留米軍は19日の発表の中で、「敵性戦闘員に対する虐待や宗教・文化的信条を冒とくすることは許されない」とし、「疑いが立証された場合は、(米軍の)統一軍事裁判法に基づき適当な措置が取られる」と述べている。
タリバン兵士らを拘束しているキューバのグアンタナモ米軍基地では5月、米軍の尋問官がイスラム教の聖典コーランをトイレに流したと報じられ、のちに誤報だと判明したものの、アフガンやパキスタンでイスラム教が冒とくされたとして暴動が発生し、数十人が死亡している。
(2005年10月20日21時52分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20051020i214.htm