★阿修羅♪ > 戦争75 > 703.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
米イラク公聴会:出口戦略示さず、議員から批判噴出
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051020k0000e030069000c.html
【ワシントン笠原敏彦】ライス米国務長官は19日、上院外交委員会の公聴会に出席、イラク政策について答弁した。米兵死者が2000人に迫る中、ブッシュ政権が一向に米軍の撤退スケジュールを含む明確な「出口戦略」を示さないことに対し議員から批判が噴出した。米軍の早期撤退を求める国内世論の動向が公聴会に波及した形で、ブッシュ政権のイラク政策へのいら立ちが議会でも高まっていることを示した。
ライス長官はこの日3時間半に渡って議員の質問を受けたが、質問の多くが「出口戦略」と駐留米軍の果たす役割に集中した。ルーガー委員長(共和)は「多くの米国人が出口戦略に注目している。撤退時期の明示がたとえ武装勢力を利することになるとしても、国民には撤退の基準を知る必要がある」と口火を切った。
「私たちベトナム(戦争)世代が学んだ教訓は、国民に支持されない外交政策は維持できないということだ」(バイデン議員=民主)などの発言が続き、議員は撤退開始の「基準」の明確化を求めた。だが、ライス長官は「(撤退は)イラク軍の能力を向上させ、武装勢力から政治の安定を守れるようになった時」などと答えるにとどまった。
撤退時期への言及を避けるライス長官に対し、サーベンズ議員(民主)が「質問を簡単にしよう。10年後にはどうなっているか」と尋ねると、同長官は「何年後にどれだけの軍隊が駐留しているかを推測するのは適当でない」と返答。米メディアの中には「米軍 10年後も駐留の可能性」と速報するところもあった。
共和党議員に欠席が目立つ中で、ケリー議員(民主)は駐留米軍の存在がイラクで反米感情をあおり、事態を悪化させていると指摘、制憲プロセスをめぐるイスラム教シーア派などとスンニ派の「根本的な相違」を解決するのが先決だと追及した。これに対し、ライス長官が「数百年に及ぶ両派の相違を数年間で解決すると考えることは現実的でない」と反論する場面もあった。
米国では米軍の早期撤退を求める声が高まり、ブッシュ政権は厳しい立場に追い込まれている。CBSテレビの最新の世論調査によると、米国民の64%がイラク戦争は米兵の犠牲に値しないと考え、59%が即時撤退すべきだと答えている。
◇19日の米上院外交委公聴会での米議員の主な声は次の通り。
【共和党】
▽ルーガー議員 イラクの石油の状況は改善せず、電気も戻らない。米国人は「なぜ我々はイラクにいるのか」と問いかけている。
▽チェイフィー議員 ブッシュ大統領は占領を終わらせる5段階の計画を示した。このうち、社会基盤再建、国際支援増強、治安確保の3点は失敗している。
▽ボイノビッチ議員 イラクで息子(米兵)を失った父親は手紙で「イラクでの米国の使命が崇高とは思えない。議員が悲劇的な誤りを問いただすよう求める」と語っている。
【民主党】
▽ファインゴールド議員 我々がイラクにテロを増殖させる土壌を作ってしまったのは明らかだ。数万人の米軍を無期限に駐留させることは破壊活動を抑えるより、火をつけることになる。
▽ボクサー議員 ラムズフェルド国防長官はイラク戦争が「6週間で終わる」と話し、チェイニー副大統領は「我々は解放者として歓迎される」と言った。ブッシュ政権は偽りの期待感を与え、それが(イラク政策不支持の)世論調査結果につながっている。
▽ネルソン議員 私は国民の(ベトナム戦争への)支持がない時に米軍の制服を着た。結果は良くなかった。今回、あの時のような結果にならないことを望んでいる。【ワシントン笠原敏彦】