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イラク中部サーマッラで15日、投票所の列に並ぶ男性を身体検査するイラク軍兵士=AP
朝日新聞からhttp://www.asahi.com/international/update/1015/012.htmlより引用
イラク、憲法案の賛否問う国民投票 投票所に放火、襲撃
2005年10月15日23時12分
今後のイラク国づくりの基礎となる憲法案への賛否を問う国民投票が15日、実施された。集計には数日かかるとみられるが、承認されれば、旧フセイン政権の崩壊後初めて正式な政府が年内に誕生する。ただ、憲法案を巡って主流のイスラム教シーア派やクルド人と反主流のスンニ派が対立し、投票所を狙った攻撃も発生。今後のイラク国家建設と治安の維持に不安を残すことになった。
投票は15日午前7時(日本時間同日午後1時)〜午後5時。有権者は18歳以上の男女約1550万人。投票所は全国約6200カ所で、国連やアラブ連盟などの代表団が投票プロセスの監視にあたった。イラク移行政府は治安部隊10万人以上を動員して投票所を警備。有権者一人ひとりへの身体検査も実施し、武装勢力の妨害に備えた。
投票終了時まで大規模なテロは伝えられなかったが、投票所への放火や襲撃が散発的に起きた。
確定結果の発表は19日前後の見通し。イラク選管は「早ければ16日夜にも暫定結果を出したい」と話している。
シーア派とクルド人の大多数は賛成票を投じたとみられ、反対の立場を取っていたスンニ派のイラク・イスラム党も直前に賛成に回ったことから、賛成が半数を超えるのは確実。イラク移行政府のタラバニ大統領は15日「スンニ派政党も賛成しており、憲法案は承認される」との見通しを示した。
ただ、イラク基本法には「全18州のうち3州で反対が3分の2を超えると否決」との条項がある。反対が今も根強いスンニ派が多数を占める州が4州あるため、情勢は依然不透明だ。
承認されれば、12月に新憲法下での体制を担う国民議会選挙があり、同月末までに新政府が誕生する。否決された場合は現行の国民議会が解散され、再選挙して1年以内に憲法案を再び起草、国民投票をやり直す。
憲法案の焦点は、強い権限を持つ「地方政府」の創設を盛り込んだ連邦制。旧政権下で抑圧されたシーア派とクルド勢力が起草作業を主導したが、両者が多い北部と南部に油田が偏っていることもあり、スンニ派の多くは「石油収入を独占しようとしている」などと反発した。
新憲法案はイラクを「多民族、多宗教の議会制民主主義国家」とも規定。イスラム教を公式宗教とした。また、言論の自由など市民の権利を保障するとともに「サダム・フセイン式バース党主義」を禁止した。
◇イラク憲法案の主な内容
【一般原則】多民族、多宗教、連邦制の議会制民主主義国家
【宗教】イスラムは国の公式宗教で、「一つの主要な法源」
【言語】公用語はアラビア語とクルド語
【行政・立法】大統領任期は4年。国民議会議席の25%以上は女性枠
【資源】石油と天然ガスは全国民共有財産。収益は人口比で公正に分配