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【カイロ=岡本道朗】
12日明らかにされたシリアのガジ・カナーン内相(63)の自殺が、憶測を呼んでいる。レバノン国内では、「知りすぎた男」カナ―ン氏に、アサド政権が「詰め腹」を切らせたとの観測がもっぱらだ。
カナ―ン氏は、1982年から約20年にわたりレバノン駐留シリア軍の治安部門最高責任者を務めた。レバノン実効支配の闇の部分を熟知した実力者で、今年9月、シリア関与が疑われるハリリ・レバノン元首相暗殺事件の国連調査団の事情聴取を受けた。
レバノン国内では、シリア国営通信が伝えた「銃口を口にくわえ引き金を引いた」との「自殺」説に懐疑論が強い。ハリリ家が所有するレバノン紙「ムスタクバル」は13日付紙面で「カナ―ンは自殺か、殺害か」と大見出しを打ち、「知りすぎた男はハリリ暗殺の真相を語ったのか、語ろうとしていたのか。自殺は、重要証人を消そうとした(シリアのアサド)政権による計画殺人の可能性がある」と、踏み込んで論じた。
アサド大統領は12日CNNテレビとのインタビュ―で、ハリリ事件について、シリア及び自身の関与を改めて全面否定した。ただその際、「国連調査団によって、事件に関与したと結論ずけられたシリア人がいたとすれば、彼らは裏切り者とみなされ、反逆罪で国内外いずれかの法廷で裁かれることになる」と述べたため、この発言は、「政権内粛清」説をあおった。
レバノンでは、25日にも発表される予定の国連報告書がカナ―ン氏を直接、「クロ」と指摘する可能性は低いと見られていた。その一方、シリアのシャラ外相は13日の内相葬儀の席で、内相が心理的に圧力を受けていたことを明らかにした。
自殺の背景には、別の要因も考えられる。
カナ―ン氏は、アサド大統領の父ハフェズ氏とも盟友。昨年秋の内相就任以来、シリア国内やレバノンを網羅する多重構造的な治安機関の改編を任され、らつ腕をふるってきた。その過程で、軍治安機関の既得利権にもメスが入ったことは間違いなく、「消された」可能性も捨てきれない。
シリアの周辺国影響行使に警告
米大統領
【ワシントン=貞広貴志】
ブッシュ米大統領は12日、「シリアが自殺(テロ)や殺人に加わる連中のイラクへの越境を阻止するため、あらゆる措置を取るよう期待する」と述べ、イラク憲法国民投票を前にシリアが国境警備を強化するよう改めて求めた。ホワイトハウスでポ―ランドのクワシニエフスキ大統領と会談後、記者団に語った。ブッシュ大統領は、「シリアがパレスチナ領の殺人者たちを扇動しないよう求める」とも述べ、シリアの周辺諸国への影響行使に対し強く警告した。
読売新聞 05 10 14