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(写真は、フジモリが収監されている刑務所の前で座り込む反フジモリ派ペルー人;プラカードには『これ以上の独裁はもう御免だ』と書かれている)
フジモリはペルーへの「身柄引き渡し」申請に期待をかけている(エル・ムンド)
これは11月9日付の記事なのですが、エル・ムンド紙は、チリで逮捕されたペルーの元大統領フジモリが、2,3週間後と思われるペルーへの身柄引き渡し申請に期待をかけて心待ちにしていることを伝えています。
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http://www.elmundo.es/elmundo/2005/11/09/internacional/1131498984.html
Fujimori espera encarcelado la solicitud de extradición que llegará en dos o tres semanas
『フジモリは獄中で、2、3週間後の身柄引き渡し申請を期待する』
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この記事の要点は見出しの通りなのですが、チリで逮捕されてペルーから正式な「身柄引き渡し要請」があれば、まさしく『合法的に』ペルーに戻ることができるわけです。ペルー検察庁の反不正責任者のAntonio Maldonadoはこの2、3週間内にフジモリの身柄引き渡しを要請すると見られています。
ただペルーの選挙管理委員会は、フジモリには大統領選出馬の資格は無い、と断言しています。
またこの記事には、ペルー国内で、フジモリの弁護士を勤めるフアン・カルロス・オソリオとセサル・ナカサキの頭の上に抗議の卵が雨のように降った、と書かれています。今のところはカトリック教会(リマ大司教はフジモリと縁の深いオプス・デイ、フアン・ルイス・シプリアニ)は何も言っていないようですが、オプス・デイとCIAにどんな秘策があることやら。
参考までに、私の阿修羅投稿の中から引用します。
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/126.html
イベリア半島「百鬼昼行図」 その4:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ
(1)バチカンを牛耳り中南米を操る悪魔的カルト集団
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【前略、引用開始】
オプス・デイは、ラテン語で「神の御わざ」という意味のカトリック系カルト組織で、スペイン語で言うとオブラ・デ・ディオスとなるため、スペインやラテンアメリカでは「オブラ」と呼ばれることもある。
この名前は、もし例の1996年12月17日に起こったペルーの日本大使館占拠事件に注目していた人なら覚えているかもしれない。ペルーの反政府組織のMRTAが、天皇誕生日を祝賀するためにリマの日本大使館に集まった日本人たちを人質にとって大使館を占拠した事件だが、その際にMRTAとの交渉役を引き受けたカトリック神父シプリアニはこのオプス・デイの有力なメンバーの一人である。
この事件は翌年の4月22日に、地下のトンネルから大使館に突入した特殊部隊によって占拠中のMRTAメンバーが全員射殺される、という劇的な結末を迎えるのだが、当時ヨーロッパではその突入の場面だけではなく命乞いをする少年まで撃ち殺すシーンがテレビで放映され、各国世論はフジモリを強く非難した。
この政権を支えていたものは大資本や大地主、超保守的カトリック教会(むろんオプス・デイが主導)だったのだが、彼の顧問「怪物」モンテシーノスに引きずられ選挙法を改正してまで体制維持を図ろうとしたフジモリに対して、ペルー国民の我慢は限界を超した。さまざまな不正と腐敗が暴露され、フジモリはモンテシーノスと同様に国外逃亡を余儀なくされたのだ。恐らく『日本国籍』のパスポートを偽造して。
フジモリ政権とその崩壊の姿については、次にご紹介する田中宇氏の2つの記事に詳しいので、そちらに譲ることにしよう。
http://tanakanews.com/b0813peru.htm
http://tanakanews.com/b0820peru.htm
日本大使館占拠事件に関しては、次の2つの文章(日本語)もご参照いただきたい。
http://clinamen.ff.tku.ac.jp/MRTA/Velazco/Velazco_5.html
http://clinamen.ff.tku.ac.jp/Peru/Opus_Dei.html
さて、フジモリは日本にトンズラし、モンテシーノスはとっ捕まり、シプリアニはどうなったか。カナダに本拠地があると思われるアナーキスト系団体のサイトA-infoより「ペルーの枢機卿J. L. シプリアニ、人殺しのオプス・デイ」(2001年3月11日)と題された記事を見てみよう。主要な部分のみを訳出して引用する。
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http://www.ainfos.ca/01/mar/ainfos00237.html
【訳出・引用開始】
新しいペルーの枢機卿、フアン・ルイス・シプリアニはこの日曜日に、非難のデモ隊のグループの中で、リマでの彼の初めてのミサを催した。デモ隊は叫んだ。「元大統領フジモリとその顧問モンテシーノスの独裁体制の共犯者! 去年の行方不明の反体制派を殺したやつらの共犯者! 日本大使館でMRTA(ペルーの反政府組織:訳者)の10人の若者と4人の指導者を殺したやつらの共犯者! 謀略機関のスパイ!」
彼がローマから戻って最初の式典の中で、親愛なるオプス・デイのメンバーと出会い、同時にまた、自分たちがカトリックであることを示した上でこの枢機卿を拒否するシュプレヒコール「ファシストのシプリアニ!」「人殺しのシプリアニ!」を繰り返す人々のグループもそこにいた。
【中略】
評論家たちはシプリアニがペルーのカトリック教会の保守派(オプス・デイ)の代表であることを認めている。その一方で、チンボテの北シウダッド・プエルトの司教ルイス・バンバレンに代表される反対派はペルー司教区代表会議で常にシプリアニを批判するのだが、しかし、反対派の枢機卿や司教たちはすべて奇妙な方法で死んでいる。(カトリック教会では昔からそうなのだが。)
【後略:引用終わり】
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何と、シプリアニは、フジモリ失脚のすぐ後、ローマによって大司教から枢機卿に出世させてもらったのである。これがローマ教会の「意志」なのだ。他の中南米諸国も同様だが、反対派の僧侶たち(主に「解放の神学」を唱えるイエズス会派とそのシンパ)が次々と謎の死を遂げた後、オプス・デイの息のかかった僧がバチカンによってその穴を埋めるように任命されていく。
【後略、引用終り】