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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051106-00000009-san-int
イラクのウラン購入虚偽情報、伊実業家の捏造
FBI発表 カネ目的/伊機関から米英へ
【ワシントン=樫山幸夫】米中央情報局(CIA)工作員氏名漏洩(ろうえい)事件の遠因となった、イラクによるニジェールからのウラン購入という虚偽情報がイタリア人実業家によって捏造(ねつぞう)され、イタリア情報機関を通じて米英両国に伝えられていたことが分かった。米連邦捜査局(FBI)は四日、この実業家が金銭目的でイタリア情報機関にニセ情報を提供したとの捜査結果を明らかにした。カネ目当ての一外国人の策謀が米政権を痛撃するスキャンダルに発展した。
米、伊両国内報道などを通じて判明しているところでは、イタリアの情報機関、SISMIの協力者である実業家、ロッコ・マルティーノ氏は二〇〇〇年、イラクにウランを売却していることを示すニジェール政府の文書をでっち上げ、ローマにあるCIA事務所などに売り込もうとした。
CIA事務所所長は信憑(しんぴょう)性に欠けるとして文書買い取りを拒否したものの、同氏はSISMIに持ち込み、SISMIはこれをCIAや英諜報機関のMI6に伝えた。
文書の出所は明かされておらず、CIAはマルティーノ氏とは別の情報源からだと解釈。米政府はこれを基に、二〇〇二年にジョセフ・ウィルソン元駐ガボン米大使を現地に派遣、調査に当たらせ、ウィルソン氏は「信憑性に欠ける」との報告書を政府に提出した。
だがマルティーノ情報を信用した英政府からもイラクとニジェールの関連を指摘する情報がもたらされたため、米政府はそれを事実と判断。この疑惑はイラク開戦直前の二〇〇三年二月のブッシュ米大統領の一般教書演説に盛り込まれた。
文書がニジェール政府のレターヘッドに印刷されていたこともSISMIを信用させる効果を持った。レターヘッドは一九九一年にローマのニジェール大使館から盗まれたとされる。窃盗にマルティーノ氏がかかわっていたかどうかは不明だ。
同氏は伊メディアのインタビューに対し捏造などの事実を認めている。〇三年からこの件を捜査していたFBIも今夏、同氏の動機は金目当てだとする捜査結果をイタリア政府に送っている。
FBIスポークスマンは四日、捜査結果を初めて認めたものの、同氏とSISMIの間で金銭授受があったかどうかなどは明らかにしていない。
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CIA工作員名漏洩事件の経緯 自らの調査結果を無視されたウィルソン元大使が米紙への寄稿でこれを暴露、ブッシュ政権のイラク政策全体への批判も展開した。イラク戦争が一段落した二〇〇三年七月、保守派の政治評論家、ロバート・ノバク氏が一部メディアへの寄稿で、ウィルソン氏のバレリー夫人はCIAの工作員で、ニジェールで実際に調査したのも夫人だったと暴露した。
ウィルソン氏は「経過を明らかにしたことの報復として政権側がリークした」と指摘し、カール・ローブ大統領次席補佐官(当時は上級顧問)らを名指しで非難した。CIA工作員名は国家機密に当たり、先週、チェイニー副大統領の前首席補佐官ルイス・リビー氏が偽証罪などで起訴された。
(産経新聞) - 11月6日2時50分更新