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10/30 16:29 血塗られたダイヤモンド リベリアで続く違法採掘
血塗られたダイヤモンド―。アフリカ諸国では近年、ダイヤ利権
が内戦の一因となり、多くの血が流れた。その一つ、リベリアに対
し国連は、ダイヤ取引を通じ隣国の紛争に介入しているとして二〇
〇一年以降、ダイヤ輸出を禁じる制裁を科している。しかし、ダイ
ヤがもたらす富に群がる人々による違法採掘や売買は、今もひそか
に同国で行われていた。
十四年間続いた内戦で白壁が崩れ落ちた家々が立ち並ぶ首都モン
ロビア。真っ青な空の下、通りでたむろしている何人かの男に、日
本人ビジネスマンと称し声をかけた。「ダイヤの原石を買いたい」
。すぐに薄暗い階段を上らされ、監視カメラ付きの狭い一室に案内
された。鋭い目をしたイスラム教徒の初老の男が引き出しの鍵を開
け、白い紙の包みを取り出す。白や赤、黄など、さまざまな色の原
石、大小の粒がこぼれ出た。
窓もなく蒸し暑い部屋に約十人の男が入り込み、こちらを凝視し
ている。「これ全部で、いくら」「八千ドル」「白い石だけ欲しい
」「ばら売りはしない」
こちらの素性すら尋ねない。余計な質問は一切なしで値段の交渉
だけが続く。緊張のため口の中がカラカラに乾き始めた。約二十分
後「高すぎる」と交渉を打ち切って逃げ出した。
「わが国では今、ダイヤの売買や採掘はすべて違法」。車で数分
しか離れていない庁舎で、メイソン土地・鉱業・エネルギー相は言
い切った。大臣室の中に展示される宝石類のサンプルを指さしなが
ら「しかし、このように、わが国は鉱物資源や石油が豊かだ。だか
ら違法な採掘行為をすべて監視するのは無理なのが現状だ」と弁解
する。
地元記者は「大臣は汚職で有名だ。外国や国内の業者から相当な
わいろを得ている」と漏らし、政府は事実上、ダイヤの違法売買を
野放しにしていると強調した。
首都から車で北東に約九時間かけ、最大のダイヤ産地、ニンバ郡
の緑濃い山中に入った。投資家を装い「ダイヤモンド・ボス」と自
称する地元の中年男性に鉱山を案内してもらう。水をたたえた約十
メートル四方のピット（立て坑）が幾つも並ぶ一帯を指さし、男は
「一つの穴から多いときは七百、少なくても二百五十は（原石が）
採れる」と自慢した。内戦中の一九九二年に採掘開始。「おまえの
ような外国投資家が次々に訪れる。大型機械を導入し採掘すれば、
膨大な富が得られるはずだ」とほくそ笑んだ。
同国に駐留する国連平和維持部隊は各地のダイヤ鉱山の上空をヘ
リコプターで飛び、監視している。しかし、手作業によるダイヤ採
掘場はいずれも小規模で無数にあり、国連関係者の一人は「恐らく
相当な量のダイヤ原石が今も国外に流出している」と、国連制裁は
実効性がないことを認めた。（モンロビア共同＝渕野新一）
20051030 1629
[2005-10-30-16:29]
10/30 17:04 リベリア
リベリア 米国の解放奴隷が１８４７年に建国。人口約３４０万
人。首都モンロビア。外国船が節税のため書類上だけ船籍を置く国
として知られる。アフリカの最貧国の一つで１人当たり国民総所得
は１３０ドル。解放奴隷の子孫が先住の黒人諸民族を支配する構造
が続き、１９８０年に先住民族出身のドウ曹長がクーデターで政権
奪取。ドウ大統領は自らの出身民族を優遇、ほかの諸民族の反発を
招き、８９年に内戦が勃発（ぼっぱつ）。２００３年まで１４年間
続き、推定２５万人が死亡した。（ナイロビ共同）
20051030 1704
[2005-10-30-17:04]
10/30 17:05 紛争と不可分のダイヤ アルカイダ資金源情報も
西アフリカ各地で主として一九九〇年代に続いた泥沼の内戦で、
反政府勢力の主要な資金源はダイヤモンドなどの天然資源だった。
国際テロ組織アルカイダが西アフリカでダイヤを買い集め資金隠し
をしていたとの情報もある。適切な管理を求める声は強い。
リベリアでは二〇〇三年の内戦終結後、元反政府勢力の兵士らが
「武器をシャベルに代えて」ダイヤ採掘の現場で働き、全く監視の
目が届いていないダイヤ鉱山が急増中とされる。
暫定政府は今年一月、国連で禁じられた輸出のみでなく、採掘や
販売などダイヤに関するすべての活動を禁止したが、国連によると
、現在も毎月、推定で約三十五万ドル（約四千万円）相当の違法採
掘が続いているという。
リベリアのダイヤは現在、隣国シエラレオネやギニアなどのほか
、世界最大のダイヤ原石取引市場があるベルギーにも直接密輸され
ているといわれる。特に今も政情不安な隣国コートジボワールでは
北部の反政府勢力の資金源とされ、地域の安定を妨げる要因にもな
っている。（モンロビア共同＝渕野新一）
20051030 1705
[2005-10-30-17:05]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。