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もうちょっとわかりやすいサイトがあったので、コピペしときまふ。o○
ご自身の為にご活用ください。(爆)
私が好きな科学者&作家であるカール・セーガン氏が、最近文庫化された最後の著作「人はなぜエセ科学に騙されるのか(上):新潮文庫(「カール・セーガン科学と悪霊を語る」を改題)」の中で、陥りやすい論理的な落とし穴を20項目に分けて述べており、非常に分かり易く面白いので、自戒を込めて(笑)ご紹介します。一般向けに書いてありますが、科学を志す人にとっても非常に示唆的です。本書の中ではこれらの注意点は「トンデモ話検出キット」と称されていますが、常にこのキットに照らし合わすよう心がければ、論理の罠に陥る危険性はぐんと減るでしょうね。赤字が本書からの引用。黒字は私のコメントです。
CONTENTS
1. 対人論証
2. 権威主義
3. 「そうじゃないと具合が悪い」式の論証
4. 無知に訴える
5. 特別訴答
6. 論点回避
7. 観測結果の選り好み
8. 少数の統計
9. 統計の誤解
10. 無定見
11. 前提とつながらない不合理な結論を出す
12. 因果関係のこじつけ
13. 無意味な問い
14. 真ん中の排除
15. 短期と長期の混同
16. 危険な坂道
17. 相関と因果関係の混同
18. わら人形
19. 証拠隠し
20. 故意に意味をぼかす
1. 対人論証 - 議論の内容ではなく論争相手を攻撃すること。
「Aさんって男権主義者でしょ。だから彼のセクハラに対する意見は取り合わなくていいわ」的な論理ですね。論理のすり替えとも言えます。この場合、議論すべき対象は「Aさんのセクハラに対する意見」なのであって、Aさんの主義や人格ではないはずです。
2. 権威主義
要するに「偉い人が言ったから信用しよう」ということ。1と同様、議論すべきは人ではなく意見そのものなのだということです。偉い人でも間違うときは間違う、という当たり前のことなんですけど、ありがちですね。健康グッズや医薬品に「医学博士」の推薦がついていたら何となく信用したくなるでしょ?
3. 「そうじゃないと具合が悪い」式の論証
「妻殺しの疑惑でマスコミをにぎわせた裁判があった。その裁判の被告人は有罪にされるべきである。さもないと、男たちにどんどん妻を殺せとけしかけることになる」という例をセーガンは挙げています。要するに「その裁判の被告人を有罪にしたい」という望みが先にあるため、望ましい結論に持っていくために理由を付けているわけ。この手の論理の特徴は、理由が後から考えられているので飛躍しがちだということでしょうか。
4. 無知に訴える - 虚偽だと証明されないものは真実だ、あるいは、真実だと証明されないものは虚偽だという主張。
例えば「UFOが地球に飛来していないという証拠はない。したがってUFOは存在している」・・・このような議論を展開するのは「結果に簡単に飛びつく堪え性のなさ」のため。「証拠の不在は、不在の証明にあらず」つまり、証拠がある場合でも、ない場合でも、それが仮説を証明するに足る十分条件でなければ断言は出来ないですよね。
5. 特別訴答 - 「手前勝手な議論」ともいう。苦し紛れに使われることが多い。
「訴答」って単語は初めて聞きましたが・・・要するに「煙に巻く」と言った感じでしょうか。答えられないから、難解な言葉などを使ってごまかすというテクニック。問う方が一般の人で答える方が専門家だったりする場合にありがち。「どうしてそのような結論になるのですか?」「それにはデカルト的パラダイムが近代自我に強いたカオス的アイロニーについての理解が必要なのです」(←注:この文章に意味はありません。私が適当に書いたものですよ)
6. 論点回避- 答えが始めから決まっている。
3と同じような論理ですが「暴力的犯罪を抑制するために、死刑を制度化すべきである」というように、根拠のない思い込みによって、望む答えを導くもの。この論理を展開するためには「死刑制度を設けることで暴力的犯罪の発生率は低下する」という確固たるデータを提示する必要がありますよね。
7. 観測結果の選り好み - 「都合のいい場合ばかりを数える」ともいう。哲学者フランシス・ベーコンによれば「当たりを数えて外れを忘れる」
当たると言われる占いなんかがそうですね。占いに頼った時点で「当たるといいな」という希望があるわけですから、当たったことは選択的に記憶されやすく、外れたことは忘れられやすいので、「よく当たる」と思ってしまう。しかし、研究上でも多かれ少なかれ「こういう結果が出て欲しいな」と思いながらやってるので、無意識のうちに陥りやすい誤りでもあります。
8. 少数の統計 - 「7. 観測結果の選り好み」の親戚
数少ないサンプル、または偏ったサンプルによって、全体を推定してしまう誤り。「秋田の女性は美人が多い」と言う人の、秋田県人の知り合いはたったの数人だったりして(笑)。
9. 統計の誤解
ドワイド・アイゼンハワー大統領は「アメリカ人の半数は平均以下の知能しかもたない」と知らされて、驚きと警戒の念を表明した。・・・この話を聞いて、すぐに笑えた人はダイジョウブ(^ ^)
10. 無定見
「旧ソ連で平均寿命が短くなったが、これは共産主義の失敗のせいである」と言いつつ、「米国の乳児死亡率は高いが、これは決して資本主義のせいではない」などと言うこと。ま、コウモリ野郎(笑)ってことでしょうか。
11. 前提とつながらない不合理な結論を出す - 「関係のない話をする」ともいう。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の、「風」から「桶屋」までの過程をすっとばしたような、論理の飛躍ですね。勿論、この間を埋める論理が既に明らかならば構わないんですが・・・。
12. 因果関係のこじつけ - 「○○をやったら××になった。それゆえ○○は××の原因である」
「女が選挙権を得るまでは、核兵器は存在しなかった」・・・まぁ、そのまんまですよ。単なる偶然の一致を、原因と結果にしてしまうことですね。この場合、二つのものには全く関係はないので、当然ですが「核兵器が存在するようになったため、女性は選挙権を勝ち取った」というのも成り立ちません!
13. 無意味な問い
故事成語「矛盾」ですね。「何でも突ける矛」がこの世に存在するのなら「何物も突き通さない盾」は存在しないし、逆もまた同じ。前提がおかしいんだから、議論したって無駄。
14. 真ん中の排除 - 「虚偽の二分法」ともいう。中間の可能性もあるのに、両極端しか考えないこと。
好きか嫌いか、といった二つの結論しか視野に入れない議論。昔流行った「究極の選択」みたいなもんですね。勿論世の中には答えが二つに一つって場合もあるでしょうが、多くの場合は複数の答えがあるんだっていう当たり前の事を常に自覚していれば、陥らないで済むんですけどね。
15. 短期と長期の混同 - これは「真ん中の排除」に含まれるが、重要なケースなので別項を設けた。
「莫大な財政赤字を抱えているというのに、宇宙を探ったり、基礎科学を追究したりしている余裕などない」・・・この例はセーガンの気持ちを表しているのでしょうか? ま、これは解説は要らないでしょう。読んだままその通りです。
16. 危険な坂道 - 「ブレーキが効かない」ともいう。これも「真ん中の排除」と関係がある。
いきなり究極的な結論まで突っ走ってしまうヤツのことです。「死刑を廃止すれば、みんなが気に入らない人を簡単に殺すようになってしまうだろう」というようなもの。
17. 相関と因果関係の混同
あ〜、統計処理やってて一番やりそうな間違いです。AとBに関係があったとしても、AがBの原因であるか、BがAの原因であるかは分からないということ。「12. 因果関係のこじつけ」と似ているのに別項になっているのは、こっちは相関があるということは分かっている場合だからです。なまじ相関という根拠がある分、間違えるとこっちの方が始末が悪いかも。
18. わら人形 - 「架空の敵に吠える」ともいう
「環境保護論者は人間よりもスネイル・ダーター(絶滅の危機に瀕しているスズキ目パーチ科の小魚)やニシアメリカフクロウの方を大切にしている」という風に、自分で勝手に相手のイメージを持っていて(あるいは作り上げて)、それに対してどうこう言ってもしゃーないやんけ、ということ。
19. 証拠隠し - 真理の反面しか語らない。
「7. 観測結果の選り好み」に近いでしょうか。例えば「誰それの予言は驚くほど当たる」と言うくせに、それは出来事が起こる前に予言されていたのか?当たらなかった予言はないのか?という疑問には答えない、など。自分に都合の悪い証拠には目をつぶり、都合のいいところだけ表に出すこと。
20. 故意に意味をぼかす - 「逃げ口上」ともいう。
第二次大戦中、日本軍が「敗走」を「転進」と言い換えていたようなもの。政治家の「前向きに善処いたします」という文句もそう。意味するものは同じなのに、故意に耳障りのいい言葉に言い換えること。