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下記の図はIEAが2004年に発表した世界の石油生産の見通のグラフに私が加筆したものです。
これをEPRを考慮に入れて生産量から実際に得られる石油の量を素人なりに考えてみました。
EPRとはエネルギーの利益率の事で、次の数式で計算します。
EPR = 出力エネルギー / 入力エネルギー
現在の生産の能力(既存油田の一次回収)で賄えた2000年と、2010年、2020年を比較してみます。
計算式
石油日産量 × EPR /(出力 + 入力)= 実際に得られる石油の量
2000年
75mb × 10/(10 + 1) = 68.18mb
2010年
(90mb×56%×6.31/(6.31+1))+(90mb×30%×3/(3+1))
+(90mb×14%×2/(2+1))= 72.15mb
2020年
(90mb×24%×3.98/(3.98+1))+(90mb×47%×1.89/(1.89+1))
+(90mb×29%×1.26/(1.26+1))= 59.47mb
以上の考察の結果から見かけの生産量がIEAの見通しの様に増加しても、実際に得られる
石油の量は2010年辺りのピークから減少する事がわかります。
EPRの数値と減少率はあくまで仮定ですが、一応関係資料から推察して導き出した物です。
IEAの見込みでは特に、既存油田の二次回収、三次回収(EOR)、の急激な増産を前提
としています。
しかし、どの様な油田もその性状から石油の生産と共に内圧が低下します。故に人工採油、
油井の増量等の手当てが必要になります。すなわち、出力エネルギー(生産量)の維持、向
上の為に入力エネルギーの増加が必要な事は明白な事実です。
この様な物理的性状を前提として、一次回収のピークを過ぎた既存油田に、二次、三次回収
への投資と再開発が進むでしょうか?
一次回収のピーク後、二次、三次回収で得られる明確な石油の量とEPRの推移を事前かつ
正確に知る事は可能なのでしょうか?
IEAの見通しは、年々増える石油需要に対し無理やり二次、三次、非既存石油、新規油田
を追っ付けているだけの希望的観測に見えるのは私だけでしょうか?
やはり投資マネーが集まらずに、見かけの生産量も2010年までにピークを迎える可能性
が高いのではないでしょうか?。そうした場合もEPRの低下は進みますから、実質の生産
量はもっと少なくなる筈です。
所謂、ピークオイル悲観論者はもちろんの事、楽観論者、ピークオイル否定論者、世界の石
油関係者も、仮に二次、三次回収の増産があったとしてもEPRを前提としたネットエネル
ギーの減少の可能性は、多少の見解の相違はあっても承知しているのではないでしょうか?
※この内容を東京大学名誉教授の石井先生に見てもらおうと思っています。
万が一ご教示いただけた場合には、改めてお知らせしたいと思います。