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2006.1.10(その2)
2006年森田実政治日誌[23]
2006年元旦の社説にみる大新聞の堕落【6】――日本にとってのアジアの重要性を取り上げた東京新聞社説だけが健全である
「友と交わるには敬愛の二字を必法とす」(貝原益軒)
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アジアの時代
東京新聞だけが健全である。同紙社説は「アジアの時代」がテーマ。タイトルは〈日本の出番なのに…〉。前文にこうある。
《「アジアの時代」がすぐそこに。日本は自らの将来のためにも地域連携の先導役、まとめ役を務めるときです。近隣外交の行き詰まりを打開してはばたく年に。》
正常な考えである。
《アジアの地図をしばらく眺めていると、あちこちから熱気が立ち上ってくるような錯覚を覚えます。……この地域には、三十億もの人間がうごめいています。経済成長著しく……。この活気を背景に、アジアの新しい秩序づくりが始まっています。》 これも正常な見方である。
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日本の政治への苦言――真のアジア重視を
《日本は戦後、アジア重視といいながら、実際は日米主軸、先進工業国に目を向けた外交を展開してきました。しかし、二十一世紀、経済力を高め、安定を確保するにはアジアとの地域ぐるみのつながりを一層強めることなしに、展望は開けません。》
このとおりである。
《ところが、この肝心なとき、政治次元での日本の存在が希薄です。先の東アジアサミット、小泉首相は中国や韓国との首脳会談を開けませんでした。靖国参拝をきっかけとする先の戦争責任に関する認識違いや反発が原因です。……東アジアサミットでも、他の首脳から「日中の対立は迷惑」と批判される始末です。……小泉首相の言動は、国内の中堅、若手政治家の偏狭なナショナリズムを刺激しています。やられたらやり返す、に品格はありません。》
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政治の責任――中国との関係改善を
《中国の軍事力増強が「脅威」という見方もありますが、軍拡競争はおろかです。……外交による対応が必要です。反目はお互いの不利益にしかなりません。経済の交流の深さ、広さを、政治も含めた全体の関係改善に昇華させるのは、為政者の役割です。
秋の「ポスト小泉」。行き詰まりの近隣外交そのままでは、日本の大損失です。対米関係とともに、アジアの時代に参画する戦略を持った後継者がほしいところです。》
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東京新聞の社説は、健全である。日本がいま何をなすべきかについて、真面目に考え、真面目に問題をとらえている。
いま日本にとって大切なのはアジアである。日本が中国と対立関係になるなどということは、まことに愚かなことである。小泉首相の靖国神社参拝と中韓両国政府への感情的でかたくなな対抗心は、有害である。
ほとんどのマスコミは、このような間違った態度をとる小泉首相をほめ上げ、小泉首相を独裁者にしてしまった。マスコミは、まずこのことを反省すべきである。
朝日、毎日、読売、日経、産経、東京6紙のなかで東京新聞の社説だけが健全である。東京新聞は中部地方の中日新聞と一体である。中日・東京の両方を合わせると、読売、朝日に次ぐ第三の新聞社である。中日・東京を全国どの地域でも購読することができるかどうかは知らないが、新聞をどれか一つだけ読むなら健全な東京か中日がよいと思う。
2005.12.5(その2)2005年森田実政治日誌[486]
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2005.11.23(その1)2005年森田実政治日誌[460]
「日本自立・非従米路線と小泉従米政治との対決――「日本自立・非従米主義」の新しい波が全国に広がり始め、小泉従米政治への批判広がる/関岡英之論文(『文藝春秋』12月号)が全国で広く話題になっている」