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□厚生年金、パート加入義務拡大…「週20時間以上」に [読売新聞]
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060514it01.htm?from=top
厚生年金、パート加入義務拡大…「週20時間以上」に
政府は13日、厚生年金への加入が義務付けられるパート労働者の範囲を大幅に拡大する方針を固めた。
労働時間が「おおむね週30時間以上」の加入基準を、「週20時間以上」に広げる案を軸に検討する。
パート労働者の不安定な労働環境を改善するのが狙いだ。「再チャレンジ推進会議」(議長・安倍官房長官)が5月中にまとめる中間報告に盛り込み、2009年をめどに実施を目指す。
推進会議では、基準を「週20時間以上」に広げた場合、400万人前後が新たに加入することになると試算している。
パート労働者にとっては、厚生年金に加入すれば、報酬に比例して国民年金より多額の年金が受け取れるようになり、老後の所得保障が充実する。保険料の点でも、全額負担である国民年金(月1万3860円)に比べ、厚生年金は企業と労働者の折半となるため、個人の負担は基本的に軽くなる。
パートの厚生年金加入の拡大は、04年の年金改革でも議論されたが、多くのパートを雇用する外食産業や小売業などの業界を中心に、「保険料負担が重くなる」と強い反発が出て、見送られた経緯がある。04年に成立した年金改革関連法には、この問題を09年をめどに再検討する規定が盛り込まれた。
今回も同様の反発が予想されるが、政府は、賃金や年金保険料の負担を避けたい企業が正規社員の雇用を抑制し、パートを増やすケースがここ数年、目立っていることを問題視している。厚生労働省の調査では現在、正規社員が約3100万人であるのに対し、パートは1000万人以上に上っている。
政府は今回の措置で、こうした状態を是正し、公正な労働環境の整備につなげたい考えだ。小泉首相の主導する構造改革の下で、格差の拡大が指摘されていることも、正社員との扱いの差を縮小する今回の措置の導入を後押しする要因となっている。
一方、同じパートでも、厚生・共済年金に加入するサラリーマンや公務員の配偶者で、パート収入が年130万円未満の場合は、国民年金の第3号被保険者に分類され、保険料を納める必要がない。こうした扱いには、「優遇されすぎだ」との批判もあり、政府は、収入要件を「年65万円程度」などに厳しくすることを合わせて検討する方針だ。
(2006年5月14日3時1分読売新聞)