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30―40代の所得格差拡大
指標値の上昇は最大30%
厚労省調査を再集計
2002年までの15年間に、所得格差の度合いを示す指標値「ジニ係数」が30―40代の男女で最大約30%上昇したことが7日、厚生労働省所得格差の「所得再分配調査」のデータ再集計で分かった。
60代以上の高齢層でも格差は拡大したが、年金を加えた再分配所得で大幅に圧縮されたのに対し、30―40代では税や社会保障による改善がみられなかった。現役世代の格差は今後も拡大の可能性が指摘され、対応が課題となりそうだ。
所得格差をめぐっては、内閣府が1月に「主に高齢者世帯の増加などによる見かけ上のもので(実質的な格差拡大は)統計データからは確認できない」との見解を公表。一方、厚労省は労働経済白書の06年版骨子で賃金格差の拡大を指摘し、政府内でも現状認識に関し温度差が出ている。
再集計は、国立社会保障・人口問題研究所の金子能宏部長らの研究グループが実施。厚労省が3年に1回、世帯単位で集計、公表している所得再分配調査の1987年、93年、02年のデータを男女、年齢階級別に比較した。
ジニ係数は、社会保障給付を含まない税引き前の当初所得ベースで、30―49歳の男性と30―44歳の女性が上昇した。上昇幅は35―39歳の男性が29・6%と最大だった。男女とも、特にバブル経済崩壊後の93年以降に格差拡大が目立った。
65歳以上の男性と60歳以上の女性もジニ係数が上昇したが、年金給付により所得格差が改善されていた。
02年の所得再分配調査によると、当初所得の年収が1000万円以上の世帯が約13%を占める一方、100万円未満の世帯は約23%に上る。
分析を担当した同研究所の小島克久室長は「現役世代では非正規雇用の増加や成果主義への移行が、高齢層では賃金収入がなく年金などで生活する人の増加が背景」と指摘している。
(5.7 17:33)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20060507/fls_____detail__045.shtml