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□長者番付消える…ホッとする人、がっかりする人も… [夕刊フジ]
http://news.www.infoseek.co.jp/fuji/story.html?q=06fuji320060506010&cat=7
長者番付消える…ホッとする人、がっかりする人も… (夕刊フジ)
長年初夏の“風物詩”として親しまれてきた長者番付(高額納税者公示)が、今年から廃止される。開始から50年あまり、さまざまな時代を反映してきたが、個人情報保護法に加え、高額納税者を狙った勧誘や犯罪が増加したためだ。だが、所得隠しへの監視機能や「いつか長者に」という目標にもなっており、ホッとする人も、がっかりする人も…。
「一生懸命働いた証しとして受け止めていました。しかし、世の中の目はどちらかというと、高額納税者に対してやっかみ半分の見方をするようです。素直に受け止められることが少ないようですので、逆に負担になることが多々ありました。公表が廃止されたことは、不快な思いをせずに済むだけ良かったと思います」
こう話すのは、みのもんたさん。昨年発表された16年分の番付によると2億101万円を納め、俳優・タレント部門で2年連続1位に輝いた。
高額納税者の氏名、住所、所得税納税額を税務署に公示する制度が創設されたのは、昭和25年。国家に貢献している優秀納税者を顕彰する一方で、公示金額に疑問を持った第三者から、所得隠しに関する情報が寄せられることを期待するという、いわば“監視”の役目も担った。当初は、通報者に対し報奨金も支払われていたという。
対象は、所得税額が1000万円以上の高額納税者で、バブル期には土地長者が出現し、不況になれば対象者が減少。最近は娯楽・健康食品関係が増えるなど、時代の鏡としての役割も果たしてきた。
16年分の対象者は、約7万5000人。名前、住所など個人を特定できる制度は世界的にも珍しく、情報を悪用して寄付を強要したりダイレクトメールが殺到するほか、脅迫などに遭うケースも。また昨年4月に施行された個人情報保護法との整合性もあり、廃止が決まった。
だが一方で、制度で知名度がアップした人もいる。その“代表格”が、「スリムドカン」など健康食品販売業「銀座まるかん」創業者の斉藤一人氏(57)。12年連続トップ10入りする常連で、ホームページでも「納税額日本一」と宣伝する。その事実と、毎年商売が順調なことを証明する長者番付の“信用効果”はさぞや…。
ご本人は「GWで旅行中」(同社)とのことで直接取材はならなかったが、意外にも昨年末、読売新聞の取材に「個人情報が公表されることで自由な行動が束縛されてきた。公示は一日も早くやめて」と訴えていた。
一方、「(番付に載ったことで)会社にとってはいいことも悪いこともいろいろありましたよ」と意味深にコメントするのは、「タワー投資顧問」の担当者。昨年「サラリーマン初の頂点」として約36億9000万円を納税、おじさんに夢を与えた清原達郎さん(47)が部長として勤務する。
また、常連で昨年32位(納税額約5億3500万円)だった都市開発会社アパグループ代表の元谷外志雄氏(62)は、「納税義務は大きな社会貢献。ひとつの“夢”として励みにしていた人もいたはず。(納税の)透明性も高くなる。個人情報というが、ならば叙勲はどうなるのか。住所などを公開しなければいいだけ」と異を唱える。
「私自身の納税額は今年、増えた」という元谷さんだが、公開による悪影響は「ない」そうで、「ダイレクトメールはたくさん来るが、参考になるものもある」と何とも前向き。「多額の税を納めることが悪いことのようになっている風潮も、問題があるのでは」とも。
どちらにせよ、庶民の本音はウラヤマシイ?
[ 2006年5月6日12時32分 ]