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(回答先: なぜ多い? 大阪の野宿生活者 大阪のホームレス問題に迫る!【週刊大阪日日新聞】 投稿者 どさんこ 日時 2006 年 3 月 26 日 14:56:43)
http://www.pressnet.co.jp/osaka/2006_03/0304_02.shtml
日本一野宿生活者(いわゆるホームレス)が多い街、大阪。全国的に大都市を中心に増加の一途をたどるホームレス問題に対し、平成11年、政府関係省庁と関係自治体は「ホームレス問題連絡会議」を設置。会議を重ねる中、同年5月に当面の対応策を発表した。日本一のホームレスを擁する大阪市においては、彼らの自立を支援する施設の設置が急務とされ、平成12年度、3カ所の自立支援センターが開所した。自立支援センターではどのようなことが行われており、これまでにどのような成果を挙げたのか。実際に現地「自立支援センター西成」に赴き、渡辺和男所長に話を聞いた。
★不自由だけど「自由だ」と思う自分がいる…
−入所するまでのプロセスは。
公園や河川敷などで巡回相談を行い、就労意欲があるなどの入所基準を満たす人を見つけます。私が一度面談をし、アセスメントが得られた上で入所が決定します。
−入所期間は。
基本的には3カ月。ですが必要に応じて最大6カ月まで延長可能とされています。
−入所するとどのような支援を受けられるのか。
宿所、食事、入浴など、生活の基本となるサービス。そして、健康相談、生活相談、職業相談、指導を行っています。まずは生活習慣を整え、その後、本人がどのような問題を抱え、自立をするために何が必要なのか、明確にしていきます。
−ホームレスに至る原因で主なものは。
失業、病気やケガ、借金などですね。
−入所を拒否する人の理由は。
入所前の野宿形態を見てみると、毎日寝る場所が特定されない、ダンボールでの野宿者が多いです。小屋やテントなど、一定の場所に自分の居場所を作っている人は、空き缶集めやダンボール集めなどで、1日1000〜1500円ぐらいの収入はある。自分だけの住処を維持できるので、そこを捨ててまで自立センターに来ようとは思わないようです。
−本名も言えない人もいるのでは。
本名を言うことができないサラ金問題などを抱える人に対して、それを相談できる法律相談も設けています。その人がホームレスに至るまでの経緯を明らかにして、一つひとつ振り返り、解決していく必要があります。
−これまでの成果は。
延べ退所者1031人のうち、444人が就労しています(約43%)。
−退所理由で最も多いのは。
自主退所(自分から退所した人)が348人(※詳しくは左図を参照)。退所の主な原因は「対人交流」に関するものが多い。「同室の人のいびきがうるさい」「8人部屋では狭い」「価値観が異なる」「飲酒ができない」などの不満に我慢できなくなるようです。
★メンタル部分のケア充実させたい
−ホームレスの自立支援に何が一番必要だと思いますか。
メンタル部分のケアをもっと充実させていきたいです。アルコール依存症や、家庭問題など、心の問題を抱える人が多い。1人ひとりがそれぞれ、野宿に至るまでの経緯を振り返り、まず「自分」とはどういうものかを知ることが大切です。一般社会から落ちた理由を突き詰め、現在の自分を再確認し、それでやっと「将来どうすればいいか」ということまで考えられるようになる。そのためには、物事の根本である「振り返り」でその人の心の問題を解決しておくことがとても大切なのです。
−所長として最も望むことは。
就労のためのキャリア・カウンセリングを行っているのですが、その際、「最近、笑ったことがありますか?」と尋ねる文書をつけています。みんなそれぞれが「自分にとって働きやすい職場」を見つけ、その人らしい笑顔が見られるようになれば。一時期は大阪で1万人近くいたホームレスも最近ではかなり減ってきているようです。また、様々な問題に対処できるよう、スタッフの力量も上げていきたいですね。
★取材後記
ホームレス問題は大阪の縮図
公園からのホームレス排除のニュースを見て、「なんて自分勝手なプータローなんだろう!」と腹を立てていた私が、実際に自立支援センターに取材に行ってからは「批判、拒絶だけでホームレス問題を論じるなかれ!」に変わっていた。しかし、支援センターの現実だけでホームレス全体の問題を解決できないことも、所長の悲痛なインタビューで理解出来た。
その後の中山議員のインタビューであった事から『この人はどちら側の人間か?』という先入観でインタビューに際した私だった。インタビューを聞く内、「議員には法律による問題解決が可能」だということを思い知らされた。右だ右だと思っていた先生だが、みじんにも感じさせないロジックにはつい、「なるほどなあ」と聞き入ってしまった。
だてに4世議員ではないなと変に評価するくらい国会議員の役目がよく理解出来る時間だったと思う。
後は「果たして本当にそうなるか?」という裁定を住民、いや府民がする番であろう。本紙としても万全の紙面スペースで今後も論戦に参加したい。 (吉田実篤)
「失業」がホームレスへの主な原因になっているが、それは「居場所や生きる希望の喪失」も意味すると思う。これからピークを迎える団塊世代の大量退職、増加しつつある若年層のフリーターやニート…。「働く」ことに関しての価値観が揺らぎ、しがらみや責任を嫌う若者世代には未来への軽い「失望感」が見え隠れする。
先日、94歳になっても、元気にいくつもの会社の仕事を手掛けている方に出会った。まだまだ現役で「100歳までは仕事を続けたい。夢を持ち、何かにチャレンジする毎日が楽しい」。恐るべきプラス思考だった。「すべては心の持ちよう」なのだ。
渡辺所長は現状に心を痛めながらも、それでも自らの課題を乗り越え、就職した者を誇りに思い、そして毎日を淡々と乗り越える姿が見受けられた。何かを変えようとする時は、何か奇抜な仕掛けがあることはそうない。たいていは諦めずに継続することが大事だ。簡単なようで実はけっこう大変だ。 (住田雅江)
ざ@週刊大阪日日 2006/3/4