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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060303/mng_____sya_____007.shtml
児童養護施設パンク寸前に
虐待急増で緊急避難
虐待を受けた児童などの保護が急増し、東京都が児童養護施設に定員を超える受け入れを要請する事態となっていることが二日、分かった。全国の施設の入所率は定員の九割以上に達し、パンク寸前の状態。このため保護した児童の行き場がなく、頭を抱える自治体も多い。専門家は「子供を救うためには緊急避難もやむを得ないが、抜本的な対策を講じる必要がある」と指摘する。
児童相談所に付属し受け入れ先が決まる前に子供を一時的に預かる一時保護所の入所率は、都内で昨年六月から六カ月連続で定員(計百二十八人)を超過した。未集計だが、今年に入っても定員いっぱいの状態が続いているとみられる。
受け入れ先の児童養護施設が今年一月に97・4%となるなど事実上満員で、空き待ちの状態が続いているためだ。
このため都は同月、都外の一部施設を除く都立と民間計五十二の児童養護施設長あてに文書を送り、定員を超える受け入れを要請した。
同様の要請は、二〇〇四年十二月に続いて二回目。このときは、都から新年度までの暫定受け入れの適否について打診を受けた厚生労働省が「好ましくないが施設の職員などの配置基準を下回らず、一時的な措置ならやむを得ない」と判断。都内の民間十施設は昨年三月、定員を超過した。
児童養護施設は児童一人当たりの居室面積や、小学生以上六人に職員一人の配置などの最低基準が省令で定められており、定員超過で基準を下回ると改善勧告の対象となる。
今回の要請について都育成支援課は「虐待を受けた子を放置できない。あくまでも暫定的な措置で、最低基準も下回らない」と説明している。
一方で、都は慢性的な保護児童の多さに対応するため新年度から一時保護所の受け入れ定員を十六人増員し、〇八年度までに児童養護施設のグループホームを計百カ所整備する計画。里親への委託児童も〇一年度から百人以上増やすなど施設外の受け皿も拡大しているが、入所児童の増加に追い付かない状態だ。
<メモ>児童養護施設の入所状況
厚生労働省の2004年の社会福祉施設等調査によると、児童養護施設の入所児童は計30597人(同年10月1日時点)で、定員の91・4%。1994年に増加に転じて以降、入所率は初めて9割台に達した。
都道府県(政令指定都市、中核市分を除く)では東京の96・8%をはじめ、大阪や愛知など都市部はほぼ満員の状態。関東地方の1都6県では、埼玉の97・6%を最高に、5都県で定員の9割を超えている。
虐待を受けた児童の入所が増えており、厚労省の調査では27・4%(03年2月時点)と、5年前より約8ポイント増加した。