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週40時間労働制限、高収入社員は撤廃 労基法改正検討
2006年01月25日20時34分
労働時間制度の見直しを議論している厚生労働省の研究会(座長・諏訪康雄法政大学教授)は25日、これまでの管理職に加え、一定以上の収入や権限のある労働者を、1日8時間・週40時間の労働時間規制から外す新制度の導入を盛り込んだ報告をまとめた。これを受け、同省は労使代表も含めた審議会の議論を経て、07年にも労働基準法の改正を目指す。成果主義などで自律的に働く人が、出退勤時間などに縛られず働けるようにする狙いだが、長時間労働や過労死の増加を懸念する声もあり、議論を呼びそうだ。
対象者は、業務量を自分で決められる「管理職手前の中堅社員」や「プロジェクトチームのリーダー」ら。報告では、(1)仕事の進め方で指示を受けず業務量をコントロールでき、成果で賃金が決まる(2)一定水準以上の年収があり、本人が同意している(3)過労を防ぐ健康確保措置がある(4)導入は労使協議で合意する――の4点を条件とするよう求めている。具体的な金額は各企業の労使で決める。企業側は、残業代などの割増賃金を支払う必要がなくなる。
労働時間規制を巡ってはこれまで、人事や労務管理に決定権がある企業の部長ら「管理監督者」や、研究開発や企画立案などの業務で、実際の労働時間にかかわらず一定時間働いたとみなす「裁量労働制」の人は、対象外だった。企業側から対象の拡大を求める声があった一方、労働者側からは権限がない人にまで適用され、過労死や不払い残業につながるとの指摘があった。報告では、対象者の要件を明確にし、既存の制度と整理・再編することを提案している。
また報告では、04年度で取得率が46.6%と低迷する年次有給休暇について、現行のように労働者に任せるのではなく、企業側に具体的な取得日の決定を義務づけさせ、確実に消化させることも盛り込んだ。
研究会の報告を受けて連合は25日、「過労死・過労自殺が社会問題となっている中で、適用除外の拡大は長時間労働を助長することになる。導入は大きな問題だ」とする談話を発表した。
http://www.asahi.com/life/update/0125/010.html