★阿修羅♪ > 社会問題2 > 542.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
かわら版・ジャパンユニオン 2006/1/15 第142号
http://www.labornetjp.org/labornet/news/2006/20060116m1
先日、小さなパーティーに参加しました。主役は中国人女性数名。翌日帰国の予定でし
た。この女性たちは実習生・研修生として3年間日本で働いていました。
小さな縫製業の会社です。中国を出てくる時6万元の契約料を取られました。そして日
本での賃金は入管当局に届けられた額が12万5千円。しかしその実態は、一番高い時で
時給300円、一ヶ月の労働時間は200時間を超え、加入していない社会保険料が引か
れ、自炊にもかかわらず食事代1万5千円も引かれ、強制貯金と称して天引きされ、実際
の手取り額は二万円にも満たず、挙句に年間の休日は15日という状態。住んでいる所は、
12月の雪の積もる寒さの中でも暖房器具はなく、雨漏りもする自称「寮」というもので
した。パスポートと外国人登録証は取り上げられていました。
しかしこの女性たちは黙っているのではなく、最初は社長に不満を言ってましたが、全
く改善されず、暴力的なってきたため、つてを頼って日本の労働組合に相談、そして加入
し、交渉をはじめました。
結果は残念ながら帰国する日が来てしまったため、時間切れ状態ですが、今日の彼女た
ちの顔は、少し晴れ晴れとしていました。100%解決したわけではありませんが、自分
たちががんばった気持ちが現れていました。手作りの餃子も振舞われて、暖かいパーテ
ィーでした。
しかし、事はこの数人だけの問題ではありません。同じ県下に1万人弱の中国人研修
生・実習生が同じような条件で働いているとの事です。もっと悪いところあるというよう
な話もだされました。日本の繊維産業は その川下でこのような実態があり、その上に成
り立っている産業という事なのでしょう。業界というより産業そのものが、労基法や最低
賃金と いった法律がない世界の上に成り立っている、そう思いました。昔、「女工哀
史」が言われ、「野麦峠」が昔話として映画になってきましたが、今また再現されている
のです。
以前この欄で、「やめたくてもやめさせてくれない」「やめると言ったら暴力をふるわ
れた」「賠償金を請求された」という相談が多くなってきた事を紹介しました。私たちは
昔「タコ部屋」と呼んだ状態が現代に出現し驚きましたが、今また「女工哀史」が出現し
てきました。
私たち労働組合を担っている人々が、踏ん張らないといけない。その夜はほんとうに痛
感して家路につきました。