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所得格差の拡大「見かけ上の問題」 内閣府が否定
2006年01月19日21時14分
社会問題化している所得格差の拡大を示す指標(ジニ係数)の上昇について、内閣府は19日、「見かけ上の問題だ」として、格差拡大論を否定する見解を公表した。ただ、経済学者の中にはこの見解の論理構成に疑問を示す意見も出ている。
所得分配の不平等さから貧富の差の大きさを示すジニ係数について、内閣府は、厚生労働省の所得再分配調査や総務省の家計調査などをもとに分析。係数は上昇傾向だが、元来所得格差が大きい高年齢層世帯や、核家族化の進行で所得の少ない単身者世帯が増えたのが原因で、所得格差の拡大は見かけ上のものだ、とする見解を5ページの文書にまとめ、19日の月例経済報告の関係閣僚会議に提出した。
所得格差の拡大をめぐっては「小泉政権の経済改革が加速させている」「生活保護世帯の増加や自殺者の増加を招いている」「低所得者層の教育機会が奪われている」などの指摘があり、政策論争の題材にもなり始めている。
ジニ係数は、税や社会保障を通じた再分配によって全員の所得が同額になる状態を0、分配がおこなわれず1人が全所得を独占している状態を1と表す。経済協力開発機構(OECD)が04年発表した加盟国のデータによると、日本は0.314で、平均の0.309を上回った。日本より不平等な国はアメリカなど数カ国しかない。
こうしたデータをもとに格差拡大問題を論じている橘木俊詔(たちばなき・としあき)・京都大教授は「家族の人数を考慮して調整した所得を使い、核家族化の影響を除外しているOECDのジニ係数上昇データを、内閣府はどう説明するのだろうか。また高齢化が原因というが、高齢の貧困者が増えている問題をどうするつもりなのかと問いたい」と話している。
http://www.asahi.com/life/update/0119/007.html