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成績が悪い生徒ほど学力低下が著しく、学力が二極化している−。私立高全校の数学教員を対象に東京理科大数学教育研究所(沢田利夫所長)が実施した調査結果で14日、こんな傾向が浮き彫りになった。また、教員からは「中学のしわ寄せが来た分、履修内容が増えすぎている」などと「ゆとり教育」に対する批判が多数寄せられた。
同研究所は、高校の数学のカリキュラムなどについて昨年2−3月、私立1273校の担当教員を対象に調査。28%にあたる355校から回答を得た。同大で14日に開いた研究報告会で発表した。
報告書によると、「学力が低下している」との回答は成績の下位層で87%、中位層で76%を占めたが、上位層では48%と約半数。逆に「学力低下はない」との回答は、下位層で17%、中位層で23%にしか過ぎなかったが、上位層では46%にのぼった。成績が低い層の生徒ほど学力が低下する一方で、上位層の学力については評価が二分する結果となり、「学力低下の二極化」がくっきりと浮かび上がった。
カリキュラムについての自由回答では、平成15年度から始まった新課程に対する批判が圧倒的に多かった。解(かい)の公式や不等式をはじめとして旧来の中学3年の内容が高校1年の範囲に移った点などを踏まえ、「中学のしわ寄せが来た分、履修内容が増えすぎている」「文科省の単位数、内容では大学受験に全く対応できない」との不満が相次いだ。
中高一貫校の教員からは「教科書の内容に縛られていないので、現行(新課程)でも気にならない」と余裕を見せる回答が見られた半面、そうでない高校からは「数学IIICまで終わらせるのが困難。限界を感じる」との悲鳴も上がった。
「内容が虫食い的に削られ非常に教えづらい」「2、3年に内容が盛り込まれている量が多い。1年生でやるべき内容が少なすぎる」「数学I、基礎解析、代数幾何、微分積分、確率統計の内容に戻してほしい」などと数学の体系化を求める意見も根強かった。
現在取り組んでいる学力低下対策では、習熟度別授業や補習、土曜講座などが多く、数学検定を取り入れる学校も相次いだ。一部の学校では、学力向上のために旧課程の教科書をそのまま活用するところもあった。
【2006/01/15 東京朝刊から】
http://www.sankei.co.jp/news/060115/sha030.htm
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産経では、指摘できるはずもなかろうが、これは自民文教政策が順調に進んでいる結果なのだ。一部エリート以外は学力低下する方が、今の支配勢力にとっては都合がいい。なぜならB層以下の厚みが増せば、国民からの批判が一層薄まるという愚民化政策(=衆愚政治)が貫徹されていくからだ。元文化庁長官の三浦朱門は教育課程審議会で常々そのことを露骨に表明している。
[参考]
学力低下(また更新しました)―Hitoming♪日々
斉藤貴男 『機会不平等』 文芸春秋