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「安全で安心・長持ちする良質…」公言
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_01/t2006011202.html
耐震強度偽装事件で、民主党「次の内閣」国土交通大臣の長妻昭衆院議員が指摘した住宅金融公庫の責任論が注目されている。姉歯秀次元建築士＝写真左＝や、不良物件を販売したディべロッパーの責任は避けられないが、事実上、違法な偽装マンション１７棟を「良質物件」と判断して融資した公庫にも「責任の一端がある」との声が出ている。
「住宅金融公庫は融資に際し、設計審査と現場審査を実施しているが、姉歯偽装物件を１７棟も良質物件として通していた。審査が甘いと指摘されても仕方ない」
長妻氏は１１日の連載『俺がやらねば』で、こう指摘した。
問題の１７棟、１６５戸の見逃しリストは別表の通りで、うちグランドステージ稲城など８物件は、居住者への自主退去勧告や使用禁止命令が出されている。
住宅金融公庫は昭和２５年、国民の住生活の安定と向上を目的に設立された国の融資機関。資本金の１６８７億円は全額が政府出資だ。
一般的に、銀行など民間金融機関の住宅ローンでは、年収や勤務先など利用者個人の条件面を厳しく審査するのに対し、「公庫の融資は、利用者より、住宅の居住水準に対して厳しい審査を設ける傾向がある」（住宅ジャーナリスト）。
長妻氏も指摘したように、公庫は融資に際し、建築基準法での建築確認とは別に、独自の建設基準を設け、そのチェックも着工前の設計審査、着工後の現場審査と２段階に分けられている。
設計審査では、立面図、断面図などの提出が求められ、現場審査では敷地の接道・面積から住宅の規模、配管設備、天井高、耐久性まで厳しくチェックされる。
このため、「広告などに『住宅金融公庫融資付（優良分譲住宅購入融資）』と表示されると、業界では公庫も認めた良質で適正に供給された物件と判断され、資産価値も高くなる」（前出のジャーナリスト）。
だが、公庫は今回、姉歯偽装物件を１７棟も見逃し、事実上の“お墨付き”を与えていたのだ。
住宅金融公庫は「建築基準法に基づく建築物の完了検査後に交付される検査済証を確認し、融資を行っている。今回の事件に、責任が生じることはない」としている。
公庫による審査は全国１００以上の指定機関に委託され、この中には姉歯偽装を見逃していた民間確認検査機関「イーホームズ」や「日本ＥＲＩ」も含まれている。
長妻氏は「国の融資機関として『安全で安心・長持ちする良質の住まいの取得をお手伝いする』と公言している以上、公庫も『責任がない』とはいえないはず。プロとしての誇りはないのか。少なくとも、これまでの審査体制がずさんだったと反省し、改善してほしい。通常国会で厳しく追及する」と話している。
【住宅金融公庫が融資した姉歯物件】
グランドステージ稲城 融資１戸
グランドステージ八丁堀 同２戸
グランドステージ東向島 同４戸
グランドステージ住吉 同５戸
グランドステージ川崎大師 同１戸
グランドステージ藤沢 同１戸
グランドステージ下総中山 同７戸
グランドステージ川口原町 同１０戸
ロセット喜多見（仮称） 同２戸
グランドステージ千歳烏山 同７戸
グランドステージ赤羽 同７戸
グランドステージ町屋 同２０戸
グランドステージ豊田（仮称）同１０戸
グランドステージ江川 同２９戸
グランドベイ横浜 同３５戸
グランドステージ鶴見 同２３戸
アルカンシェル和田町駅前 同１戸
《１７物件、計１６５戸》
ZAKZAK 2006/01/12
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_01/image/t2006011202fujisawa.jpg
姉歯物件でも最弱とされる「グランドステージ藤沢」にも、住宅金融公庫は“お墨付き”を与えていた
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。