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小1問題は躾の問題ではない
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投稿者 東の空 日時 2006 年 1 月 06 日 07:22:29: SaGIQF63Ne3VA
 

(回答先: 幼稚園から義務教育、延長幅1〜2年…政府・与党方針 (読売新聞) 投稿者 東の空 日時 2006 年 1 月 02 日 15:29:15)



義務教育をめぐっては、近年、小学校低学年で、集団生活になじめない児童が騒いで授業が混乱する「小1問題」が起きている。

この「小1問題」なのだが、素朴に考えると家庭での躾がしっかりなされていないことが要因であろうと思ってしまうのだが、実はそう簡単ではないようである。
以下の臨床心理士の方のエッセイを一度読んでみて戴きたい。

子どもの甘え、その問題と背景
檀渓心理相談室    西村 洲衞男
http://www13.ocn.ne.jp/~dankeco/pap8.html

以下は上記の一部である。

1 学校での問題
 そこで臨床心理士が相談される学校の問題を紹介しよう。
 ある子どもは家庭で厳しくしつけられ、母親の期待するように行動して良い子を演じている。その子が学校にきてやさしい先生に受け持たれると、途端に子どもらしく自由に振舞いはじめる。自分の椅子にじっと坐っていることができず、先生の話を聴くことも、ノートに書くこともできず、立ち歩いて他の子どもの物を取り上げたりする。少々叱っても押さえは利かない。
 母親はそんな羽目をはずした子どもの姿が想像できないこともある。厳しい母親は概して攻撃的だから、先生の指導が悪いのではないかと批判的な態度に出てくることもあるので、その対応にも気を使わねばならない。
 このように自分の椅子に坐っていることができず、厳しく叱ると教室から飛び出してしまう子どもがいるとそれに同調する子も出てくる。このような子どもが3、4人もになると、学級経営は困難になり、いわゆる学級崩壊の状態になる。
 最近は低学年でこのように落ち着きのない、自分の椅子に坐っておれず、学習も進まない子どもが全国レベルで増えてきたので、1,2年の低学年向けには補助教員が付くことがある。しかし、この落ち着きのなさは3、4年生時には高学年まで持ち越されることがある。3、4年生は元々活発で不安定な年齢であるが、その中で一段と落着き無い複数の子どもを担任一人で管理するのは難しい仕事である。従って、このような子どもが3人もいると大抵は学級崩壊になってしまうのが常である。しかし、低学年に加配された補助教員は高学年には回せないので、管理者も頭をいためることとなり、教頭先生などが応援しなければならないのが現状である。
 自分の椅子に坐っていられない子どもの指導は、いわゆる指導、叱責ではどうにもならない。担任教師が母親代わりになって、常に子どもを担任の傍にいさせ、時には身体にまとわりつかせていると、子どもが落着いて、授業が可能になることがある。私は先生の相談に乗るときは大抵このやり方で治めている。
 椅子にじっと坐っていることができない子どもたちは、家でいつも学習やお手伝いや片付けなどに追い立てられ、じっとしていることが許されない。母親に相手をしてもらおうとしても、言うことを聞きなさいと従わせられるだけであろう。子ども自身がしてもらいたいことや聞いてもらいたいことをしっかりと聞いてもらったことがないのではなかろうか。だから、教室では先生の注目をひきつけ、関心を持ってもらおうとして、先生に直接ではなく、傍にいる子にちょっかいを出したり、立ち歩いたり、叱られると教室から逃げ出したりする。そして、先生に掴まえてもらいたいのである。
先生は常に子どもに目をむけ、話を聴き、時には抱っこしたりおんぶしたりしなければならない。まるで赤ん坊扱いである。しかし、それを本人もクラスの友達も当然のごとく受け入れるところが面白い点である。
 このようにして、丁寧に子どもに対応していると、大体1学期か、2学期の半ばには子どもが自分の椅子に落着くようになる。

つまり、厳しく躾けられた子が問題を起こしているのである。
全てがこうだということは無いかもしれないが、少なくとも家庭での躾がなされていないことが要因というような簡単な話では無いのは確かである。
そもそも、幼児の成長というのは個人差があるし、同じ学年でも4月生まれと3月生まれでは相当な差が生じる。
家庭環境によっても差が出る。
また、成長が遅れていると思っていても時が立てば案外しっかり成長していたりするものである。
そして、特に重要なことは幼児の成長というものは、まともな環境があれば自然に生じるもので、学校で学習課題をこなしていくようなタイプの学習とは違うということである。

幼稚園を義務教育に加えるということは、文部科学省の方針で幼児に画一的な課題を設定するということになると思われる。
これは、私にはかなり異常なことのように思われるのだが、どうだろうか。
おそらく、新たな問題を作り出すだけで、情緒不安定な子供が増える可能性もあるのではないだろうか。

幼稚園の無償化は結構なことかも知れないが、義務教育とするのは何かおかしな気がしてならない。

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