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トラック:厚労省立ち入り運送会社、7割で労基法など違反
厚生労働省が04年に立ち入り調査したトラック運送会社の7割以上で、労働基準法などの違反が確認されたことが分かった。違反率は00年以降ほぼ横ばいで改善が進まず、過労運転に伴う重大事故も相次いでいる。規制緩和による競争激化で運賃が大幅に下落、経営環境が悪化しているためとみられる。
同省は04年、全国の労働基準監督署を通じて3036社に立ち入り調査した。2318社(76.4%)が労働基準関係法令に違反し、労働時間(原則週40時間)超過が53.0%、時間外賃金などの不払いが19.8%だった。違反率は00年の72.0%以降、毎年70%台が続いている。
同省が定めた労働時間などに関する基準告示も58.0%に当たる1761社が違反。運転手の1日最大拘束時間(16時間)違反の44.5%、連続運転時間(4時間)違反の38.3%が目立った。
トラック運送業は90年以降の規制緩和で新規参入が進み、競争が過熱。同省は、事故が多発した03年以降、立ち入りの対象会社数を増やして指導を強化し、悪質な例は書類送検して刑事処分を求めている。
大阪市内のある運送会社の男性運転手(42)は、大阪と東北地方を月10回以上往復。運転と休憩を加えた拘束時間は1カ月で400時間を上回る。残業代の支払いを求めて会社側と大阪地裁で係争中で、「収入は下がったが、勤務はきつくなる一方だ」と話している。
厚労省労働基準局監督課は「荷主の要求は断りにくく、運転手にしわ寄せが行きやすい。運送会社への指導とともに、荷主となる経済団体などへの要請にも力を入れたい」と話す。【鵜塚健】
▽川村雅則・北海学園大講師(労働経済論)の話 トラック運送業は商品(輸送サービス)の差別化が困難で、運賃で競争することになりがち。市場競争ですべて調和が取れるという考え方は明らかに破たんしており、市場の秩序を保てるよう法制度の整備が必要だ。
毎日新聞 2006年1月1日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060101k0000m040065000c.html