★阿修羅♪ > 社会問題2 > 401.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
公正?民間検査機関…住宅メーカーなどが出資・出向
マンションなどの建築確認を行っている民間の確認検査機関のうち、国土交通相が指定する民間企業11社中の9社に対し、複数の住宅メーカーや建設会社などが出資し、少なくとも計90人の社員を出向させていることが17日、わかった。
検査される側の関係企業が、検査する側に資本や人事の面で影響力を行使できる形になっており、専門家からは「公正な立場を保持できるか疑問だ」との声が上がっている。
現在、計124ある確認検査機関は、営業範囲により、国交相指定(17機関)、国交省地方整備局指定(34機関)、知事指定(73機関)に分かれる。このうち、民間企業は、国交相指定で11社、整備局指定で33社、知事指定で30社ある。ほかは財団法人など。
営業範囲が広域に及ぶ国交相指定の11社について読売新聞が調べたところ、姉歯秀次・元1級建築士(48)による構造計算書の改ざん9件を見逃していた「日本ERI」(東京都港区)は、ミサワホームなど住宅メーカー5社が計約20%の株を保有。ほかにも、設計・建設業を営む約10社が計約5%を出資していた。
また、改ざん1件を見過ごした「東日本住宅評価センター」(横浜市)は、住宅設備機器を販売する東京ガスが約30%を出資。これとは別に、住宅産業に縁の深い他の企業十数社も計30%以上の株を保有しており、約160人の社員のうち約40人は、出資企業からの出向組だった。
さらに、「ハウスプラス住宅保証」(東京都港区)の場合、住宅メーカーと協力してオール電化住宅の提案型営業を進めている東京電力が約40%出資し、全職員約70人のうち15人が同社から出向。三十数件の改ざんを見逃していたことがわかっている「イーホームズ」(新宿区)も、関係業界にかかわる個人2人が計1%の株を保有している。
資本関係のある企業からの建築確認の依頼は、東日本住宅評価センターの場合、年間受注件数の約80%、日本ERIが約20%、住宅性能評価センター(新宿区)は約15%となっている。
建築基準法は、検査機関の指定にあたり、「役員や検査員が検査業務の公正な実施に支障を及ぼさない」ことを条件としており、国交省は1999年、建設、設計・監理のほか、ガス、電力会社などを「制限業種」とし、50%以上の株の保有を原則禁止した住宅局長通達を出している。
ただ、検査機関内部に監査委員会を設けた場合に限り、制限業種の会社が3分の2未満までの株を保有することを可能としており、問題の民間検査会社9社中4社は、制限業種の企業によって60%以上の株が保有されている。
検査会社側は「株主だからといって検査に手心を加えることはあり得ない」(西日本住宅評価センター・大阪市)としているが、ある検査機関の役員は「住宅メーカーと資本関係があれば、ひも付きの仕事が来るので、『なあなあ』になることはある」と証言。欠陥住宅問題に詳しい吉岡和弘弁護士も、「中立性を欠き、問題。自治体認定の確認検査機関でも同様な状態とみられるが、実態が公表されず不透明」と話している。
(2005年12月17日14時34分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051217i105.htm