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□サラリーマン農民 仕事の中身と待遇 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1521330/detail
サラリーマン農民 仕事の中身と待遇
「田舎で農業をして暮らしたい」――そんな願いを持つサラリーマンが増えている。しかし、現実に第2の人生で農業を始められるのは農村出身者が故郷に帰る「帰農」が大半だ。ところが、最近は普通のサラリーマンが農業法人などの「会社」に転職し、“サラリーマン農民”となる例が増えているという。その仕事の中身や待遇はどうなっているのか。
今月19日、北海道札幌市で全国農業会議所主催の「新・農業人フェア」が開かれた。全国27農業法人が参加し、20〜50代のサラリーマン農民希望者約500人が押しかけた。
「農業法人への就職情報を提供するこのイベントは毎年数回、東京・大阪などの大都市圏で開かれています。昨年の総入場者数は約5000人で、8年前の2倍。農業に関心を持つ人はドンドン増えています」(同会議所の新規就農相談センター次長の内藤欽一郎氏)
それほど人気のサラリーマン農民には、どんなメリットがあるのか。
実は普通のサラリーマンが独立した農家を始めるのは障壁が多い。農地法により一般のサラリーマンがいきなり農地を買うことはできないし、苦労して農地を取得できたとしてもその取得費用や耕運機の購入といった莫大な初期投資が必要だ。また、商品になる作物を栽培する技術を身に付けたり、実際に栽培した作物を出荷するまでに何年もかかる。その間は無収入を覚悟しなければならないのだ。その点、サラリーマン農民ならこうした問題とは無縁だ。
「初期投資はゼロだし、給与もくれる。栽培方法も先輩が教えてくれる上、どんな作物をいつ出荷すれば利益が出るのかも日常業務の中で自然と身に付けることができます。もちろん、管理職になれば収入もアップ。将来、独立するのもやりやすいのです」(内藤欽一郎氏=前出)
では、実際のサラリーマン農民の勤務条件はどうなっているのか。米や酪農で年間売り上げ1億9000万円の農業法人「有限会社 永井農場」(長野県小県郡)の条件はこんな具合だ。
「基本の勤務時間は朝7時30分から夕方6時30分まで。年10日の有給休暇や家賃の2分の1(上限3万円まで)の住宅補助があります。生産、食品製造、営業、販売・総務・企画まで幅広くこなせる人材を求めているところです」(同社の永井進専務)
気になる給与は基本給が15万〜17万円。研修期間の3カ月は基本給の70%が支給される。
全国農業会議所のアンケートによれば、仕事は酪農、米作、野菜、果樹などの農作業が中心で、勤務時間はAM8〜PM5で、途中60〜90分間の休憩があるのが一般的。給与は月給制で社会保険完備。平均的な初任給は高卒14.5万円、大卒17.3万円。中には退職金が出る農業法人もある。
この手の農業法人は全国に1万社以上あり、その多くが新たな人材を求めている。求人情報は各農業法人のホームページや都道府県の新規就農相談窓口、農業会議所主催の「新・農業人フェア」などで入手できる。
農業会議所では12月から全国のハローワークで農業法人の求人情報を載せたフリーペーパーを配布する予定だ。
すぐにでもサラリーマン農民になれそうだが、落とし穴はないのか。
「収入は減りますが、夜の飲み代などがあまりかからないので、手元に残る金額は増えることも。ただし、会社の人間関係に疲れてサラリーマン農民に転職したいという人は向かないと思います。農業は集団作業が多いですからね」(千葉県・柏市にある染谷農場の外部スタッフ)
まずは、求人情報を集めてみるか。
【2005年11月30日掲載】
2005年12月03日10時00分