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(回答先: ひい、ふう、みい・・ ・・俺だ・・(汗) ・・(本文なし) 投稿者 デラシネ 日時 2005 年 12 月 02 日 12:51:14)
http://www.amache.net/ASIN/4334033210
下流社会 新たな階層集団の出現
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5 - 下流と上流の違い [2005-11-08]
これからの時代、中流階層が減少し、下流階層と上流階層の二分化が進むそうです。
本作は、下流であることのデメリットや、下流階層の人々のパーソナルな特徴を、上流のそれと比較しつつ、階層社会を論じています。
今現在「下」に属するであろう私は、「上」の方の特徴を知ることができたのがよかったと思います。なぜなら、「上」を目指す上で参考になるからです。
(所得・学歴以外での)上流階層の特徴となるキーワード=語学力、ボランティア・国際貢献、健康志向、規則正しい生活、積極性、自己アピール、コミュニケーションスキル、明るさ、てきぱき、リーダーシップ、実行力、NHK、財テク・投資
このようなキーワードが、上流の方の特徴らしいです。
また、ポップカルチャーや芸術にうつつを抜かすのは、「下流」の特徴だという指摘にはドキリとさせられました。
本書は、自分のライフスタイルを見直すきっかけにもなる、ためになる本です。
5 - なってきた [2005-11-02]
そう確かに、身近に「カマヤツ系」は増えている。
私の会社には、確実に存在している。
生きて行くことに動機が希薄なのだ。
「なんだかなあ」と不思議に思っていた
世代感が理解できた。読む価値あり。
3 - 社会の現状を理解する手がかりが得られる。 [2005-10-13]
目新しい言葉が表題になっているので、読んでみた。
調査方法としてアンケートは問題が多いので信用できないが、その結果をヒントにして、世代間のギャップを新しい階層集団で捉えようとする著者の視点は面白い。
因みに、私と家内は「広義の団塊の世代」に属し、私の長男は「真性団塊ジュニア世代」に属し、私の長女は「新人類世代」に属する。この3つの世代のギャップをずっと感じてきた。今までは、私たち夫婦と長男・長女との意識ギャップ、あるいは長男と長女の意識ギャップがどうして生まれるのか気になっていたが、それは異なる階層集団の心理のギャップに由来するという本書の手がかりは参考になる。
著者は、経済の変動により、これまでの上中下の三階層集団が上下の二階層集団に分裂していることに注目し、特に下流社会の心理に焦点を当てて論じている。
レビューで指摘があったように、現状の説明にとどまらず、目指すべき社会はどうあるべきで、どう進むべきなのか、という展開が期待される。
2 - ユニークなアプローチ [2005-11-06]
著者も「あとがき」で述べているようにアンケート調査のサンプル数が少ないので,統計的に有意性があるとは思えないところがあります.しかしながら,フリーターやニートといった社会的現象を我々の階層意識(上流・中流・下流)の変化というアプローチで分析しようと試みている点はユニークであると思います.また,団塊の世代が大量に定年退職していくいわゆる2007年問題は,この世代が培ってきた技術・技能の伝承ができていないこともさることながら,団塊ジュニアがその技術・技能を引き継ぎ,発展させていく社会的・精神的な土壌ができていないことを示唆しています.本書の上流・中流・下流に属する人の名称のつけ方などの分類方法には賛否両論だと思います.そして,「下流」という言葉だけが一人あるきしそうな気がします.
1 - これがベストセラーになるというのがすでに… [2005-11-16]
読んでいて、学生時代の同級生を思い出しました。「大学入学を機に上京。世田谷・杉並・大田区に住みたがり、情報誌を見ては話題のスポットに出掛け、仕送りをファッションに注ぎ込み、一年生の夏休み明けには東京在住の同級生より六本木に詳しくなり、就職はマスコミ関係希望」。そういや、「マル金」だの、「マルビ」だの、流行りましたよね。そんな一昔もふた昔も前に若者だった人がそのまんま(あ、現在はシンクタンク云々でしたっけ?)「なんか、よくわかんないんだけど、近頃こんな感じがしてます。アンケートもちょっとだけど取ってはみました。他の人の本にもこんなことが書いてあったし。」ってだけで本を書いちゃったんでしょうか。また出版されちゃうってのもねえ…おまけにベストセラーと喧伝されるというのが、すでに世の中全体が「下流」化してる証拠かも。
1 - 作者は統計学、社会学を勉強した方がいい [2005-11-16]
結論ありきで統計を強引に解釈しています。他の方も書いておられますが、仮説やデータの解釈、結論すべてにおいて論理性がない記述が数多くみられます。学術的な価値はほとんどないと思いました。データ量は豊富ですが・・・。
残念ながら人に薦められる本ではないと思いました。
3 - 「下流」は読まない? [2005-11-16]
問題は、この本を誰が読むのかということでしょう。著書の言葉を借りるなら「下流」の人たちはそもそも本屋で新書を手に取ったりはしない(可能性が高い)。そう考えると、やや穿った見方かもしれませんが、「あ、自分は下流じゃなくて良かった」と、読み手の大半が安心する精神安定剤なのかなぁという気もしてきます。
もちろん、誰もが気づいていながらもなかなか口にすることを憚られる(それは時に差別的とも思われてしまうため)テーマを取り扱っている点で、そしてそれをベストセラーという形で世間の多くに知らしめる点での功績はあると思います。
全体的なデータの甘さ、サンプルの少なさも加味して星3つが妥当でしょう。
4 - 海外在住者にとっては、今の日本を知るいいチャンス [2005-11-15]
海外に住んでいるので、現在の日本を知る為には面白い本だった。確かに統計のサンプル数が低く、これが現在の日本を正確に表している、と思って読んではいけないと思う。が、一億総中流の時代に日本を離れた者にとっては、寝耳に水の内容。次回の日本滞在で、自分が日本の社会の変化をどう感じるか楽しみ。
2 - うーん・・・ [2005-11-15]
最初は「下流」って、もしかして自分の事かもしれない、なんて読んで
いましたが、著者が主張している事が差別的に思えてきました。
大体の傾向として書いているんでしょうけど、「所得の低い家庭の子ど
もは下流になる」と主張しているようにも思えます。
中高一貫の私立が上層で公立の高校が下層というようなことが書いて
ありましたが、北海道では公立の方が優勢です。本州中心部向けに書
かれているような気がします。著者の視野は狭いのではないと思いま
した。北海道の人は違和感を感じるかもしれません。
4 - 楽しく読める。表題は大げさだが… [2005-11-15]
統計を随所に散りばめているが、所詮、アンケートの集計であり、その信憑性はと疑問は多い。しかし、楽しんで読める本づくりであった。コラムなど満載し、まるで昔の平凡パンチ風なのか(?)団塊に読んでもらいたいのか。くれぐれも真剣に読む本ではないので…。
1 - では!上流社会は? [2005-11-14]
この作者には、おなじスタンスで、日本の上流社会を、書いてもらいたいものです。作者に質問!「日本に上流社会はありますか?そしてそれはどんな文化を担っているのですか?」
「大邸宅でございます」「シャンデリアにてございます」「うちは番犬に、ドーベルマンを飼っているんですよ」「ヴィンテージもののワインでございます」…むかし懐かしき、黒木 香の世界ではないか?
20世紀には、世紀末文化すらありませんでした。文化が頽廃する以前に枯れ果て、朽ちてしまったからだ。…今見れば、戯画にすらならなかったコンピューター誤作動騒ぎが、あったばかりだ。
この作者も、一枚かんでいると察するのだが、日本の実質上の支配者経団連のお歴々(中共要人は、日本の首相に会う暇は無く、トヨタ会長に会う暇はあるらしい)、心身共に、醜いとしか感じられないが。
トヨタ・奥田会長は口を開けば「日本の給与水準は世界的に見て、高すぎる」と言う。デフレの原因は、産業の空洞化、そもそも工場を皆中国に持ってい行ったせいではないか?
4 - SPA!系 ネタ本 [2005-11-14]
「意欲・能力の低いのが下流」。
マーケターである著者が、独自の調査に基づき、日本がかつての「一億総中流社会」から、米国のような一部の上流エリートと所得300万以下の下流庶民とに分化した階級社会へと変貌を遂げつつある現状を描く。
・・・というと何かすごそうですが、比較的小規模かつサンプリングも適当そうな調査結果に基づく、著者の主観入りまくりの内容。
読んで思い出すのが、よく雑誌の記事にあるような、「あなたはこのタイプだから、○○はこう!」という安易なラベリングの世界。まぁ、真剣に考えずエンターテイメントとして考えれば楽しめますが、新書の形で出す必要が本当にあるのかは疑問。真面目に学術的に研究をされている社会学者の方に失礼です。下手に数字を使ってそれらしくしているのが逆効果かもしれません。
ただ、あくまでネタとして楽しむにはそれなりに面白い本。SPA!と同じノリで読んでみれば気楽に楽しめます。それ以上でもそれ以下でもありません。マーケターだけに、○○系のネーミングセンスはとてもよいです。(ちなみに評者はSPA!好き。下流か?)
真面目に日本社会の階層化について知りたいのであれば、この本の参考文献リスト掲載の一冊あたりから読んでみるのがよいでしょう。
2 - ルールは頭のいい奴にとって都合のいいようにできている [2005-11-14]
この本の中に、ルールは頭のいい奴にとって都合のいいようにできているから、下流社会の人間は、頭の良い奴らによって作られたルールにより損しているだけだという、嫌味っぽいメッセージがありました。
それをいうなら、この本の論理は情報発信手段をたまたま有している著者にとって都合のいいようにできているだけだということじゃないの。
はっきり言って中年オヤジの愚痴とか説教とか嫌味の類にしか聞こえません。
2 - 週刊誌レベルの駄文(しかも主観ばかり) [2005-11-14]
私は山田氏の『希望格差社会』を読んで、格差社会の実情になるほどと膝を打った一方、その背景にある多国籍企業の自由活動/それを支える新自由主義の存在を何ら指摘しない著者に腹を立てた人間です。そんな人間ですから、下層社会については関心があるのですが、この本は冒頭からアカデミックな議論を無視し、感情及び主観で文章を書いているという点で、かなりのトンデモ本です。はじめにで書いてることといえば、今までは階級社会は存在しなかった、中流社会だったという根拠を社会調査における中流意識に求めていますが、それはあくまで意識であって実体としての階層・階級が存在しなかったことの証明にはなりません。この時点で「あ〜この本を買って損をした」とやる気をなくしている私なのですが、基本的に佐藤『不平等社会日本』中公新書や橋本『階級社会日本』青木書店の焼き直しであり、週刊誌レベルでのジャーナリズム的論考に過ぎず、新たな視点を提供しているわけではありません。
今時「格差」とか「不平等」とか流行の言葉を付ければ本が売れると勘違いした人々がこぞって本を書いていますが、この本はその戦略通り「下流」という格差を想定させる言葉を使って、製品販売戦略としては成功しているようです。でも、読んでも面白くないし、1時間くらいの暇つぶしになるかもしれませんが、これでは学生のレポートも書けません。ちなみに、参考文献で渡辺雅男『階級!』が載せられていますが、あの本のどこを根拠として本の一部を書いたのか著者に聞きたいくらいです。私は『階級!』自体は面白くもない、非生産的な、マルクス解釈学の領域を出ていないとかなり否定的な評価ですが、それを読んだ方がよっぽど面白い、久々のトンデモ本です。
買う価値なしです。はい。これから大学生協で『生協の白石さん』を買いに行こう〜っと。
2 - 常民二千年 [2005-11-14]
調査統計に基づくデータ処理と、そこから導かれる類型化の驚くべき飛躍!
どうせなら中途半端なアンケート調査なんかやらずに、
「かまやつ女」等々のネーミングのセンスを活かした『金魂巻』モノ、観察分類読み物に徹すれば面白かったのに。
そしたら宮台批判やら、既に戯画化された「上流」ライフスタイルやら、コミュニケーション能力云々の描写にしても、あくまで筆者の日常雑感として普通に共感できたり突っ込めたりしたはず。
一方、弱者である低所得層の若者が小泉政治の支持者となっているという辺り、寧ろもっとちゃんと数字を集めてきちっと論証して欲しかった。
ああ、どっちつかず。
それにしても、マーケティング屋さんって、つくづくモノを売りたいんだなあ。
隅々に溢れる「向上心=購買意欲」という読み換えに苦笑。
「下流」=モノを買ってくれないやつがいる!危機!てのが本音でしょうか。
低位充足は、安定社会のキホンという気もするんですけど。
1 - マーケティング・アナリストとしては低レベルすぎるのでは? [2005-11-13]
非常に分析レベルが表層的だと思います。
NHKは上流で、CXは下流なのでしょうか。分析としては学卒論文並だと言えるでしょう(学生に失礼か)。
また、分析結果を踏まえた「機会悪平等」など、著者が最上流からモノ申す的な内容であり、特に「下駄履き入試」については、悪くすれば全体主義につながりかねないものでしょう。
確かに、一億総中流という時代は過ぎ、資産と実力で所得水準が分散している傾向はあるでしょう。
しかし、やるべき事は、己の持つ資産と実力が社会の中でどの程度のものなのかを各自が自覚し、また自覚する機会を自ら得ると共に、資産と実力を自分なりにどのように活かしていくかを悩みつづけることではないでしょうか。
三神万里子さんの「パラサイト・ミドルの衝撃」の方が、洞察・提言ともにはるかに優れています。
1 - 作家先生 [2005-11-12]
階級は自らなるのではなく、人為的に作られるものだ。…そんな経済学の常識も知らないのかね?
時間給労働…所謂契約社員というやつ、成りたくてなっているのではなくて、強要されてなっているのだよ。
貴方方、作家先生がシンクタンクとして、お給料をおもらいになっているような大会社が!!!
今のような時代だからこそ、マルクスではないのかね!
1 - 駄本の一言 [2005-11-12]
こんな本読んで感心している輩は、救いがたいと思うが、敢えて言う。この著者は、優越感ばかりで、ろくすっぽ堅い本全く読まず、弱者をいたぶることのみが趣味な阿呆だと思う。
こんな阿呆本垂れ流し、社会に害悪だと思うから敢えて言うのだ。
コンピューター使えるだけでも、一つの才能だとは思わないのですか?おばかな著者さん。
コンピューターを扱う仕事をしながら、一本指でのそのそやっている、怒鳴るだけの上流階級ならいらっしゃいますけど。
上流階級だと思い勝るなら、せめてアングロサクソン流のスノッブなりに、シェークスピアだ、ギリシャ神話だいちいち参照すれば良いのではないか?シンクタンクにお勤めのようでございますが、そんなものたかがしれています。なにを鼻に掛けていらっしゃるやら。
アガンベンの「ホモ・サケル(剥き出しの生)」でも読みやがれ。
1 - やれやれ [2005-11-12]
読みながら、不思議な感じを持つのは、この著者の想像力とコミュニケーション能力の欠如のせいである。つまりこの作者には自分が、下流の人間になったかもしれないことや、自分の子供たちも落ちこぼれて下流になるかもしれないという想像力が働かない様に見えるからである。次にコミュニケーション能力にしてもパーティを多くやる人がレベルが高いんだといいたげであリ少し鼻につく。又、本書は情報をすぐ真に受ける人と距離感をもって読む人とに分けられるだろう。読者の不安、怒り、を発動させて注目を集めさせようとしているようで下品である。それともこれがマーケッターの仕事と思っているんだろうか。それにしても不良債権をこんなに作り、日本を借金づけにしたのは、エリート官僚だったのを実際、忘れそうになりそうである。年金問題しかりである。つまり彼らは国民との約束を軽んじてるのである。日本を牛耳っているのは、未だに秀才おたくが多いんだろうなということである。
1 - オヤジは喜ぶだろうなあ [2005-11-11]
人は誰でも安易に他人にレッテルを貼りたがり。
レッテルを貼られた本人は必死でいやがる。
「下流社会人間」だとレッテル貼られた若者は、イヤだろうなあ。
でも必死で怒らないかも。
はっきり言って、トンデモ本です。
この本自体が、下流本。
でも売れてるから、著者は上流?
ああ、めでたしめでたし。
1 - 下流階級を舐めんな [2005-11-11]
下層階級は、戦ってはいけないのか、リストラばやり、人材派遣ばやりの今の世の中、怒ってはいけないのか。体制順応しか許さないのか?順応したところで、虚無しかないのに。ニヒリストの存在を許さない逼塞の濁世。
総保守の腐れきった世の中。新自由主義は貧乏、貧民を生むだけだ。
六本木ヒルズに住む大金持ちが、改革を叫ぶなど、戯画でしかない。
権力側が、改革=革命を発動するのは、あの悪名高き「文化大革命」ぐらいなものだ。新たな、反体制狩り、ヲタク狩りだ。!!
ジジェクを読め!!!
1 - 全否定 [2005-11-11]
かくたる書物を、私は、全否定する。一流企業にのっかった職業を失う怖れ、左遷の恐怖のない惰眠を貪る自称知識人が、自分より頭の劣るものを、ただ馬鹿にしているだけである。…小此木啓吾”大先生”の、モラトリアム症候群の現代版。
ばかを馬鹿馬鹿、言ってるだけだ。「現実を知らない?は?」テント村、ホームレスの群を、見たまえ君。彼らは皆、愚民なのか?
ニート批判で感じるのだが、何時から日本は共産主義国家になったのかね。みな労働者にならなければ、いけないのか?
工場現場に配属されることの無い、上部、階級がいっているのでは?
こんなバカ本読む暇あるなら、
ネグリ「帝国」でも読みやがれ!!!
2 - 期待した内容ではなかった [2005-11-11]
論旨の持って生き方に恣意的なものは感じるものの
結局なにが言いたいのかわからない、毒にも薬にもならない内容でした。
5 - 笑えます。 [2005-11-10]
出版社の光文社新書は「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」とか本のタイトルをいつもがんばりすぎて、内容がタイトルに負けてしまうんですが、この「下流社会」はタイトルのキャッチーさに匹敵する内容があります。まず本の冒頭に、読者の下流階級度を測る質問表があるのですが、自分の場合10項目のうち7項目も下流階級に当てはまってしまい、ガックシしてしまいました。いくらシャレで読んでいるとはいえ、いきなりそういうことを言われると結構気分を害されるものです。まさか自分が下層階級よばわりされるとは思っても見ませんでした。とはいえ、そこでめげて本を放り投げてしまうのも悔しいので、ああ、どうせ俺は下流ですよ、と開き直って読み進めていくと、下流の人と上流の人の実例がいろいろ出てくる。そもそも著者の下流や上流の定義がおもしろい。音楽や美術なんかにうつつを抜かしている人間はそもそも下流ですし、じゃあ、上流は何なのかと言えば、夫婦で投資家、休日はハワイでゴルフだそうです。本当にガックシです。読みながら自分の知り合いを思い出して、ああ、あいつも下流だなとか安心してみたり、くそー、あいつは上流だったのか、と嫉妬心をみなぎらせてみたり、とまあ、かなり疲れますが笑える本でした。著者はもしかするとまじめに書いているのかもしれませんが、下流階級の自分にはどう読んでもふざけた読み方しかできない。社会をまじめに分析すればするほど、現代社会の奇妙さが浮き彫りになってきてしまい、風刺的にしか読めなくなってしまうんですね。そういう意味では、この本は漱石の「我が輩は猫である」にも似ています。この本はもちろん文学ではありませんが、現代社会を斜めから描いた傑作だと思いますので、ぜひ一読をお勧めします。
4 - ただ夢を追い求めるのではなく、現実を見ていこう。 [2005-11-10]
まず「年収300万の人は結婚できない」というのは、ちょっとブラックだと。働く気がない、意欲がない若者をクラシファイする。分ける。上下の階級制度で差別化を図る。所得格差および、イギリスおよびアングロサクソン式の階級性と似て非なるもの。小泉政権が考えることの根底が見れるという。以後のことを考えるとどうやらこれがほぼ現実となるだろう。これをみたら目から鱗が落ちた。いままで現実から目を遠ざけていなかっただろうか。現実に直面する今後の生活環境を構築していく上で、ぜひいろんな方々に読んでいただきたい。
3 - 平等幻想と中流幻想の終りの始まり? [2005-11-09]
例えば東京であれば、秋葉原と上野はいわゆる隣町、しかしながら街の性格が大きく異なることは指摘するまでもない、世界のアキバに集うだらだら歩きのAボーイたちとアメ横近辺でデートとナンパに励むストリート・キッズたちが同世代であることに気付いたのは何年前のことだったかと不思議に思う、少なくとも80年代までは同世代の中で現在ほどにまるで絵に書いたように違う印象の集団化は起こっていなかったと思う、どちらの少年たちも本書でいう下流になるのだろうか?
著者の指摘には肯けることも多い、もちろん疑問もわく、得意のレッテル貼りも効果的とおもう、専門の研究者ではない評者のような一般読者層にとってはなるほどと思える視点を提供してくれればそれで充分でもある、自らの商いのために客層を見極める必要の高い人ほど有用な本だろうとも思う、
老人の昔話を聞くのが趣味の評者のようなものには貧困と飢え(つい50〜60年前のことである)を克服した日本に必然的に訪れた通過儀礼のような現象で心配する必要はないと考える、右肩上がりの経済成長でオブラートされて起こった勘違いの中流幻想や平等幻想に酔う時代が終っただけだろうから、そして、われわれ日本人の勤勉さがそう易々と無くなるわけがないのだから、
5 - 売れているのには、理由がある [2005-11-09]
いろいろ意見があるようですが、私的には面白かった本。でも興味深いのは、本書も指摘しているとおり、下流に属する人々が小泉流構造改革を支持してしまうパラドックス。本書を読んで、あぁなるほど、と納得できました。
でも支配者層はうまくやりますよねぇ。やはり賢い人がそろっているから、そうでない私たちは無意識的に踊らされざるを得ないという訳なのです。
構造改革が仮に正しいとしても、それにより直接不利益をこうむる私たちは、安易に賛成してはいけないのです。それこそ彼らの思う壺。
増税に、利益追求人員削減。公の部門でも民間部門でも、直接被害をこうむるのは、しがない一般の会社員であり公務員。支配者層はそのしがない会社員と公務員を対立させて、足の引っ張り合いをさせているんです。それでいて、お国のためといって構造改革を叫ぶ政府高官や企業のトップは結局消費税が少々あがっても痛くも痒くもないんだから・・・。
たとえば竹中大臣。確かに理路整然としていて、説得力もある。でもあのように能力がある人は、弱肉強食の社会でもいくらでも食べていける。そういう人の人生観が社会の常識になってはならない、と思うのです。
3 - 「ケータイを持ったサル」に似ていると思いました。 [2005-11-08]
ちょこっと立ち読みして面白いと思ったのですが、いつの間にかベストセラーになってしまいちょっとびっくりしました。格差社会が徐々に進行している様子がホラー小説っぽくてよいと思います。
3 - 著者の主張がいまひとつ・・・ [2005-11-08]
日本の現状における、下、中、上流意識の変遷を年代ごとに解説している。
上流・下流へ二極されていることは周知の事実であるし、ニート・フリーターが
急増している事実も、今に始まったことではない。
文明というのは、衰退期に向かうと必ず上流・下流へと二極化の道を進む。
これは現在のアメリカしかり、その他では歴史が証明している。
したがって、現在の日本はピークを過ぎ、衰退に向かっているのであれば、
二極化の流れも仕方のないことであろう。
結局のところ、この著者は下流社会を肯定しているのか、否定しているのか、
その他、著者なりの見解が伝わってこなかった。ただの現状分析レポートになって
しまっている。
ここまで緻密に分析したのであれば、大胆な仮説が欲しかった。
2 - 統計分析はキワモノです(断定) [2005-11-07]
新たな階層集団の出現、という帯文句が目を惹いたので読んでみた。この手の本の常として、多くの数値データが羅列されているが、基本的には著者が自分でとった、たかだか数百人のデータからの、さらに無作為抽出を行ったものであり、これをもって全体を論ずるにはかなり無理がある。この元データはデータ取得の時点で4つの世代設定が行われているが、設定自体も著者独自のもので、またこの世代区分は連続していない。つまりこの時点で既に恣意が入っている。「お嫁系」「ミリオネーゼ系」などの集団をも挙げているが、これはクラスター分析の結果でもなんでもなく、筆者のいうように「実証データに基づくものではないが、これまでの私のマーケティング経験やインタビュー調査をふまえたもの」、つまり筆者が自分の考えて拵えた集合である。無暗に他の文献からの引用も多いが、自論に都合のよい部分を継ぎはぎした感は拭えない。
著者は、日本の社会に「だらだら歩き、だらだら生きていく者」の集団としての下流社会が現前していることとそれによる社会変化について分析しており、その記述の中にはかなり正鵠を射ているだろうものもある。しかし、それはやはり著者の考えの中のものであり、それが統計上正しいかどうかは決して実証されていない。「議論のウソ」の恰好の材料かもしれない。
1 - どこに根拠があるのか? [2005-11-06]
読み始めて、まず、確かにこういうことは今の日本にある程度、当てはまっていると感じるが、根拠となるデータが、東京都を中心とした1都3県とあまりに偏った地域であることから、全ての日本人をごく一部の地域のデータで読もうという、自分勝手な考えであると思われる。
また、全てにおいて、自分の思い込みを何とかデータで証明しようという強引な書き方も多く、結局は、自分の推量の域をでるものではない、あまり意味のない内容に終わってしまった感はぬぐえない。残念・・・
4 - 「自分らしさ」という幻想 [2005-11-06]
若年現役世代の実相が適切に描かれている。20代、30代の正社員、派遣社員、契約社員、フリーターなど本書を読むとまさに現状こうだよねって肯くだろう。「自分らしさにこだわりすぎて、他者とのコミュニケーションを避け、社会への適応を拒む若者は、結果的には低い階層に属する」(p174)という指摘はグサリと胸に突き刺さるだろう。就職情報誌や転職サイト、派遣会社は広告費や紹介手数料を稼ぐのが利益の源泉であり、誰もあなたの人生に責任を持ってはくれないのである。今はこうして社会が二極化すると騒いでいるが、あと十年もすると誰も何の疑問に思わなくなるだろう。そして下層社会の若者は米国のように軍隊に勤務して社会に貢献しないさいといった世論が起こり、徴兵制をしかなくても自衛隊に就業を望む若者が増えるであろう。それが今、日本が向かっている姿である。
2 - お互いを高めて、いい国にしたいね。 [2005-11-06]
本当に経済的にも満足して心が豊かな人は、あくせく働かないだろうし、道に倒れている若者がいれば、「大丈夫ですか」と昼間でも声をかけ、この著者のように「生きる意欲のない下流社会の人間」という切捨てはしないだろう。各国で行った「豊かさを感じるか」というアンケートでも日本は北欧諸国と比べても著しく低い。経済大国のアメリカでさえ、国民の大半は豊かさを感じないという結果が出ている。これは、階層社会が広がった悪例ではないだろうか。それからこの著者は、てきぱき、まじめさをほめるが、自信のない若い人たちに、てきぱきとできるコツや他人の能力を高めようとする意識、愛情はあるのだろうか。話の内容にも、表面上の一部だけ見て決め付ける例が数多く見受けられ飛躍しすぎの感が歪めない。東大、大企業をほめるが今の国民に信頼されていない官僚や大企業のモラル低下は矛盾があるように思う。有り余る金を持っている人が自分は勝ち組だといって、目の前で飢えている人をほくそえむ。こういう人が下流社会の住人かもしれない。
1 - 強引な解釈 [2005-11-04]
統計の取り方自体が怪しいうえに強引に解釈してる
趣味の項目でインターネットやPCを趣味にしている人が全階層で
非常に多いのが不自然である。
Webでアンケートをとっており、Web調査=PC&ネット環境が揃って
いる人を対象に行った調査だから当然高くなるにも関わらず、統計結果に
よって下流の人ほどインターネットやPCを趣味にしてるとか・・・
強引すぎる。
他の出版物、人物に対して批判が多くちょっと嫌な感じを受ける。
作者は非常に強い上流思想をお持ちの方かな?あとがきで俺は上流だ
子供も上流になるんだ!よう事を書いており嫌味
1 - この警鐘は騒音でしかない [2005-11-04]
統計的根拠がないと自ら逃げておきながら、実に恣意的なデータを集め、恣意的
な分析(らしきもの)をして、言われ尽くした最近の二極化を訴える本です。
しかも、いい加減な危機感だけを煽っておいて、最後の最後に、マーケティングの
専門家の考えた対策とは思えないお粗末な対策らしきものが書かれています。
「下流」とされた人々に関しては、自己責任やら意欲の欠如ばかりを原因として
指摘しています。同様のテーマについて、本人達にはいかんともしがたい社会矛盾
が多方面から指摘されている今、この著書は、「犠牲者」として「下流」に属したのかも
しれない人々にひたすら侮蔑の言葉を浴びせているのです。
警鐘というのは、危険を知らせてパニックを起こすために鳴らすものではなく、
人々に安全を確保してもらうために鳴らすものです。
2 - たちの悪いデータマイニング。キャッチーなレッテルだけ使えなくもない。 [2005-11-04]
そもそもこの本の「下流」というのは、アンケートで「中の下」と答えた人も「下」に入れるという、たちの悪いデータ操作の結果でしかない(90ページ)。上中下できいていたアンケート結果を持ってきて、中の中と答えた人だけが実は中だということにして、それ以外の人を上と下にふりわけたら、そりゃ当然、「中」が減って階層化してるような印象になるだろう。勝手に中の範囲をせまくして、勝手に上と下の定義を広げてるんだもん。また、冒頭の「国民生活世論調査」の解釈も、恣意的な期間を取って「中の中が減ったことはない」など首を傾げる強弁をしているだけ。78年-85年では減ってるじゃないか。明確に景気と連動しているんですけど。
内容的にも、デフレの意味もわかってないし(同じものの値段が下がる、というのがデフレであって、安いものを買うようになるのがデフレではありません)、勝手なくくりをいろいろ作って、キャッチーな名前をつけてみせる以上のものではない。だいたい働く意欲のない人が、貧乏暮らしで自足するのは悪いこと? 人々が地元にとどまってなかなか東京に出てこないのも、東京集中がやっと止まっていいことだとも言える。それにかれが問題視している階層化なんてのも、日銀がリフレ策をとって日本の景気が回復したら一瞬で消え去るんだけど。
というわけで、あまり感心しないデータマイニングの練習問題でしかありません。ま、挙げられてるレッテルを適当に週刊誌の見出しっぽく使って話の種くらいにはなるかも。
5 - 構造改革 [2005-11-03]
収入や性格、生活パターンによって人を何々系と分類し
ている箇所はすごく面白く読み応えがありました。
おれはこの系になるのかな?と。
ただ数値データの羅列が多く、私はその部分については
読み飛ばしましたが。
これからは一部の中流が上に、それ以外の中流は下流に向かい
、社会は階層化されてしまうであろうと述べています。
勝ち組・負け組みという言葉がもてはやされ、
一部のIT長者が闊歩する世の中なので、この本は
そういった現実を目の当たりにしている多くの人間の心に、
ぐさっ!っとまるで刃物を突きつけてくる力があります。
ただ、この事実を確認したのちどうするか?というのは
それぞれ自分で探すしかないのですが。
4 - 下層ではなく下流 [2005-11-02]
本書のいう「下流」は食うや食わずの「下層」ではない。(「はじめに」で指摘している。)下流で、フリーターでもどうにか生活はやっていける。そのせいか、タイトルとは裏腹に全体的に危機感に欠けている。
まだまだ、日本は余裕があるということだろうか。
4 - 小さな政府への準備? [2005-11-02]
このようなタイトルには敏感なので、購入して一気に読了しました。細かい表は読み飛ばしましたが、インタビューは興味深かった。
男女別に階層の類型化を行っているので、現代の若年層の社会構造、意識構造もわかりやすかった。
最も新鮮な内容は、最下層ほど弱肉強食のような自由主義経済(新保守主義?)体制的な雰囲気を肯定している割合が多いことである。しかしそういう国ほど大きな社会問題を抱えているように感じるので、私個人としては好きになれないけれども。
5 - 「カイジ」が描く社会を数字で裏打ち [2005-11-01]
福本伸行の傑作漫画「カイジ」はフリーターであり、不平不満だらけなのに努力はしない、典型的な「下流」青年である。カイジが抱える鬱屈は、本書でも指摘されている。現代社会が多数の「カイジ」を生み出す格差社会になっていることを、本書は統計データをもとに淡々と検証している。
5 - 解釈をするのは読者 [2005-10-31]
最初に読んだ時点では、思ったほど扇動的な本でもない、という印象。だが、ちゃんと読み込むといろいろなことを考えさせられる。
例えば、マスコミが煽り立てる「自分らしさ」。
本書の調査によれば、「自分らしさ」にこだわっている人の多くが、自分のことを下流だと思っているという。つまり、「自分らしさ」が逃げ道として使われているのではないか、という仮説が導かれる。
だがこれは、「どんな人でも、自分らしさといえば認めてもらえる」とも言うことができる。このように、どんな立場の人が読むかで、その解釈が180度違ってきたりするわけだ。
著者はマーケター出身なだけに、マーケティングのヒントは豊富。
4 - 「下流」とは、意欲がない人たちのこと [2005-10-31]
中流社会から、今は上と下に分かれるようになった。上にいく人はわずかで、多くは下に流れる。しかし、今の時代は物価も安いため、少ない所得でも衣食住に困ることはない。
問題は何か? 著者の三浦展さんは、「『下流』とは、コミュニケーション能力、生活能力、働く能力、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低い」と述べている。
環境が恵まれている時は、意欲がない人でも“流れるプール”のように楽に進むことができた。しかし、今は意欲がない人は下流に流される。要注意である。
4 - 現実に物を売る人間として共感する事実 [2005-10-30]
第一線で直接消費者に物を売っている人間として、本書は共感できるし自分が今感じ取っている時代の姿を文章にしたものだ。
今後、エンドにものを売ることを職業とする人間には、こういった階級社会の動向、分析を行わなくては商売にならないだろう。
そういった意味で、今後をこの方面への詳細な注意を開くきっかけをつくってくれた貴重な良書である。
以下は私の個人的な感想であるが、確かに階級社会は存在しているし、拡大傾向に向かっている。その中での一番の理由が教育機会の不均衡ではないだろうか。下級社会の人々は、子供の教育や環境への配慮が驚くほどにかけている。
学校が週五日制などというゆとり教育を打ち出して、更にに拡大しているのではないだろうか。
あいた時間に上流の子は学習塾などで更に学習し、下流の子は遊行の時間を増やし、その事によって更に差が拡大していく。
こういった社会を打ち消すには、強制的にどの階級の子供にも、配慮された教育環境を政府や自治体が提供することが一番であると思うのだが・・・・
4 - 階層社会時代のマーケティング [2005-10-29]
新たな階層社会の出現や、
所得格差の拡大を警告する議論は
社会学や教育学、経済学の分野で盛んだが
本書がマーケティングの専門家によって
書かれた点に注目したい。
本書の中で述べられているように
階層化を問題を消費の観点で
分析した書物は少ないが、
このような知見はすでに企業の
マーケティングに取り込まれていると見て
いいだろう。
企業はすでに階層社会を前提として
行動しているのだ。
4 - 10年後の日本はどうなっているのだろう・・・。 [2005-10-28]
統計学や社会学を使用した、著者の分析は非常に興味深く
しみじみと考えさせられる。単なる読み物としてもおもしろい。
一方で、この類の本に共通する、論理の矛盾や飛躍が多少存在し、
また、これからどのようにあるべきかの提言などが無い点などが
若干の減点材料であろう。たとえば現時点での高齢者の分析など
がもう少し欲しかった。
4 - ニーチェの畜群か? [2005-10-28]
統計調査結果に基づいて仮説を提示しており、非常に示唆に富む。
下流階級とは必ずしも経済的に困窮しているのではなく、自らを
「下流」と意識している人々である。ニーチェの「畜群」という
言葉を想起させられた。「食っていけて自分の好きな風に自由に
生きられたらそれでいい」というニーチェが文明の最後に登場する
とした人間のイメージ。下流意識を持つところにはニヒリズムが
控えており、それが冷酷な人間・テロリストさえ生んでいくことに
なるのかもしれない。下流で生きられたらそれで結構とは言えない
のではないか。
著者の書きぶりは冷静であり、よくある社会崩壊の警告書の様な
扇動的なものではない。本書をどう解釈するかは読者にかかって
いる。
4 - 自分の立ち位置がわかる本 [2005-10-27]
今まで日本社会でタブーとされてきた、人間を上下にカテゴライズし
て、各グループの価値観や趣味志向をまとめた本。確かに、その調査方
法や結論の持っていきかたは少々荒っぽいが、ミリオネーゼ系やかまや
つ系とネーミングされた各グループの特徴や価値観は、中・高・大・会
社・地方・東京・海外と、様々なフェイズで出会った幅広くかつ薄い自
分の交友関係から照らし合わせてみても、なかなか当たっているようで
大変興味深かった。
自分をこの本が指し示すグループに無理やりでもカテゴライズしてみ
ると、自分の考え方の傾向、長所、短所がみえてきて冷静に客観視する
機会にもなるのではないか。もしくは、社会の大きな変動の波をうまく
乗り渡るために、自分の現在の立ち位置を確認したい・・・。そんな
時、役にたつかもしれない本。
4 - なかなか面白かったです。 [2005-10-27]
〜 佐藤俊樹さんのデータが緻密な分析のもとに中流社会の崩壊を描いたものであったなら、確かに三浦さんの分析は荒いしサンプルも少ない。しかし今回はじめて三浦さんの著書を手にした私にとっては、とても面白い視点がたくさんあった。それはそれまで消費するものを基準にして語られていた階層化の問題を、むしろ「意欲の欠如」や「コミュニケーション能力」〜〜など、精神的なものの相違として分析するという視点である。
そして中でも私が興味を引かれたのは、三浦氏が下流の精神構造を内的であることを指摘しながらも、なおかつこれまでの「全共闘的な原理主義的議論(p.185)」を退けて、「客観的な搾取」を糾弾するというスタンスから距離をとっていることである。つまり三浦氏がよれば、多くの大衆は、70年代〜〜のような全共闘の幻想によりそうことはできないという意味で、ある程度の搾取を自覚しつつ不幸であるが、それを消費社会のなかで発散して生きるという意味で「タフ」である(p.186)。三浦氏のいう大衆が「下流」のみを指しているかどうかは不明だが、こうしたスタンスを維持せざるを得ない時代にさしかかっているという意味で、階層化社会そのものを消費や年〜〜収だけではなく、むしろ精神的なものの転換というような別のファクターを入れて考え直すことが必要になっているのではないだろうか。
データやトピックは多岐にわたっておりそれが新書である本書の読みを難しくさせているが、これからの階層化社会で生じる問題を考える際にこうした問題提起的なテクストを通じて友達と議論するのも面白いと思う。〜
2 - 分析に疑問 [2005-10-26]
近年生じている格差問題をめぐる議論について、消費(マーケティング)の分野から分析することを意図した書であり、経済学、社会学における文献等もフォローしつつ、自前の調査による分析結果も踏まえて論じられている。問題は、調査結果を年代ごとに分けてクロス集計を行っているため、サンプル数が小さく、結果が非常に限界的なものになっている点。この点は、説明変数に対する年代の効果が有意なものかといった別の視点から分析することも可能か。また、階層意識の「上」「中」「下」ごとに、とのような違いがあるかというところに分析の焦点は当てられているが、そもそも、この階層意識はどこから生じているのか(親の資産を含めた資産格差か、所得格差か、消費格差か、教育格差か)といった点の吟味が足りないような気がする。加えて、「年代」の効果と「年齢」の効果の違いを十分捉え切れているのかも疑問を感じる。
2 - 高校生、大学生に読んでもらいたい本……かなぁ [2005-10-26]
社会の階層が「上流」「下流」に分化していくということを、アンケートのデータをもとに詳細に分析したもの。
正直、内容的には目新しいものではありませんね。
『年収300万円時代の経済学』(森永卓郎著)などで言われていることを、
再度、別の方向から数字を使って検証しているといっていいでしょう。
意欲や能力、学歴といったところから、年収に格差ができはじめ、
(それを推し進める、現政権の政策もあるわけですが)
「上流」「下流」という文化や思想まで異なる階層ができるそうです。
それを、マーケティングを専門とする著者ですので、
懸命に数字を使って証明しようとしているんですが…。
ちょっと、著者の主張が先行しすぎているようで、辟易してしまいます。
(バブルで美味しい目を見た団塊ジュニアは、長い不況で将来に絶望。
そんな中でも結婚して子供をつくれるのは、「できちゃった婚」か
「将来に展望のある人」に限る、そうです。すげぇ極論)
正直、読んでみて思ったことは、ごく普通のサラリーマンの私でも、
理解・共感できるところが少ないなぁ、ということです。
でも、高校生や大学生が、こんな現状を見ると励みになるかな。
将来に不安を持ったり、自暴自棄になったり、受験がつらかったりしたとき、
この本の内容を見て「うわ、頑張らなきゃな」と思うんじゃないかですかね。
「高学歴・高収入にならないと、嫁ももらえない」って。
……なんか、親父の説教みたいだなぁ。
刺激的なタイトルに☆2つ。
5 - 啓蒙書として読むと存在の危機に。こりゃキワい体験だ! [2005-10-26]
ボンクラ青春野郎(自分含)も今度ばかりは「俺以外の奴」だの「腐った世界」だの言ってられない。何とかしてこの本を全肯定するか全否定するか無視するかしないと、身動きが取れなくなっちまう。引用だろうが何だろうが大量に記述されたデータに、見たくもない角度から見た自分の姿を浮き彫りにされて死にたくなること間違いナシ。作者もそれが狙いだったりして。
何だか手に取ったこと自体が間違ってるような気もするけど、もっと早くに読みたかった、とも思います。
3 - 一気に凝縮した本 [2005-10-25]
本来、もっと多くの情報があってしかるべきなのだろうが、このページ数では致し方なく、ややまとまりのよくわからない出来上がりイメージは否めなかった。必要な情報パーツは、ほぼ出揃っているのであるが、いかんせん、ページ数が。。。。
著者としてももっと書きたいことがあったのでは???ただ、一気に読んで頭の中をまとめるには好都合な書である。
1 - エッセーとして読むなら [2005-10-25]
データと論理にほとんど整合性なし。世代の捉え方も独断的。マーケティング分析というよりもエッセーとして読むなら、それなりに面白いかも。
3 - 人は資本備蓄のために生きる [2005-10-24]
学校ではどれだけ偏差値を上げられるかを徹底的に教え込まれる。そしていかに有名な大学、学部に入れるかを競い合う。大学で4年間適当に遊ぶ時間をもらったら(心配性な人は資格取ったりさらに鍛えるけど)、こんどはどれだけ良い給料で、残業、住宅手当がついて、世間的に地位のある企業や職種につけるかを競い合う。入ってからは、どうやって同種の企業をつぶすか、自分の企業を社長の手足となって伸ばすように働く。そしていかに昇級出来るのかを仲間内でも争いあう。気づいたら子供ができて、今度は学費を払うことや子供の成績に気を使うようになる。いつのまにやら、きゃばくらに通うようになる。そして気づいたらおじいちゃんになってる。こんなかんじ。
1 - 低レベル。読む価値無し。 [2005-10-23]
〜引用されているデータは持論に都合のいいデータあるいは我田引水のデータばかり。
最初にマーケティング的にカテゴライズされた階層論が後半になると破綻している。
至る所に著者自らが高所得者である奢りが見て取れる。
社会学を知らない(一応、一橋大の社会学部卒ですが)にもかかわらず、社会学者の宮台真司氏を批判していたりと、やりたい放題。
〜〜もうひとつ、首都圏と地方の格差も全く無視されていて、その点でも使えない。
筆者は大人しく、世に出る本を書くのを止めたらどうだろう。〜
4 - 豊富な数字とまとまりの悪さ [2005-10-23]
多様化する現代日本の価値観/生活/消費を豊富な数字で追った良書。特にニートと呼ばれる若い世代の一部にフォーカスしている。
著者は「アンケート調査はサンプル数が少なく統計学的有意性に乏しいと認める」とあとがきで書いているが、豊富なデータが新書1冊で得られるのだから非常に価値がある。
ただ「まとまり」がわるく統一感が悪い。類型分類が提示されているが、訴求力に欠けたものだ。マーケティング・アナリストである著者は「わかりやすく伝える」ノウハウを持っているはずだが、新書レベルでは出し惜しみか。
もっとわかりやすい本であれば文句なしに星5個だが、まとまりが悪く星4個とする。
2 - こういう本が出た事が、今を反映している。 [2005-10-22]
富裕層と貧困層の二極化を消費という観点から捉えたもの。読む前は
下流社会を消費という観点から説明した本と思っていたが、そういうもの
ではない。調査結果が羅列的にならべ
られ、下流社会をどう筆者がとらえているか見えてこない。
ただ、気になる調査結果もある。一番気になったのが、下流層ほどナショナリズムが高いということ。本書を読むかぎり、意欲にかけあまり何も考えていないが、政治意欲は高い下流層。前回の衆議院選挙でも下流層が、大きな影響を与えたというのは考えすぎか。
詳細な調査方法は明記されていないし、そもそも調査結果が有意差があるのかどうかもわからないので、調査資料としての価値はない。ともかく中途半端な本だが、消費という観点からとらえた点のみは評価して良いと思う。
3 - 読みました。 [2005-10-21]
調査の結果、上流の女性が花嫁修業的な事柄を趣味とし、下流の女性がアートを好む。
また、上流の人が意外にも無印良品やユニクロによく行くなど、
意外とも思える調査結果は面白かったです。
外交的→富
内向的→貧
という図は、他の本でも指摘されていました。
でも、自分は下流において外交的、社交的な人間を沢山見てきたので、本当かな?と思いました。
4 - 率直な言葉で面白い [2005-10-20]
マーケティングの専門化らしい消費行動の分析を小気味よい文体で表現しており面白い。
下流に自民党支持者が多いという分析があったが、この点は、私の個人的な感覚とギャップがあり疑問がのこった。自民党支持者は、貧困層を除いて、下流(年収300万以下)、中流(年収1000万円以下)、上流(不労所得以外で生計を立てている)、富裕層(不労所得により生計を立てることができる)に万遍なくいるという印象を持っている。
3 - Byフリーター [2005-10-19]
この手の本がここまで売れる日本は、まだまだ安全だなと思った
1 - 底浅い [2005-10-19]
『階層化日本と教育危機』と『希望格差社会』の焼き直しに過ぎず、しかも当たり前の事を長々と書き、当たり前でない事をあっさり書いている。因果関係もめちゃくちゃ。ひさびさの駄本。
1 - 何が言いたいのか [2005-10-18]
まとまりが悪いの一言に尽きる。本文中多様な図表を用い読者への説明を試みている点は理解できる。
しかし、そのデータから、深い考察が導かれてはいない。
数字の羅列にわってしまったのが残念である。
本文は、多々、上・中・下とわけて論じる形で論じているが、その三者の定義が今ひとつはっきりしていない。
これは、議論を展開する上では、看過できない瑕疵といわざる得ない。本稿204頁より、論じられる階層と性格は、考察に偏りがある。考察というより、むしろ数字に踊らされたとも捉えられる。
マーケティングを専門とする著者の特徴が悪い意味で現出したといえよう。
したがって、本著作は本と言うより数値の羅列に終始するものであり、質の高いデータベースに留まるものと言える。
読み物としては、私には低く見える。
データベースをみるのが好きで、そこから数学的推論を楽しまれる方にはおすすめだが、そうでない人には無味乾燥で、通読することに困難を覚えるであろう
3 - とりあえず、だらだら歩くのは止めよう [2005-10-18]
基本的に、新書という性格上、著者は「下流」に対する自分の感想は分析の中では、はっきりとは表現していない。しかし、前書きにある以下の文章が作者の思いを伝えていると思う。
「では、『下流』にはなにが足りないのか。それは意欲である」
「『下流』とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである可能性も高い。そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ」。
この本の中の分析で現れている「下流」は怠け者でコミュニケーション下手の、一人遊びの好きな独身者であり、向上心や明るさがない。対する「上流」は明るく社交的、他人に協調して自己を抑制することができ、活動的で上品で勤勉で、向上心がある(もちろん結婚して家庭を築いている)。所得格差はその結果なのである。
つまり、その人が「下流」なのは、自業自得だよ、向上心がないし、「自分らしく」なんて甘えて努力もしないんだから、と言っているわけである(特に団塊ジュニアにこの傾向が顕著なようだ)。こんな階層意識が植え付けられることが日本にとって良いことなのかどうかわからないが、とりあえず、自分はせめて「中流」にしがみつこう、そのためにはだらしない歩きかたや格好はすまい、と思った。
コラムが面白い。この本を読んで初めて漫画「ドラゴン桜」が読みたくなったし、また、宮台真司が同棲していたトラウマ系バツイチ子連れジャーナリスト(誰?知っている人は知っているんでしょう)を捨てて20も年下の東大名誉教授のお嬢様と結婚していたことを知った。
4 - 目の前の光景 [2005-10-18]
三浦先生のほかの著書に比べると、物足りなさを感じました。
それは、日常で目にする光景が数字で裏づけされていたからかもしれません。
「へ〜、そうか」というより、「やっぱりな」という感じでしょうか。
新人類世代のわたしから見れば、「だらだら」している若者の将来は、想像できますし、若者の中にも、『ドラゴン桜』に感銘を受けるも者もいます。
いつの時代も、がんばる者とがんばらない者がいます。
ただ、がんばらない者の割合が増えたことは危惧すべきでしょうね。
しかし、競争率がゆるくなっていることも事実のような気がします。
貧富の格差が広がりますが、それが資本主義だとも思えます。
ディスカウントストアでオメガを購入するSPA系より。
三浦先生、分析甘いですか?
4 - 今後のマーケティングにインパクトを与えるテーゼ [2005-10-16]
ニートやパラサイトと呼ばれる若者が出現して久しいが、彼らのマインドと方向性を、社会全体からのポーションとして分析した本書は、ビジネスマーケティングを生業とする人には十分なインパクトがあろう。
すでに日清などでは、本書で分析される結果と同様の仮定を行い、それをプロダクトに落とし込もうとしている。つまりは、「高級志向(これはすでに存在していた)」のカップ麺とは対極の、「低価格志向」カップ麺の開発である。これが本書で言う下流社会層への訴求力を持つプロダクトと言うことになる。
もちろん著者の論じる仮説は統計的に有意なものとは言い難いが、それでも今までに無い新たなパラダイムの出現を予感、確信させるに十分な論拠を持っており、大変興味深い内容となっている。
4 - 読み物として。 [2005-10-16]
研究書、啓蒙書としてではなく、読み物としてお勧めします。参考文献からの引用が多く、文献の美味しいところ取りをしています。最終的には『バカの壁』まで持ち出す手腕に脱帽です。この本はベストセラー狙いとして成功しています。軽い読み物として楽しめます。
3 - 刺激的なテーゼです [2005-10-09]
参考文献はたくさん挙げられているけど、この本は学者による学問的な作品ではありません。あくまでもマーケティングの会社を経営する経営者による営業のための本です。コンサルタントと同じように目的は営利であり、営業です。データや統計なるものも著者が本能的に知覚した”トレンド”なるものを、クライエントに売り込むための装飾道具(フリル)にしか過ぎません。したがって統計手法上の限界や不備なるものや、現状の解決策の欠如を指摘することは、八百屋で魚を求めるような行為です。むしろここで着目すべきは、著者が、あまたの不完全なデータの中からどのようなsalableなトレンドなり時代のモティーフを抽出しようとしているかという点です。抽出されたいくつものトレンドはその後refineされ、企業の広告営業戦略に応用されるというわけです。そこでは、その先に社会がどう変容していくのか、ということは、著者にとっては、どうでもいいわけです。ただ営業とはなれたところで、付随的に挿入される著者のいくつかのコメントは、示唆的です。いくつもの抽出されたテーゼは、この作品の段階では、読者の反発を避けるために、巧みに、価値中立的なjargonで、脱色されていますが、企業へのプレゼンテーションの段階では、もっと直裁に刺激的なキャッチフレーズに翻訳されているんでしょうね。
5 - 非常に参考になりました [2005-10-09]
自分が仕事上で感じていたさまざまなパーツが
音を立てて組み合わさるような、
最近読んだ本の中では非常に面白い内容でした。
若干、著者の主観や論理の飛躍を感じるところもありますが、
他の経営者には、あまり読んでもらいたくない気持ちになる良書です。
3 - 表面的でもの足りない [2005-10-08]
日本の社会の階層化が進んでいるといわれて久しい。その中で、いま「下流社会」というタイトルで本を出すのであるから、下流の人々の生活実態や意識について、なまなましく掘り下げた解説があるのだろうと期待して読んだが、結果は期待はずれだった。
多くの部分をアンケート調査結果の解説に費やしているが、内容は表面的であり、サンプル数の点で統計的に有意な差になっているか疑問なものも多い。しかも、その結果をもとに著者の分析を記述するのだが、それはあくまで机上での推測でしかない。
階層化社会の弊害の解決の方向の記述も乏しいと言わざるを得ず、全体として「読んで得をした」という部分がほとんどない本だった。
5 - 確かにおもしろい [2005-10-07]
この著者の立場と視点がこの本をおもしろくしているのだろう。
○○大学教授といった立場ではなく、自分で作ったリサーチ会社・シンクタンクで活動している。
内容は詳細な調査研究に基づいているようで、たくさんの数字が示され、何となく感じていたものが説得力を持って記載されているような痛快感がある。
ただ、冒頭に掲げられている調査の内容をみると、代表性に非常に疑問が残るweb調査であったり、1都3県しか調査対象になっていなかったり、調査票を全部集計せずにそこからさらに抽出して集計した結果を用いていたり、結局webにアクセス可能で首都圏住む女性の分析結果かとがっくりきてしまった。ただ、回収率は高くちゃんと調査手法を示していることは好印象ではあるのだが、、、
いやいや、こんなことでがっくりしていてはこの本は楽しめない。この著者はコラムの中で、援助交際をあおった宮台真司が東大名誉教授の娘と結婚したことを既存体制の破壊者を気取っていた者が結局自分の結婚に関しては階層性をうち破ることができなかった証左としてしまうといった姿勢を持っている。こんな記載はなかなかふつうの調査結果本ではみられない。
調査結果の限界をわきまえた上で楽しむエンターテイナー本と思って楽しもう。
5 - 言っていることはその通りだが [2005-10-06]
右肩上がりの神話が崩れた今、正直、巨人の星やスクールウオーズ的ストーリーは、正直、コメディとしてしか受け入れられないだろう。
それはそれでよい。しかし、個性やコミュニケーション重視と言いながら、
お互いが通じ合わないのは何故だろう?
それは、もはや、生きている「世界」が違う人。「異界」の人と生きる世界になっているのに、大部分の人間が気付いていないからだ。現代の社会的空間配置を、マーケティングに基づいて分類している。三浦氏独特の視点が良い意味でも悪い意味でも際だっている。理論的には、三浦氏自身が述べているように粗いことは否定できない。しかし、トレンドはうまく捉えている。
だが、三浦氏が危機感を抱く対象となっている人々に、そのメッセージは届くのだろうか?正直、自分は夢見ていたいのに、余計なことを言われて、夢を消されて、大きなお世話と思う部分もあるではないだろうか?
そういう意味では、夢を見続けたい人や美しいことだけを見て生きたい人は、
読まない方が良いだろう。もちろん、読まないことでどうなろうと、それは「自己責任」なのだけれど。
4 - 二極化する社会、階層化が進む日本の実態 [2005-10-05]
「下流」・・・このタイトルにドキッとして・・。
自分でも、思い当たるフシがあるのか、タイトルをみたとたん
「ドキッ」として、読んでみました。
「上流」「勝ち組」ではないな、自分は。
じゃ、「中流」「中の上」「中の下」・・かな。
って、思っている、ワタシや、あなた。
実は、自分は、「下流」「下の下」かもしれない!!!
タイトルの印象とは裏腹に、人口統計やアンケートを、
たまねぎの皮をむくような、細かい分析と洞察を主軸に
おいた、おおいにまじめな本でした。
難しい分析でしたが、対象とした世代の結婚観、分類学、
どんなコースが、まだ幸せなほうなのか、など、おもしろく
読めました。
日頃、街や電車で感じていること、やる気のなさ、富む者と
落ちていく者の二極化の進展、なんとなくのまったりした雰囲気・・
そんななんとなくな感じを、本書を読んで、
理論的、かつ、現代日本の都市部の
若い世代の分類学という丁寧な仕事で、確証を得た気もします。
しかし、確証を得たとたんに、なんとなく、優勝劣敗が極端
になる、この国の行く末を憂え得る前に、まず、自分が、幻想でも
いいけど、中流から脱落して「下流」に落ちていかないように
気をつけないと、と、ちょっと怖くなりました。
でも、一番怖いのは、冗談なのか、本気なのか、著者の「おわりに」
に書かれている提言でした・・。
挿入されている写真も、けっこうショッキング・・古きよき高度成長期
の日本がなつかしくなるような、そんな写真も満載でした。
3 - タイトルにドキッとして・・ [2005-09-30]
自分でも、思い当たるフシがあるのか、タイトルをみたとたん
「ドキッ」として、読んでみました。
タイトルの印象とは裏腹に、人口統計やアンケートを、
たまねぎの皮をむくような、細かい分析と洞察を主軸に
おいた、おおいにまじめな本でした。
難しい分析でしたが、対象とした世代の結婚観、分類学、
どんなコースが、まだ幸せなほうなのか、など、おもしろく
読めました。
日頃、街や電車で感じていること、やる気のなさ、富む者と
落ちていく者の二極化の進展、なんとなくのまったりした雰囲気・・
そんななんとなくな感じを、本書を読んで、
理論的、かつ、現代日本の都市部の
若い世代の分類学という丁寧な仕事で、確証を得た気もします。
しかし、確証を得たとたんに、なんとなく、優勝劣敗が極端
になる、この国の行く末を憂え得る前に、まず、自分が、幻想でも
いいけど、中流から脱落して「下流」に落ちていかないように
気をつけないと、と、ちょっと怖くなりました。
でも、一番怖いのは、冗談なのか、本気なのか、著者の「おわりに」
に書かれている提言でした・・。
挿入されている写真も、けっこうショッキング・・古きよき高度成長期
の日本がなつかしくなるような、そんな写真も満載でした。
5 - 団塊ジュニア世代として日頃思っていたこと [2005-09-27]
小さい頃からずっと自分も周りの人々も中流階層と思っていました。しかし、なんかここ最近、数年前から中流から下流になっている人が自分の周りに多いのではないかと思っています。(郊外型主婦層が多いからかも知れませんが…)
お金がないから、お金に関してセコい。(しかしえっと思うものにはつぎ込む)時間はあるが勤労だけでなく生活全般において意欲がない。一言で言えば怠惰。働き方は非正社員スタイル。そして決まって知らない人とのコミュニケーションがとれない人。そしてある一定のテリトリーの中の地域でしか動かない人。そういう人私の周りにもすごく多くなってます。
一方、正職員で働く人はそれなりのコミュニケーション能力は高く、多趣味なのですが、一日の仕事の占める割合がすごく多くてものすごく忙しい…といった感じで2極化していますよね。
この本は私たち団塊ジュニア世代が抱える問題を痛切に表現した1冊だと思います。これからの家庭生活、子育てを考える上でもとても参考になりました。一気に読んでしまいました。
5 - 見えない格差が数字で現れた [2005-09-25]
著者は、綿密なアンケート調査、インタビューなどにより現代人の格差を浮き彫りにしている。
所得格差のみならず、文化的なもの、嗜好的なものによる階層の違いは、調査時点からの報告が早いこともあり、非常に興味深い。
現状を的確に捉え分析しており、時々分析者である著者の本音が書かれているところもおもしろい。
3 - いまいち焦点の甘い分析 [2005-09-24]
全体的に表層的で本質的理解を得られたという知的満足感が低い本であった。著者本人も白状しているように統計学的に有意味な分析というわけでもなく、そもそもここでいう下流社会が年収という数値的なものなのか、アンケートによる主観的なものなのか、社会学的なものなのか、心理学的なものなのか、皆目わからない。
マーケッターらしい分類も試みているが、本質的意味があるとも思えない。ちなみに私は「ヤングエグゼクティブ系」「ロハス系」「SPA!系」「フリーター系」それぞれに当てはまる。私だけではないだろう。さらに言えば女性用分類の「お嫁系」「ミリオネーゼ系」「かまやつ女系」「ギャル系」「普通のOL系」にもそれぞれ当てはまるところがある。生物学的に男であるという点を除いて。
そもそもマーケティングというものが社会を表層的に捉えようとするものなのかも知れず、あえてだからけしからんとか言うつもりもないのであるが、まあ、なんというかスナック菓子を食べた後のような物足りなさを感じる本であった。
「新人類」「団塊ジュニア」においては下流ほど自民党支持が多い、など、雑談のネタになりそうな話はあるし、村上龍の「14歳からのハローワーク」に見られる頭の悪さ(?)についての指摘など、共感する部分も多いということでちょっとだけフォローしておきます。
4 - フリーターや派遣社員の生態 [2005-09-24]
階層格差が広がる中、「上流社会」や「中流社会」ではなく、「下流社会」と目される階層の人々、特に焼く年層にスポットを当て分析したユニークな本。その日、その日を気楽に生きる。好きな事だけしてイキタイ。お菓子やファーストフードをよく食べる。一日中、テレビゲームやインターネットをして過ごす。そして、未婚(男性で33歳以上、女性で30歳以上)。これが、「下流社会」に属する男女のイメージである。彼らの商業はフリーターや派遣社員。パラサイトの場合も多い。この本の描く世界は、森永卓郎の『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)の世界と重なる。いや、最近になって森永卓郎は、その”年収300万円”すら、下降気味と指摘し始めている。ますます、貧富の差が激しくなったということだ。学生運動華やかなりし1970年代ごろまでなら”革命だ”と叫ぶ若者も多かったかもしれないが、いまやそんな元気はなさそうだ。なお、森永卓郎は、ビンボーを主題にした著書を連発、いまや年収3000万円以上(28ページ)というのには、恐れ入った。
1 - 他の階層格差論と何ら変わらぬ問題煽動と問題解決の欠如 [2005-09-23]
本書は、消費論を基盤とする著者が、「階層意識調査」を元に階層格差について論じたものである。近年の階層格差に関する著作は、問題を煽動するだけのものがほとんどだが、本書もその一つであった。
まず、本書の意識調査の方法論には極めて問題があり、母集団の設定と調査対象の抽出方法が必ずしも明確でなく、母集団と調査対象の標本誤差についても検証されず、質問項目や単純集計も不明である。さらに、分析の基本的な機軸も「上・中・下」という「階層意識」であり、これをもとにすべての分析を進めているのだが、こうしたあまりにも乱雑な主観的指標を機軸とすることに何の意味があるのか。
この方法論的問題について、著者自身も「統計学的有意性に乏しいことは認めざるを得ない……本書に書かれていることの多くは仮説である」(283頁)などと末尾において、平然と記載している。本来であれば冒頭に記載し、本書の欠陥を読者に明らかにすべきだ。
さらに、本書は、他の階層格差論と同様、その問題点だけを煽動し、有効な解決策を何ら提示していない(例として『希望格差社会』)。著者の「解決策」とは、わすか三頁程度において展開される「東大学費無料化」「大学授業インターネット化」などという、何ら精緻な検討もなされていないものであり、問題解決能力の欠如は明白だ。
なお、近年の「階層格差」は結果の平等が否定された、単なる「正常化」に過ぎないとも考えられる。著者が問題としているのは、階層固定化のようだが、ではどうすれば階層上昇ができるのかを検討すべきではないか。すなわち、実際に階層移動を実現した人々の経験を取りまとめ、どういった環境・制度によってそれが可能となったのかが実証的に解明されれば、階層上昇を促進する制度設計が可能となろう。
もし、著者がこうした問題解決に向けた作業に関心がなく、他と同様に階層格差を煽動するのであれば、即刻第一線から退くべきだろう。
5 - 下流度チェック12項中、11当てはまった俺は [2005-09-20]
〜本書冒頭に「下流度チェック」のようなものがある。まあ座興というかツカミであろうが、12項目のうち11項目当てはまってしまった俺は少し憂鬱なのだった。
本書は、現在から団塊世代去りし後のぺんぺん草生える消費社会を大胆に予見した、問題の書だろう。この刺激的なタイトルは、ちょっとモノを考える人間なら避けては通れない性質のものだ。売れるに違い〜〜ない。売れてほしい。そして、もっとモノを考える人間が増えてほしい。本書に共感するでも反感持つでもどっちでもいいが、この問題について考える人間が増えてほしい。
本書が喝破した重要なことの一つ。「自分らしく生きる」「個性尊重」という一時の教育トレンドが、生きる意欲の薄い人間に言い訳を与え、ますますモチベーションを下げている、という事〜〜実。これを指摘してくれただけでも★5つ差し上げたい。
著者はパルコ出版で先鋭的なマーケ雑誌を作っていた人だ。俺は、彼の過去に反感と共感を半ばずつ持っていた。バブルを煽った当事者だろう、という反感。あんたも被害者なんだなという共感。本書は、彼が誠実に投げ返してくれた問題提起だと思う。同時代を生きる者として、痛みを感じながら書いた、っ〜〜て感じ。統計数値が多く読みにくい本だけど、過激で面白いので、ぜひ読んでください。〜
4 - そうかもしれないな [2005-09-17]
「下流社会」というタイトルの響き程には暗くない内容です。前半では、「お嫁タイプ」「ミリオネーゼ」「かまやつ女」「ヤングエグゼクティブ型」「LOHAS」といった分類があり、占い感覚の面白さがあります。一つの組織の中で、ひたすら頂点を目指す団塊世代とは違い、現在は多様な価値観が生まれているんだな、と実感させられます。
しかし、後半からは、団塊世代とは異なるこうした価値観の多くが、「下流社会」生活そのものであり、下流的性格として整理されています。結局、多様な価値観というのは、中流社会という代償の上にしか成り立たないのか、と寂しさを感じました。
この本は、現状分析とのことで、作者の価値観や、今後の対策のようなものは書かれてなく、物足りなさも感じますが、しかし、そのためにかえって、説得力のある分析となっています。現在、そして今後の日本社会を考える上で参考になる本だと思います。