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発信箱:プールで気絶したら=野沢和弘
「バカ」「まぬけ」と罵(ののし)られた。商品を見ていたら「なんとなく気持ち悪い。出て行ってくれ」と店の人に言われた。バスへの乗車を拒否された……。千葉県は障害者差別をなくす条例作りに取り組んでいるが、県民から差別事例を募集したところ、700件以上も寄せられた。
こんな事例もある。耳の不自由な人が水泳クラブへの入会を拒否された。「プールの中で気絶した時、声をかけても気づけないから」という理由だ。しかし、耳の聞こえる人だって気絶したら声は聞こえない。というか、水の中で気絶している人を見たら声を掛けている場合じゃない。すぐに助けなければ。
「ペット可」の部屋を借りたら、障害者をペットとみなされて割増料金を取られた。家電製品店で「一般は5年保証だが、障害者には保証が付かない」と言われた、というのもある。一方、障害児の親からは「『大変ね』と言われるのが一番嫌です」「『明るいわね』とよく言われるが、障害児がいると暗くなければいけないのか」との意見も寄せられている。
悪意のある差別だけでなく、知らないために誤解や恐れが生じ、それが障害者を排除し傷つけている例が多い。また、誰にどのような文脈で言われるかによって、傷ついたり平気だったりする。差別の本質は「関係性」にあるのかもしれない。
少数か多数かにもよる。私が尊敬している視覚障害のある男性は問いかける。「もし私が市長になったら、町から電灯を全部撤去します。目の見える人には気の毒だが、市の財政再建のためにやむを得ない」(社会部)
毎日新聞 2005年11月12日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/news/20051112ddm002070007000c.html