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スクラップ材に放射性物質の劣化ウランが混入しているのを見つけて届け出た業者に対し、文部科学省が核燃料物質使用許可の申請料として約23万円を請求していることが、9日分かった。
業者は申請を見合わせており、ウランは法規制の網から漏れている状態。5年前に判明した原子炉等規制法の不備を同省が放置していたためで、専門家は「正直な発見者が損をする法律では、不法投棄や悪用につながりかねない」と、危機感を募らせている。
劣化ウランを発見したのは兵庫県内のアルミ合金製造業者。原料として米国から輸入した金属スクラップ16トンの中に、重さ10キロと30キロの塊計2個が混入していた。
同法によると、核燃料であるウラン、トリウム、プルトニウムの3物質は、使用許可を得た事業者の間でしか譲渡できない。意図せずに所有してしまう場合を同法が想定していないためで、他の放射性物質と違って回収機関もない。同省は現行法に基づき、許可申請するよう業者に指導した。
2000年には、スクラップに混入した劣化ウランのほか、核原料物質のモナザイトも各地の民家などで相次いで見つかった。このため当時の科学技術庁が、法改正も視野に「無許可で保管されている物質の実態調査」「引き取りの枠組み構築」などの対策を打ち出した。だが、いずれも進んでいない。業務を引き継いだ同省原子力規制室は「回収機関の指定は住民に反対されるので困難」と弁明する。
同省は経済産業省などと連絡、輸出元への返却を検討しているが、「どれくらい時間がかかるか分からない」(経産省)という。
国内には1957年の同法施行以前から存在する未許可の核燃料物質も相当数あるとみられる。小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東京大教授(原子力専攻)は「現制度のままでは、不法投棄などの恐れがある。届け出た人には奨励金を払うくらいにし、引き取り手も早急に検討するべきだ」と話している。
(2005年11月9日14時39分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051109i406.htm