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明治安田生命保険は21日、保険金・給付金の不当な不払いが過去5年間で計1053件、52億円に上るとの社内調査結果を公表した。この結果を受け、すでに辞意を表明している金子亮太郎社長のほか、宮本三喜彦会長、小沢祐吉副社長も引責辞任を表明。金融庁は月内にも、同社に対し業務停止命令を含む2度目の厳しい行政処分を出す方針とみられ、契約者の信頼回復に向けた経営体制の抜本的な見直しが急務になっている。
同社は今年2月、本来支払うべき保険金を不当に支払わない保険業法違反の営業活動で、金融庁から業務停止命令を受けた。しかし、その後の同庁の検査で新たな不当不払いが発覚したことから、過去5年にさかのぼって実態を調査するとともに、社外取締役の弁護士らでつくる調査委員会が原因究明に当たっていた。
委員会は、不当不払いの背景に「保険金支払いの査定を強化して利益を上げる」ことを旧明治生命が経営方針に掲げたことがあると指摘。さらに、(1)査定部門が支払い抑制の数値目標を作り、不払いを促していた可能性がある(2)不当不払いを監視する法務部門や監査役がチェック機能を果たしていなかった(3)金子社長ら経営陣が保険金不払いの実態を把握していなかった−−ことも不当不払い横行の原因に挙げた。
こうした複合的な要因が、他の生命保険会社では最大でも数十件規模にとどまっている不当な保険金不払いを大きく膨らませる結果になったとみられる。
ただ、不払いの件数や金額は一部の役員だけに報告され、具体的な内容も金子社長らは知らされていなかったとして、経営陣の直接的な関与は否定した。
同社は今後、調査結果をもとに責任の明確化を図り、他の役職員についても処分を検討する。7月に辞意を表明している金子社長は21日の会見で、退任後は相談役など一切の役職にとどまらない意向を明らかにした。
同社は今後、金融庁の処分を見極めた上で、後任の社長人事をはじめとする新体制の発足に向けた調整を本格化させる。【平地修】
◇旧明治の不払い突出
明治安田生命の不当な保険金・給付金不払いは、旧明治生命が保険金の支払いが予想を下回ることで生じる「死差益」の拡大を経営方針に掲げた01年度以降に急増した。
社内調査報告によると、00年度に10件だった旧明治の不当不払いは、01年度223件▽02年度221件▽03年4〜12月169件−−と20倍前後に拡大。同時期の旧安田生命の不当不払い(01年度14件▽02年度11件▽03年4〜12月13件)と比べても、突出している。合併後の04年度も296件に達しており、同報告は「不当不払いのほとんどは01年度以降の旧明治とその支払い基準を引き継いだ合併会社による査定が原因」と断定した。
同報告は、法務部門が「時には保険金支払い担当部門の意向を越えて不払いを示唆」するなど、不当不払いを監視するどころか逆に助長していたと指摘。契約から6年後に難病認定を受けた被保険者の契約を無効とした例を挙げ、不当不払いを厳しく批判した。【塚田健太】
毎日新聞 2005年10月21日 20時55分 (最終更新時間 10月21日 23時13分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20051022k0000m020074000c.html