★阿修羅♪ > 社会問題2 > 182.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
発生から間もなく1年を迎える新潟県中越地震で、被災地の高齢者の約3割に、歩行不能になるなど「生活不活発病」(廃用症候群)の兆候が表れていることが、厚生労働省の調査研究班の調査で分かった。調査班は全国で初めて、災害時の同病予防マニュアルを作成、近く公表する。高齢者に家庭や地域での役割を与え、日常生活の向上を図るよう求めている。
調査班は国立長寿医療センターの大川弥生・生活機能賦活研究部長らで構成。3月まで長岡市などと共に、同市の避難勧告地域に住んでいた65歳以上の被災者で、要介護認定を受けていない1626人を調査した。
この結果、31%(496人)が「地震後、屋内外で歩行困難になった」と回答。避難所を利用しなかった高齢者の23%(589人中136人)、仮設住宅に入居しなかった高齢者の28%(1332人中377人)も歩行困難になっていた。近所なら一人で歩けたり、誰かと一緒なら屋外で歩けた高齢者の半数以上も歩く力が低下していた。
マニュアルでは生活不活発病の恐れの有無をみるチェックリストを作成し、歩行状態や家事へのかかわり度合いなどの変化から、災害直後に生活不活発病のハイリスク者を早期に見つけ、対応する必要性があると指摘。避難所や仮設住宅の高齢者に限らず、自宅生活者にも歩行など日常生活の向上を図る一方、「危ない」などと高齢者の動きを過度に抑制したり、ボランティアが過剰な手助けをしないよう指導することも重要としている。
大川部長は「全国的にも生活不活発病の知識はまだ乏しい。災害時だけでなく介護予防の基本としても重要で、自治体は普段からこのマニュアルを活用して対策を考えてほしい」と話している。【奥山智己】
■ことば(生活不活発病) 災害時などに体を動かさなくなることで、心身機能が低下する状態。主な症状は筋力低下や心肺、消化器機能低下だけでなく、うつ状態になったり姿勢・運動調節機能が低下し、歩行不能や寝たきり状態になることもある。
毎日新聞 2005年10月13日 15時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051013k0000e040067000c.html