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きつねと僕(今井紀明の日常と考え事)
http://www.asyura2.com/0510/senkyo17/msg/869.html
投稿者 七瀬たびたび 日時 2005 年 12 月 18 日 14:08:46: bo2NmpzpRHGO6
 

 イラク人質事件から一年半以上が経ちました。批判の手紙と批判の手紙を書いた人と会いながら、いろいろ考えてきました。いろいろ批判されましたが、それは本当に正しい情報だったのか、それが僕だったのか、というのは疑問です。なので、僕はこのブログを開きました。もしよかったら見てください。左も右もいいんです。とりあえず、僕ら、努力して生きればいいじゃないですか。お互いにがんばりましょう。ということで、皆様、よろしくお願いします。

http://blog.livedoor.jp/noriaki_20045/archives/50010782.html

 きつねと飲むのは初めてだ。きつねと僕は3年前ぐらいまえから顔は知っているけれど、立ち話以外したことがなかった。きつねは40代で会社勤め、彼は僕の事件のときに「とにかく毎日、『がんばれ』って今井君にメールを送ったよ、まぁ、自己満足みたいなものだったかもしれないけどね」と僕を応援してくれた。

 最近よく思う。いったい、僕はいつまで利用されて「もの」として扱われなきゃならないんだろう、と。講演会に出れば信頼できる人はいるのだけれど、僕に話しかけてくる人は延々と政治の話など20分ほどして名前も名乗らず帰っていく。僕はいつもいったいなんなのか、結局「イラク人質事件」の商品としてしか扱われないのか、と正直考えてしまう。

 中には本当に信用できる人はいる。きつねみたいに謙虚に自分の過去を話してくれる人もいる。でも、結局市民運動とかそういうことをやっている人というか、僕らを利用しようとしている人がいる、という人がいることを僕はよく思い知らされた。

 でも、僕が感じている「つらさ」なんてちっぽけなことに過ぎない。僕は基本的に馬鹿なんだ、だから僕の「つらさ」なんてそのうちなんとかなるんだ、そう思えてくると楽になる。きつねは僕にソウルとR&Bがバックで聞こえるバーで言った。「30半ばのとき、離婚した嫁さんが自殺を図ってね、それで救急車に運ばれたのさ。そして、その次の日に、そのとき付き合っていた彼女が―そのとき一緒に暮らしていたこともあったのだけれども―その彼女が急死したのさ。あのとき、おれはどうしようか、と思ったね。でも、前の嫁さんが奇跡的に助かったね。そういうこともあるんだよ」

 きつねはウィスキーの水割りを片手にそう語った。そして、バーでヴォーカルがケセラセラを歌っている。「あたしの人生、夢を追いかける」きつねは重ねていった。「過去は過去に過ぎないんだよ。10年後、20年後に何をやっているかが大事なんだ。それを大切にしてほしいんだよ」

 失敗を重ねながら生きていく僕らがここにいる。もちろん、自己責任という言葉が僕の事件には響いた。そして批判は多かった。でも、これから、僕はがんばりたいと思う。何か役に立ちたい。そう思う日だった。

noriaki_20045 at 01:30

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