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http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1560158/detail
東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳との会談で小泉純一郎首相は、「靖国参拝は戦没者に哀悼の誠を示すもの。何(いず)れ時間が経(た)てば理解される」「戦争を美化するのではなく、二度と戦争を起こさない事を誓うもの」と“高言”しました。
マレーシアのアブドゥラ・バダウィ首相やフィリピンのグロリア・アロヨ大統領が日中関係に懸念を表明したにも拘(かかわ)らず、「(1対1の)首脳会談に応じないのは理解出来ない」と、温家宝首相に“欠席裁判”の判決を下し、シンガポールのリー・シェンロン首相との個別会談でも「首脳会談が無くても(日中、日韓)関係が良好なのは、如何(いか)に両国との関係が強固かという事」と彼は“巧言”したのです。
それは、A級戦犯として逮捕された外務大臣・松岡洋右の言説と酷似してはいまいか。と感じていた僕は、気鋭の批評家として一目を置く佐藤清文氏がインターネット上の「Alternative Media今日のコラム」で「松岡洋右と小泉純一郎」と題して展開する論考に、痛く共感しました。
「日本は、戦前、孤立主義に傾きながら、それを世論が後押ししたという歴史があります。そこには、松岡洋右というアジテーターの存在があるのです」との一文で始める佐藤氏は、山口県に生まれ、親戚を頼って渡米し、オレゴン大学卒業後に外務省、満鉄(南満州鉄道)を経て、山口2区から衆議院議員となった松岡が、「幣原喜重郎外務大臣の対米英協調・対中内政不干渉方針を厳しく批判し、その威勢の良さからメディアや言論人、大衆から支持を受けていく」過程を検証します。
満州事変が起きた1931年、「英語によるスピーチが巧みであるという理由で、ジュネーブの国際連盟特別総会に首席全権として派遣され」、「1時間20分に及ぶ演説を準備原稿無しで」行います。「小泉首相が自らの政策を『三位一体改革』と命名したように、日本を十字架のイエス・キリストに譬(たと)え」、「欧米諸国は日本を十字架上に磔刑(たっけい)に処しようとしている」が、「イエスが後世になって理解されたように、日本の正当性は必ず認められるだろう」との。
翌年の総会で、「満州国」建国を民族独立運動とは認めず、自治政府として日本を含む列強の共同管理下に置くべき、とのリットン報告書が可決されるや彼は閉会前に退席します。「言うべき事をはっきり言った」「国民の溜飲(りゅういん)を下げた」「聯盟(れんめい)よさらば」と帰国した彼を日本のメディアは熱狂的に歓迎し、「国民精神作興」「昭和維新」を掲げて全国遊説を行う彼が設立した「政党解消連盟」の会員数は200万人に達したのです。
【2005年12月14日掲載】
2005年12月17日10時00分
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