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耐震強度の偽造と日本の腐敗
By StrangeLove
耐震強度の偽造問題で日本の建造物に対する不安が広がっている。昔から建設業界の手抜き工事は有名な話で、その実態は阪神淡路大震災の時にも指摘されている。その際に責任がきちんと追及されなかったため、今回の関係者は高をくくったのではないだろうか?
建設/不動産業界の人に聞くと、安全基準を守っている業者の方が圧倒的に少数派だという。元請けが「適正利益」を確保してしまうため、下請けは手抜きしないと利益が出ない構図なのだとする話も流れている。孫請けに出したなら、さらに手抜きする必要が生じてくるわけだ。
ただ、今回の耐震強度偽造では設計の段階から不正があり、その不正を検査機関は見逃したのである。しかも偽造を見抜いた建築士からの通報を事実上、無視した検査機関もあった。こうした偽造が蔓延していることをうかがわせる話だ。
そうした最中、アメリカからの牛肉輸入が再開されそうである。BSE(狂牛病)の問題で輸入がストップしていたのだが、アメリカ政府からの「要望」に屈した形である。アメリカ側は安全を保証しているというが、ありもしない大量破壊兵器を口実にしてイラクを侵略した政府だということを忘れてはならない。平気で嘘をつく連中だということである。しかも日本の検査体制がお寒い状況であることは耐震強度の偽造問題で明確になった。
アメリカでBSEが蔓延していると疑っている人は少なくない。1990年代に米ウィスコンシン大学マジソン校のリチャード・マーシュ教授は、アメリカの家畜にBSEが忍び込んでいると指摘していた。「アルツハイマー」として処理された患者の中にBSEで死亡した人が含まれているのでは、と言う人もいる。
1950年代に引き起こされた水俣病では、早い段階に医者やエンジニアは水銀が原因だということに気づいていた。霞ヶ関の官僚も知っていたはずだ。水銀法と同程度のコストで製品を生産できる方法が開発されるまで、政財官は水俣病と工場廃液との因果関係を認めようとしなかった。
HIV(エイズ)の問題でも関係省庁や薬品会社の責任はほとんど追及されなかった。その背後に旧日本軍による細菌兵器の研究開発問題があることは間違いないだろう。その研究結果はアメリカに流れているわけで、アメリカもこの問題が広がることを望んでいなかったはずだ。
耐震強度の偽造は個別の問題ではない。小泉政権が支持されたのと同じように、内部で腐食が進んでいる日本の支配システムが生み出した一現象にすぎない。
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