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WTO農業交渉(日本農業新聞論説)【後ろから鉄砲を撃つな、農業は経済価値のみでは論じられない】
http://www.asyura2.com/0510/senkyo17/msg/374.html
投稿者 heart 日時 2005 年 12 月 03 日 17:04:23: QS3iy8SiOaheU
 

WTO農業交渉/二の舞いはごめんだ
日本農業新聞[2005年11月30付]
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0511/30.html

 世界貿易機関(WTO)は、来月13日から始まる香港閣僚会議でまとめられる宣言案をめぐって、現在大詰めの調整が続いている。農業交渉については上限関税や重要品目の扱いなどで食料輸入国と輸出国が激しく対立したため、香港会議での完全な形のモダリティー(保護削減の基準)確立は断念した。しかし、ラミー事務局長は2006年中に多角的貿易交渉を終えるなど具体的な成果を目指しており、なお予断を許さない。
 
 農業交渉は10月以降、米国、欧州連合(EU)などの主要国グループが具体的な数字を含む農業モダリティー案を提示、急転した。特に、米国は上限関税を全品目に適用、税率は先進国75%、途上国100%とし、重要品目数は全品目の1%に限定、ミニマムアクセス(最低輸入機会)を倍増させる――などを提案した。
 
 万が一にもこのような案に交渉が引きずられることになれば、日本の稲作農業は守りきれない。また、米国自身が重要品目として保護している砂糖にも影響が及ぶ。米国の農業団体が「危険な提案」と批判するのは、そのためである。米国提案は自国内で十分議論されたものというより、政治的な駆け引きに狙いがあるとみるべきだろう。
 
 にもかかわらず、一部マスコミに「日本は農業で歩み寄れ」などとした論調が最近目立ち始めた。状況は1993年末のウルグアイラウンド(UR)交渉決着時と酷似している。財界やマスコミに誘導された“農業たたき”も手伝って、当時は国論が二分。米関税化を盛り込んだダンケル調停案を受け入れた苦い経験がある。
 
 農業交渉で主要国入りした中川昭一農相は、「日本のマスコミなら、日本の国益を前提にすべきだ」とWTO報道に注文、「農業というかけがえのない国益を守っていきたい」と明言する。石原葵農水事務次官もUR交渉時の教訓を念頭に「後ろから鉄砲を撃たないで」と、間違った世論形成となりかねない報道姿勢を警戒している。農産物貿易における関税率は、各国の国土や生産条件の格差によって決まるもので、それを無視した「上限関税」の考え方は受け入れられない。
 
 日本は「多様な農業が共存」できる農産物貿易ルールの確立を目指して、スイス、ノルウェー、韓国などと食料純輸入国グループ(G10)をつくっている。JAグループが先に開いたWTO対策全国集会に駆けつけた韓国とインドネシアの代表は、「重要品目の扱いは日本と考えを共有できる」と訴えている。
 
 地球環境問題で世界の食料供給が懸念される中で、米国・EUとも農業には特別な配慮をしており、重要な戦略物資だ。貿易交渉における真の国益とは、農業と工業を同じ土俵で競わせるのではなく、調和して発展できる経済社会を目指すことだろう。

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