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2005.12.1（その２）
2005年森田実政治日誌［478］
マスコミの無責任と非常識／国民の政治意識の“ゆがみ”と非常識を考える――マスコミの小泉政権の手先化と民主党の不甲斐なさと国民意識の夢遊病化が、小泉自民・公明勢力をのさばらせている三大原因だ
「息の香の臭きは主知らず」（日本の諺）［マスコミは自分がどんなに非常識なことをしているか、わからない。マスコミは自分がどんなにひどい悪臭の息を吐き出しているか、気づいていない］
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11月29日の朝日新聞朝刊に、同社が11月26、27日の両日に行った世論調査が発表された。それによると――
(1)内閣支持率
―― 小泉内閣支持53％、不支持32％
(2)政党支持率
―― 自民党40％、民主党16％
(3)景気の現状について
―― 「良くなりつつある」31％、「悪くなりつつある」14％、「変わらない」31％
(4)暮らし向きについて
―― 「楽になった」６％、「苦しくなった」25％、「変わらない」68％
(5)イラクへの自衛隊派遣延長について
―― 賛成22％、反対69％
(1)〜(3)非常識な数字である。国民生活の実態を知っていればこんな数字は恥ずかしくて発表できないはずである。大新聞社の記者は国民生活の実態を知らない。知らないからこんなかけ離れた数字を公表する。そしてこの数字が政治を動かしているのだ。
(4)も国民生活の実態を反映していない。生活はもっと苦しくなっている。
現在の日本が「良い」というのは、政府側の宣伝を無責任に広報しているマスコミがつくり出している一種の虚構であり、幻想である。日本社会にこうした幻想をつくり出しているマスコミ、とくにテレビの罪は深くて大きい。いまの日本の暗い現状を考えると、小泉内閣支持率53％は常識を越えた数字である。このような非常識な数字を平然として公表しつづける大新聞の無責任はひどすぎる。
こういう非常識な数字を平然と公表するのは、大新聞が国民感情と遊離してしまっているからだ。朝日新聞の記者諸君、国民のなかを歩き回ってみなさい。この数字と違う現実があることを知るだろう。
国民意識が夢遊病化していることも否定しがたい。
政党支持率も国民感情とかけ離れている。自民党40％はどう考えても高すぎる。日本国民は、いまの小泉独裁下オールイエスマンと化した自民党をそんなにいい政党と思っているのだろうか。これも非常識な数字である。この数字は危険な数字だ。政府・自民党に誤ったシグナルを送ることになる。
景気について、「良くなりつつある」が31％（「悪くなりつつある」14％）というのも非常識な数字だ。
「良い」のはほんの一握りの大企業だけだ。地域的には東京と名古屋だけである。ほかの地方は真っ暗闇のなかにいる。「良い」が高すぎ、「悪い」が低すぎる。これも政府・自民党に間違ったシグナルを送る。
誤った経済政策が継続され強化される。
暮らし向きについて、「楽になった」６％に対して「苦しくなった」25％は、(1)〜(3)に比べると、やや現実に近い。それでも「苦しくなった」25％は低すぎる。国民生活は非常に悪化している。これが現実だ。
イラクへの自衛隊派遣延長について、賛成22％、反対69％は国民の実感に近い。小泉内閣と自民・公明両与党は自衛隊イラク派遣の延長を主張し、民主党はこれに反対している。
イラク派兵問題は、いま、日本の政治にとって喫緊の最重要問題である。この反対69％は少なくとも「反小泉」「反自民」でなければならない。しかし、そうはなっていない。世論調査がおかしいのである。小泉内閣支持率と自民党支持率が高いのは、民主党の不甲斐なさに原因がある。最大の原因はマスコミが小泉政権の番犬になってしまったことにある。反省せよ、マスコミ！
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