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毎日新聞 2005年12月1日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20051201ddlk25070653000c.html
◇「軍隊のない地域目指す」 「9条」本来の姿取り戻す運動
◇「無防備地域宣言をめざす大津市民の会」事務局長・中川哲也さん(48)=大津
憲法9条の理念を地域から実現しようと、大津市の市民団体「無防備地域宣言をめざす大津市民の会」が、大津を戦争に協力しない街にするための「平和・無防備都市条例」制定をこのほど、市に直接請求した。同会事務局長の中川哲也さん(48)に聞いた。【高田房二郎】
−−活動のきっかけは。
01年9月の同時多発テロ後、米国のアフガン空爆などに日本が協力しそうだったことから、反対行動を始めました。それが後のピースウオークとなるのですが、その際「無防備地域宣言」の運動を知りました。
最初は「無防備」という語に違和感があったのですが、勉強していくうち、軍隊がある限り人殺しが起き、組織的な暴力をなくそうと思えばまず軍隊がない状況を目指さないと、結局戦争をなくせないと行き着いたのです。そして、今進められている有事法制に対し市民がノーの方向に自治体を動かすのに、「無防備地域」が有効と考えたのです。
−−無防備条例が目指すものは。
誤解されがちですが、無防備地域は軍隊のない地域であって、「無抵抗の地域」ではありません。侵略に対して何もしない、という意味ではなく自らを守ったり、地域の治安を守る権利を放棄するものではありません。大阪市などについで、条例制定の直接請求は6例目(過去5例は議会が否決し不成立)ですが、外国の平和運動家は「憲法9条を持つ日本だからこそできる発想だ」と言います。そういう意味では、軍隊を持たないなどとしている9条の本来の姿を取り戻す運動でもあります。
−−請求のため署名集めをやっていましたが、市民の反応は。
署名してくれたお年寄りが自分の戦争体験を基に平和への思いを語ってくれたり、若い人たちもたくさん署名に協力してくれました。その一方、「夢みたいな話」といった反応もあるようですが、戦争が悪であることは誰もが分かっていること。その悪をなくすにはどうすれば良いのか、考えることが必要です。単に平和を求めるだけでなく、それを実現するにはどうすればいいのか。実際に軍隊をなくすことは難しいことですが、挑戦することが必要です。署名活動でその思いは広がったと思います。
−−これからの活動は。
議会審議に向け、市議に成立を働きかけます。応じてくれる人には勉強会などの機会を持ちたいし、参考人として委員会で意見を述べさせてほしいと思います。
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■提言
天災と違い、戦争は人間が意図的に引き起こすもの。ならば、人間の英知で戦争をなくすことは可能だ。無防備地域は「軍隊のない地域」の意。国際法と憲法9条を生かし、軍備を持たず、お互いが憎しみあわず多民族が共生できる社会を目指す。「武力で解決する」ブッシュ・小泉的思考から脱却し、「平和を愛する諸国民の公正と信義」(憲法前文)に住民の安全を託し、地域社会で戦争をなくすシステムを住民の手で作る。その核が無防備地域宣言と条例だ。
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◇条例案の要旨
第1条 本条例は、国際平和を希求し、戦争と武力を永久に放棄するとした憲法の平和主義の理念、政府のかかげる非核三原則、ジュネーブ条約などの国際人道法ならびに大津市の「平和都市宣言」に基づくものであり、平和行政及び無防備地域宣言について定め、市民生活の平和と安全、歴史と文化を守ることを目的とする
第2条 本条例において、用語を各号のとおり定義する 無防備地域 77年の「ジュネーブ条約第1追加議定書」第59条により、戦時において次の条件を満たす場合、紛争当事国から武力攻撃が禁止される地域のこと(1)すべての戦闘員並びに移動兵器及び移動軍用設備が撤去されていること(2)固定した軍用の施設または営造物が敵対目的に使用されていないこと(3)当局または住民により敵対行為が行われていないこと(4)軍事行動を支援する活動が行われていないこと
第3条 大津市民は、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。市民はその意思に反して、戦時のみならず平時から軍事を目的とした市民権の制約や財産権の侵害、自然環境及び文化財の破壊を受けることはない
第5条 大津市は、戦時あるいはその恐れが明確なときは、第2条に定める「無防備地域宣言」を行い、その旨を日本国政府、当事国に通告する
第6条 大津市は戦争に関する事務を行わず、平時から無防備地域の要件を満たすよう努める。ジ条約第一追加議定書第58条に定める攻撃の影響に対する予防措置として、軍事目標の撤去や戦時における機能停止を政府に求める
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■人物略歴
◇なかがわ・てつや
1957年、広島県三原市出身。軍属だった祖父が原爆投下後の広島で入市被ばく。その体験などを聞き平和問題に関心を持つようになり、市民運動などに参画。地方公務員。
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