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http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1580519/detail
小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題で周辺国との関係は最悪の状態にある。それにもかかわらず、首相は高い支持率を誇っている。この矛盾した小泉式リーダーシップの根底には何があるだろうか。
米ジョンズホプキンス大学・国際大学院(SAIS)の日本・韓国学研究所所長のケント・カルダー教授は、小泉首相のリーダーシップについて「政治的反対派と積極的な対立関係を形成し、国民情緒に自分を一体化させようとするポピュリズム(大衆迎合主義)に基盤を置いている」と指摘。また、神社参拝の強行も個人的動機と日本国内における政治的目的からのものと批判した。
カルダー教授は、2回にわたり駐日米国大使の諮問官を勤め、20年間プリンストン大学に在職した米国の代表的な日本専門家の一人。
−小泉首相が、外交的孤立にもかかわらず日本国内での高い支持を得ている根本的な理由は何か。
「首相ならではのリーダーシップがあるからだ。彼は、保守的な既製体制に対抗するというイメージを作り上げた。これは反保守という意味ではない。自分を改革と変化の象徴に仕立て上げ、決断力を見せた。国民が望むものが何であるかを読み取り、その方向へ果敢に行動する姿勢を見せたのだ」
―「侍」、「変人」ともいわれる彼のリーダーシップは、伝統的リーダーシップとどう違うのか。
「伝統的な日本型リーダーシップは背後から操るものだ。何か合意が出来るまで待ち、あとから前面に出てくるやり方だ。一方、小泉首相は前に出てリードする。自分の観点、信念をはっきりと示し、世論を引きつける。また、反対派ともはっきりとした具体的な対立関係を形成する。まさに果たし合いに赴く侍スタイルそのものだ。また彼はそうした戦闘の場を用意し、戦闘の概念をも自ら規定する」
−小泉式リーダーシップの長所・短所は何か。
「こうしたリーダーシップは、大衆扇動的なリーダーシップにつながりかねない。国民を率いるためには、狭い私見と刺激療法から脱しなければならない。とりわけ、外交政策において懸念されるのは、国民をより建設的な方向に導くより、大衆的感情に迎合しがちなところだ。」
−靖国神社参拝については。
「数々の副作用をもたらした。もし彼が靖国神社に参拝せず、一般追悼施設を建てることにしていれば、また、隣国と和解する積極的な措置を取っていたら、日本国民はもっと彼を受け容れただろう。彼が偏狭な民族主義を刺激してきたのが残念に思えてならない」
−にもかかわらず、小泉首相はなぜ神社参拝を強行したのか。
「(2001年4月自民党総裁選挙の際、首相になると靖国神社に参拝するとした)自分の公言を守ろうとしているように見える。これに、(中国寄りだった)田中角栄元首相の政治的遺産を解体しようという思惑も垣間見える。要するに、彼の神社参拝は、ある種の宗教的動機によるものでも、第2次世界大戦とその軍事的起源を支持するものでもないとないと思う」(小泉首相は、田中派と対立する中で自民党内のタカ派と目された福田派の後継に当たる)
−これによる隣国との対立は日本にどんな問題をもたらすのか。
「国連問題がその結果を物語っている。日本は、国連安保理の常任理事国になる前にまず周辺国との和解が必要で、それらの国の懸念を理解し認めなければならない。これが、日本の常任理事国入りが叶わない根本的な理由だ」
−外交的対立については、韓中両国で高まっている民族主義的意識にも一部責任があるのではないか。
「3カ国間に民族主義的な緊張があるという指摘は正しい。そして、各国の政治家は、これを煽ろうとする誘惑にさらされている。真のリーダーシップのためには、そのような誘惑を乗り越えねばならならない時がある。最近の外交は、東アジアの安定と相互依存の重要性を十分に認めていないようだ。今やこの壁を乗り越えるべき時が来たと思う」
朝鮮日報
2005年12月25日21時23分
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