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小泉総理よ、どうしてそんなにしぶといのか?(JANJAN)
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投稿者 アメリカ言いなりでヤコブ病 日時 2005 年 12 月 24 日 13:10:49: VBcCXSNG7zBAY
 

http://www.janjan.jp/government/0512/0512176466/1.php

小泉総理よ、どうしてそんなにしぶといのか?

気が付けば小泉政権下で5回目の正月を迎えようとしています。もし、来年9月の総裁選で公言していたことを翻して、3選すれば佐藤栄作も上回る長期政権になるかもしれません。

 筆者は小泉総理に対して、あらゆる面で、一貫して厳しく批判してきました。しかし、総理のしぶとさには、正直言って脱帽するしかありません。

 どうして、そんなにしぶといのか?考えてみます。

 そもそも、総理の政治とは、旧来自民が大手企業以外にも一定の利益分配を行い、社会的規制を行ってきた(これには野党の存在も大きかった)、軍事面でも、戦争参加を抑制してきたのを「ぶっ壊し」大手企業とアメリカの利益のみを図って、構造改革と戦争参加を進めるものです。

 当然、庶民には「痛みばかり」のシワよせという按配です。憲法9条を変えて欲しくないという62%の国民・70%の若者(毎日新聞世論調査)にとっても面白くないはずです。

 そうであるならば、庶民の不満は高まり、政権は持たないはずです。しかし、そうはならない。むろん、2004年参院選では、かなり不満も噴出したのですが、思ったより、自民は負けなかったのです。

 総理の特徴としては、大都市に強いことです。すなわち、旧来自民が基盤とした地方を切り捨てつつ、大都市の無党派を取り込む作戦に出たのです。民主党のもちねたである「構造改革」を横取りしてそれを成し遂げました。以前は新進党や民主党を支持していたような層に食い込んだのです。それと、今年の総選挙では、若者・フリーターの支持をも得ました。

 どうしてこんなことになったのか。いくつか理由を考えてみます。

 第1には、「脅し」が奏効していることです。脅しとは「構造改革をしないと駄目になる」「少子化で財政が持たない」という脅しです。それにより、負担増やむなしの風潮が広まってしまっています。

 むろん、構造改革で少子化が激化している面がある(正規雇用から非正規雇用への置き換え、格差の拡大(若者の多くが無貯蓄で結婚どころではない!)のですが、そんなことは、触れないで、少子化を都合の良いときにだけ利用しているのです。

 また、「悪徳リフォーム屋」的な手法もとっています。総理は自分で庶民の暮らしを破壊しておいて、「改革が必要」と庶民に思い込ませてしまっているのです。 まるで、自分で屋根に登って、屋根に大穴を開け「修理が必要」といって、また、穴を広げているようです。いや、これは悪徳リフォーム屋といったら、悪徳リフォーム屋に失礼かもしれません。

 第2に「景気が良くなっている」という宣伝もしています。これが奏効しています。構造改革のおかげで、よくなっているというわけです。しかし、実際は、財政が毎年大赤字を出し、また中国への輸出が伸びたことによる総需要の増加で景気が良くなっているのであって構造改革のおかげではない。

 それでも、こういう宣伝はテレビで繰り返されると、頭の隅々に染み付いてしまうのです。景気が良くなっているといっても、一部の企業とお金持ちだけですが、それでも、庶民は「景気が良いのに自分が苦しいのは自己責任かも」と思ってしまう。それから、景気がよいのだから負担増もやむをえない、と思ってしまうわけです。

 そして、第3に最大の目玉は巧妙な分割統治です。公務員と民間労働者、正社員とフリーター、地方と大都市などを対立させています。公務員を叩くことで民間労働者の溜飲を下げてもらう。そして、結局は、民間の労働条件も引き下げられると一石二鳥です。

 公務員のほうも、構造改革で物価が下がることには一定満足してしまっている人も少なくないのではないかと思われます。本当は自分に跳ね返ってくることなのにです。

 フリーターについては「自己責任」と切り捨て、正社員には「改革はあまり問題ない」と思わせる。一方、構造改革で、既得権を叩く雰囲気を醸し出し、フリーターの溜飲を下げてもらうという手法をとります。

 多くの若者が、「憲法9条は変えて欲しくないけど 小泉さんの改革はいい」と思って、自民党へ流れてしまうのです。なお、皮肉にも、各種の調査などの結果を見ると、正社員のほうが野党に入れている割合が多い。いわば「上層」と「下層」が自民党を支持し、「中層」が野党を支持するという傾向が出ています。

 また、地方を悪者にして、大都市住民の支持を得るという方向も出しています。 旧来自民党政治を否定している雰囲気を醸し出し、2001年参院選、2005年総選挙では民主党などから票を奪ったのです。

 また、労働組合など、国民の権利を守る勢力を既得権のレッテルを貼って悪者にしてしまいました。

 第4には、NHKを除くマスメディアの支持です。マスメディアは、大昔は産経新聞を除いては日本社会党を、冷戦崩壊後は、新自由主義の新進・民主を持ち上げてきました。その影響を受けた層が、大昔は社会党を、冷戦崩壊後は、新進・民主を支持してきた。反権力という文脈でです。しかし、反権力的な雰囲気を、小泉総理が横取りしてしまったのです。そして、それに従い、マスメディアも小泉自民党を持ち上げたのです。

 マスメディアは総理に都合の悪い情報(総理とアメリカ・経済界の癒着など)は、ほとんど伝えなかったのです。

 第5に、クリーンイメージです。旧来自民党的福祉国家が、利権による腐敗も抱えていたため、その反動で、総理が支持されている面があります。むろん、公共事業による汚職が少なくなっただけで、経済界による献金は増えているのですが、それをメディアが伝えないため、総理のクリーンイメージが醸し出されています。

 第6には、経済界とアメリカの露骨な支持です。今回総選挙では経団連会長の属す企業のトヨタが、首脳陣が鉢巻をしてまで自民党を応援しました。マスメディアが偏向していた背景には、アメリカの保険業界が広告主として影響力を振るったことを指摘する論者もいます。

 第7には野党のだらしなさです。民主党は、総理を根本から批判することはしなかった。 それどころか、総理就任直後に大連立を呼びかけられると有頂天になって総理を持ち上げたりした。その結果、総理は自民党内反対派に「俺をいじめると、自民党を分裂させて民主党と組んじゃうよ」と脅しをかけることができたのです。

 結果、総理の自民党内基盤は固まったのです。もともと、民主党のほうが、構造改革の本家だったので、当然といえば当然です。また、民主党は、2005年総選挙では緊縮財政を主張したりした。 その結果、「民主党に入れても景気が悪くなる」と考えた保守層(自民党にも不満だが)が、結局離反したことも総理を助けました。

 また共産党が、全選挙区に立候補するという戦略ミスを行ったことも総理を延命させたことは、何度も触れています。また、共産党自身、総理登場までは新自由主義への批判をあまりしてこなかったこともあります。結果、「憲法9条は変えて欲しくないけど小泉さんの改革はいい」というようなタイプの人が急増して、自民党を躍進させる結果になったと思います。

 社民党については、最近は少し変わってきていますが、護憲一点張りで、どうも、経済政策が弱い(日本社会党時代からの弱点)。結果はそう多くの人を結集できないわけです。

 国民は、こうした総理の幻術を見破らねばなりません。分割統治されないようにしないといけません。野党・労働組合は、総理の分割統治に対抗しなければなりません。

 まず、第1に、景気を底上げする(庶民にも行き渡らせる)ことは可能である。増税も必要は無い。また、公務員と民間、地方と大都市を対立させる必要は無いということを明らかにしていくことです。

 第2に、旧来自民でもない、小泉流グローバリズムでもない、新しい福祉国家を打ち出すことです。総理は旧来自民的福祉国家を叩くことで支持を得ています。ですから、これに対して、福祉や環境を充実させた新しい福祉国家路線を打ち出すのです。

 医療や子育て、環境の充実のほかに、たとえば、国民新党が提唱しているような審議会の廃止と国会審議の徹底、共産党が言うような企業団体献金の禁止などを打ち出し、総理の改革色に対抗すべきでしょう。

 外交面では、対米自立をどうするかを考えねばならないでしょう。アメリカに過度に依存している限りは、戦争にも参加せざるをえなくなる。逆にいえば、九条守れだけでは、足りない。たとえば、食糧自給率やエネルギー自給率が低い状態をどうするかも問題です。(欧州諸国は、自給率を引き上げて自立している。)そして、どのような外交を具体的に、展開していくのか。国のあり方が問われています。グランドビジョンがないから、やられてしまう面があるのではないかと思います。

 ともかく、グランドビジョンを打ち出した上で、早急に統一戦線を形成していくべきでしょう。新しい軸を政界に打ち出すことで、総理の勢いを削ぐのです。

 労働組合は、既得権のレッテルを貼られ、旗色が悪いですが、攻勢に出るべきです。未組織労働者のためにも闘う組合に変身すべきです。今までは、労使協調だった場合も多いのですが、今後は、社会全体の正義のために闘う組合にしていくべきです。それにより、社会的支持を得られるようにしていくべきです。

 市民派としては、マスメディアに対抗して、やはりネットでの情報発信を広げていくしかないでしょう。それから、野党に対して、きちんと反小泉で統一戦線を組むよう、突き上げていくことが大事だと思います。

 総理は、しかし、伝統的保守基盤を崩してきた。そして、浮動票頼みになっているわけです。そこに付け入る(?)隙があります。うまく、野党側が軸を打ち出して浮動票を引き剥がす。自民党に不満な保守層を取り込む、などすれば、勝機はあります。警戒はしなければならないが、絶望してもならないと思います。

(さとうしゅういち)

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