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【国土交通省の空洞、いよいよ外資に買収される日本建築界の壊滅】 「利回り12%」総研商法 【産経新聞】
http://www.asyura2.com/0510/senkyo17/msg/1003.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 12 月 22 日 06:45:31: ogcGl0q1DMbpk
 

【偽装 強制捜査】(1)「利回り12%」総研商法
足がはまるほど鉄筋まばら コンクリ固め、異様に短期


 「格子状に組んだ床の鉄筋の間に足がはまって転びそうになった。びっくりした」

 偽装発覚直後、関西の建設業者(45)は、孫請けとして携わった工事での鉄筋量の少なさを思い出した。「あれはかなり危ないんじゃないか」

 「あれ」とは平成十三年開業のビジネスホテル。ターミナル駅前の便利さから、出張族が多く利用する。ベージュの瀟洒(しょうしゃ)な外観と裏腹に、建設現場で覚えた数々の違和感が今もある。

 「普通はもっと細かく鉄筋を組むから、足が落ちるなんてあり得ない。工法も経験したことのないものだった」

                 ◆◇◆

 高層ホテルを支える“背骨”は柱だ。鉄骨を中心に鉄筋を組む。鉄筋でできた柱の壁の四方をベニヤ板で囲み、コンクリートを流し込み、十日から二週間かけて乾かし、一フロアずつ積み上げてゆく。それが一般的だった。

 そのホテルは最初から柱を固めるための金属製の立方体の「型枠」が用意されていた。いちいちベニヤ板を切り出して組む必要がないうえ、他の部分でも使い回せるメリットがあった。

 が、問題はコンクリ。乾かし、その後も時間をかけることでコンクリは強度が増す。「コンクリを育てる、『養生』というんだ」と業者は言うが、ここでは翌日に型枠を外してしまうこともあった。異様な短さだ。「強度が確保されないうちに、上から重量をかけることになるんですよ。疑問だった」

 そこへ、足を落としてしまうほど少ない鉄筋量。「高強度生コンを使ったが、コンクリ内の鉄筋が少ないと、地震のときに建物にかかる『引っ張り力』に耐えられない」

 鉄筋は内側に押される力には弱いが、外に引っ張る力に強い。コンクリは内側への力に強く、引っ張る力に弱い。双方の特長を補完し合い、外力への強度を高めたのが鉄筋コンクリートという建築技術だ。いかに「高強度生コン」を使用しても、鉄筋量が少なければ引っ張る力に耐えられず、コンクリは割れ、建物は倒壊してしまう。

 このホテルは総合経営研究所が開業指導し、実質的な施工者は木村建設、設計は平成設計。姉歯秀次元一級建築士(48)が構造計算を下請けしていた。

 用意された型枠を使い回し、どんどんコンクリを上乗せしていくから工期が早い。建設作業員には賃金が日当で支払われる。工期が短縮されれば人件費が大幅にカットできる。鉄筋量が少ないからコストが浮く。

 十二月に入り計算書偽造と耐震力不足が判明し、このホテルは営業中止に追い込まれた。

                 ◆◇◆

 「利回り12%」。バブル崩壊以降、資金運用や多角経営に窮した大地主や鉄道会社に総研はこう謳(うた)ってビジネスホテル事業に誘った。

 ホテルオーナーになることで利回りが出る仕組みとは、例えばこういうことだ。

 《二億円を出資して、五億円を年利息2%(一千万円)で銀行から借り、総工費七億円のホテルを建設する。開業後、毎年総工費の5%程度(三千五百万円)の利益が出れば、利息を返済しても二千五百万円の利益が残る。すなわち出資した二億に対して一年間で二千五百万の利益だから、利回りは12・5%の計算になる−》

 総研はオーナーに対し、設計・建築から開業・営業までの一切を指導し、コンサル料を報酬として得ていた。開業指導したホテルの数は全国で実に二百三十八。

 総工費の額、ローンの割合、開業後の営業成績などが利回りに作用する。証券関係者も「リスクは当然あるが、経営によっては10%の利回りは決して不可能な話ではない」という不動産投信のワンタイプである。一方で、総工費が圧縮されれば、高い利回りを実現しやすいのも事実だ。

 「とにかく安くあげようとしていた」。先の総研指導ホテルの孫請け工事に入った関西の業者はそう振り返るが、「低工費」は結局、総研にとってプラスに働く。

                 ◆◇◆

 「高利回り」を謳い、新技術と短工期でのコストダウンを提唱する「総研商法」。木村建設がこれを建築面で支えた。「うちの技術を最も早く身につけたのが木村だった」と総研関係者。木村の子会社の平成設計が設計面を支え、その傍らに姉歯氏がいた。

 平成の山口時也代表は六日、奈良市の聴取にこう答えている。「総研からの仕事は『設計は平成』『構造計算は姉歯』『施工は木村』と暗黙のうちに決まっていた」

 構造計算書偽造という行為をしたのは姉歯氏だ。が、総研や木村建設の“商法”が偽装を誘発したのでは、という疑惑は強まる。前代未聞の違法建築を誘発したシステム。二十日から始まった警視庁などの一斉捜索は、その構図を暴き出し、刑事責任の所在を解明するのが最大の目的である。

                  ◇

 警察当局の強制捜査が及び、未曾有の建築不信を生んだ耐震強度偽装事件。その実像を報告する。(耐震偽装事件取材班)


http://www.sankei.co.jp/news/morning/22iti001.htm

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