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[暴政]「小泉劇場」が犯した七つの大罪/「ポスト小泉体制」を批判する心構え
ブログ記事(toxandoriaの日記)のコメントの遣り取りの中で、小泉構造改革を支える原理となってきた「新自由主義思想」と「年次改革要望書」についての重要な問題点がクローズアップされてきました。
ことのついでに、少々、視野を広げてみたところ「小泉劇場」が犯した七つの大罪が浮上してきたので「ポスト小泉体制」を批判する心構えのためのポイントとして纏めておきます。
以下、【 】→★の部分(二箇所)はコメントの遣り取りを加筆して纏めたものです。「七つの大罪」は最後に記してあります。
【 tokumei_r32 『こんばんは、
自分は最近、新自由主義なる言葉を知る機会があったのですが、小泉やブッシュが目指しているのは、この新自由主義による一部の人間に都合の良い世界では?と思う事があります。このままでは将来自分や大多数の国民にとってマイナスの大きすぎる考え方に思えますが…』
・・・・・2005-11-12付・記事、[来週の日米「京都モンスター・パラサイト会談」が意味するもの]に対するコメント、
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20051112 】
↓
★toxandoria『tokumei_r32さん、こんにちわ。コメントありがとうございます。以下に「新自由主義」思想のポイントをまとめた文章を記載しておきますので、参考にしてください。
「グローバル市場原理主義」と現在の「わが国の構造改革」路線を支える根本思想が「新自由主義」(Neo-Liberalism)の思想です。そのルーツは、シカゴ学派(Manetalism)の祖と看做されている反ケインズ論の祖・F. A. ハイエク(F. A. von Hayek/1899-1992)及び、それを引き継ぐミルトン・フリードマン(Milton Friedman/1912- )らの経済学者たちです。彼らの際立つ特徴は“物価や名目所得の変動をもたらす最大の要因が貨幣供給量(Money Supply)の変動である”と主張することです。また、彼らは政府の財政的な介入を認める「ケインズ主義」や“付加価値の公平な分配”を重視する「福祉国家論論」などは、社会科学的な無知と不勉強に基づくものだと厳しく批判します。
彼らは「福祉国家論」は人間を堕落させると主張します。その代わり、彼らが提唱する価値観は“自由原理と市場主義の融合”です。それは、国民の一人ひとりが「自己責任の原則」に基づき自由に“市場”へ参加することになれば、市場における経済活動を通じて自ずから最適な調整と公正な分配が達成できるという考え方です。これは、簡単に言ってしまえばアダムスミス(Adam Smith/1723-1790)の古典派経済学、つまり経済・厚生・福祉活動における全ての調整を神の手が宿る市場へ任せるという「自由放任主義」が、再び「市場原理主義」(「弱肉強食」、「勝ち組と負け組」の理念)の名で復活した訳です。
1993年、IMF・世界銀行・米国政府などの関係者がワシントンに集まり、このような考え方を一定の合意に基づく戦略として取りまとめたものが「ワシントン・コンセンサス」です。このコンセンサスは“8つの基本合意”から成っており、それは「(W.C.に拠点を置く銀行等金融機関の)財産権権の保護、政府の規制緩和、政府予算の削減、資本市場の自由化、為替市場の開放、関税の引き下げ、基幹産業の民営化、外国資本による国内企業の吸収・合併の促進」という8つの項目です。
これは、アメリカが、1991年の「ソ連邦崩壊」後(ポスト冷戦構造)の世界を経済面から支配するための“新戦略”(既に色褪せたブレトン=ウッズ体制(第二次世界大戦後に計画されたアメリカ主導の世界経済復興戦略)に代わるスキーム)という意味合いがあったのです。現在、このような“ワシントン・コンセンサスに基づく新戦略”のシナリオに沿って「グローバル市場原理主義」が世界を覆いつつあるのです。 しかし、世界中でEU諸国など多くの国々が、このアメリカ型グローバル市場主義に一方的に飲み込まれることを回避するための努力に必死に取り組んでいることは周知のとおりです。
日本における「小泉構造改革」も米国(ユニラテラリズムのブッシュ政権)の要望(規制緩和と市場原理主義を実践せよとの要望)に応じる形で、その一環として進められているのです。アメリカから日本政府に対して、「構造改革要望書」(JOINT STATUS REPORT ON THE U.S.-JAPAN ENHANCED INITIATIVE ON DEREGULATION AND COMPETITION POLICY/その内容は、進捗状況をチェックした上で、毎年10月に更新される)が提出され始めたのは1993年(宮沢=クリントン会談での合意)からです。
当然のことながら、オフィシャルに日本政府は必死で否定していますが、小泉首相が“改革の本丸”と位置づけた「郵政民営化」もこのシナリオに沿ったものです。
(米国からの構造改革要望書の詳細については次のURL●を参照してください。
●http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050503)』
日本への「新自由主義」思想の導入は、1980年代に中曽根政権がイギリスのサッチャー政権(サッチャリズム)とアメリカのレーガン政権を真似て「構造改革」、「規制緩和」、「民営化」という三つの政策方向へ舵を切ったことに始まります。この流れの嚆矢となったサッチャリズムは、目前のスタグフレーション(デフレとインフレの同時進行)への対応で行き詰まっていたケインズ的な福祉国家政策(大きな国家政策)を根本的に批判して「小さな政府政策」(the minimal State)を提唱していたのです。
【はる 『はじめてメールします。
とうとう大手マスコミから年次改革要望書に関する記事が出ましたね。文藝春秋12月号「奪われる日本」として医療と保険制度について書かれています。まさしくこのプログで告発していることですね。日本の将来に対してこれほど重大な問題を正しく報道しないマスコミの構造を究明する必要があります。アメリカからお金が流れて大手広告会社がマスコミをコントロールしているとの指摘もあります。
文藝春秋には期待をしております。カードのスキミング被害に関する対策も発端は文藝春秋の記事からでした。スキャンダルなどで潰されないよう脇を固めてほしいです。すでにNHKと朝日新聞は標的にされていますからね。』 】
・・・・・2005-08-19付・記事[「小泉劇場・亡国のリフォーム」の第二幕は『国民皆保険原則』の放棄か?]に対するコメント、
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050819
↓
★toxandoria 『「はる」さま、コメントありがとうございます。漸く、メジャーな雑誌(文藝春秋12月号)で「年次改革要望書」が書かれましたね。
ところで、この「年次改革要望書」は1993年の宮沢・クリントン会談の時から開始され、毎年、11月に新しい要望書が日本政府へ提出され続けてきたようです。この布石として、1989年の日米首脳会談で「日米構造協議」の開始が決定されており、「年次改革要望書」はそのシナリオに沿った実施計画(Initiative=確実に実行すべき具体的な計画)的な意味があるようです。
また、ここ十数年に及ぶ超低金利政策で日本から米国へ大量に溢れ出した資金が外資の投資ファンドなどに化けて日本へ逆流し、これが昨今はやりの“ホリエモン”や“村上ファンド”などのTOB資金やマスメディア対策の資金(日本のメディアを篭絡するための軍資金)として使われている節があります。ここのところの株価上昇もこの逆流してきた流れの資金(外資)に支えられている部分が大きいようです。
これは、“経済的な付加価値をもたらす最大要因が貨幣供給量(Money Supply)の変動である”と主張する「新自由主義」思想を忠実に実践したことの当然の帰結だと思われます。結局、日本政府は、自らの中核的な政策と資金で日本をアメリカへ売却するための手助けという、まさに“売国的な政策”に手を染めてきたことになります。
このような観点から見ると、「カイカクなければ成長なし!」って本当は何なの?「 本当のことを言いなさいよ!」と問い詰めたくなりますね。超セレブな国民的人気者である小泉氏は、来年9月でキッパリ辞めるとか言ってるようです。この5年で自分たち(マイ・ファミリー)の懐もたっぷり温まったし、もう潮時だと思っているのかな、なんて勘ぐりたくもなります。
しかし、そんなことを詮索するより大切なのは、これ以上「日本の国益と国民」がこっ酷く蹂躙され、地獄のどん底まで叩き落されないで済むように、ポスト小泉(あるいは、気が変わり再び見飽きた小泉劇場が “going on” となるかも?ですが、ともかくも・・・)に向けて、市民サイドから政治権力者たちへの監視を強めることだと思っています。そのため、ここで小泉政権が犯した大罪の柱を明確に抉り出しておく必要があります。その大罪の柱は次の七つです。
(小泉政権が犯した七つの大罪)
(1)盲目的にに「自由主義思想」に心酔し、隷属的対米関係を一層深刻化させた(参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050829)
(2)政教分離の原則を蹂躙し(複数のカルト宗教的要素が国政の中枢を侵食)、維新期〜太平洋戦争期のファシズム的熱狂(神憑りの軍事国体論)を引きずるナショナリズムの流れを国政の中枢へ呼び込んだ(この象徴が靖国神社参拝問題)
(3)日本国憲法の「授権規範性」を蹂躙した(非武力的クーデタ)
(4)「改革の美名」の下で成果を上げ得ぬばかりか、財政赤字額・約250兆円を増加させ国家危機を深刻化させた
(5)「政治的倫理」を冒涜し、日本の政治を下卑たポルノクラシー・レベルまで低下させた(参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050829)
(6)「非合理な外交」によって、世界の潮流の中で日本を孤立化させた
(7)青少年及び弱者層に対する愛情が足りず、日本の教育・医療・福祉環境を著しく劣化させた(参照、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050610/p1)
(参考URL)http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/
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