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《中丸薫のワールドレポートVol.83》
http://www.taiyonokai.co.jp/report_83.html#topics
『今こそ意志を持って立ち上がる時』
日本は衆院選に突入した。小泉首相の支持率は上がっているという。日本もいよいよここまで落ちたか、と暗澹たる気持ちになる。もし、本当に郵政民営化を「国民のために」成し遂げたいのであれば、なぜ「抵抗勢力」の意見にも耳を傾け、継続審議としないのか。多様性を一切排除しようとすれば、それは独裁であり、弾圧であり、全体主義である。そのような体制のもとでは、言論の自由などありえない。テレビを見ていると、小泉首相を名君のごとく持ち上げる人々がいる。だが、リーダーとは清濁併せ呑む器を持ってこそ人の上に立つ資格があるのであり、これ見よがしに「刺客」を送り込むようなリーダーは、しょせん将たる器にあらず、ということを自ら露呈しているにすぎない。小泉首相は「改革には痛みが伴う」と言い続けてきた。国民が再び彼を承認すれば、彼の無節操で冷酷なやり方が、今度は容赦なく私たちに向けられることを、一体どれほどの国民がわかっているのであろうか。
構造改革が必要なことは、永田町の住人から一般市民まで、異論はないであろう。だが、小泉首相が掲げている「郵政民営化」は、三五〇兆円の資産を虎視眈々と狙っている国際金融資本を利するだけだ。日本はこれまで紙くず同然の米国債を大量に買い、アメリカの繁栄と「力の道」を支えてきた。その結果、国も個人も借金まみれのアメリカが消費を謳歌し、豊富な資産を持つ日本が倹約と勤勉に努め、より一層の貯蓄に励むという奇妙な現象が起きた。そして今度は、そうまでして蓄えた国民の資産を「差し出せ」という。これが「郵政民営化」の正体である。
かつて「米国債を売りたい衝動に駆られることがある」と口走った橋本首相は、今やすっかり権力基盤を失い、政界引退を余儀なくされている。闇の権力者たちにとって、党内でのしがらみがなく、ものごとをあまり深く考えず、「自民党をぶっ壊す」と公言して暴走するコイズミほど都合のいい人材はいない。それが、人々の予想に反して小泉政権が長期政権となっている理由である。日本の政治は、ワシントンの意向と無関係ではありえないのだ。
日本を鋭く分析しているジャーナリストに、ベンジャミン・フルフォード氏がいる。氏は上智大学で学び、『フォーブス』の太平洋支局長などを務めた経歴を持ち、日本の国家破産を予測した『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』などの著作で知られる。彼は自らヤクザや右翼に取材し、また「会社では真実が書けない」と嘆く大手新聞社の記者たちから仕入れた情報をもとに、日本の闇を鋭くえぐる著作を数多く書いている。それらを読むと、日本の政界、ヤクザ、右翼、マスコミ、警察、司法が水面下でつながり、いかに日本国民をあざむいているかがよくわかる。その黒幕は、言うまでもなくアメリカであり、その背後にいる闇の権力者たちである。彼と会った折、彼は「自分は日本を第二の故郷のように思い、愛している。だが、今の日本の状況は見るにしのびなく、情けない」と涙ながらに訴えた。
私も同感である。今の日本には、国にも国民にも意志というものがなく、深くものごとを考えることもせず、いつも誰かや何かに流されている。これがわずか一五〇年前、明治維新を成し遂げた日本かと情けなくなる。あのとき、志士たちは確固たる意志と理想を持ち、命をかけて国づくりに参加した。その遺伝子は一体どこにいってしまったのだろうか。
最近の小泉首相を見ていると、魔に侵されているという印象を強く持つ。魔の波動は強ければ強いほど「この人なら何かやってくれるに違いない」という幻想を生み出し、人々を惹きつける。ちょうどヒトラーがそうであったように…。この魔を打ち破るのは、幕末の志士が持ったような揺るぎない意志であり、情熱であり、理想である。あの時代も、一人一人がそれぞれの立場で志を持ち、立ち上がっていった。その結果、最初はバラバラに存在していた思いが、「日本のために」という一点に結集され、不可能を可能にした。そのような強き意志が、今の私たちには必要なのである。
…(略)…
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