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(回答先: 中間報告実現へ閣議決定 米軍再編―Yahoo!「琉球新報」 投稿者 天木ファン 日時 2005 年 11 月 11 日 15:43:56)
11月10日
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm から引用。
(冒頭部分若干省略)
ところで、米軍基地再編問題に対する地元の反対が強まっています。当然でしょう。その必要性が明らかではなく、道理のない犠牲や負担を、どうして受け入れなければならないのでしょうか。
額賀防衛庁長官は沖縄に飛んで、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる名護市の岸本建男市長らと会談し、辺野古崎への移設に理解を求めました。
説得する相手が違うのではないでしょうか。地元の反対や要望を携えて額賀長官が飛ばなければならないのは、ワシントンに向けてでしょう。
額賀さんは沖縄で記者会見し、在日米軍の再編に伴う沖縄の振興策について、財政措置を含めた具体策を検討する考えを表明したそうです。
またもや、「振興策」や「財政措置」によって、不況にあえぐ沖縄を懐柔しようというわけです。利権をちらつかせて言うことを聞かせるようなやり方は、地元に対して失礼です。もう止めるべきでしょう。
今回の再編問題でも、日本政府の主体性のなさと当事者能力の欠如は呆れるほどです。でも、それも当然でしょう。この問題のそもそもの始まりから、そうだったんですから……。
この問題については、2004年4月1日付のHPで書いたことがあります。普天間基地の返還問題が、日本側からではなくアメリカ側から促されて持ち出されたものだということを……。
もう、お忘れの方もおられると思いますので、その部分を再録することにしましょう。私は、これについて次のように書きました。
そもそも、この普天間基地の返還は、日本政府が強く要求したものではありませんでした。これについては、春名幹男さんが書いた『秘密のファイル(下)−CIAの対日工作』(共同通信社、2000年)という本に衝撃的な描写が出てきます。
普天間返還は、アメリカ側から促されて日本側が言い出したというのです。春名さんは次のように書いています。
沖縄返還から23年後の1995年、レークは再び沖縄問題に関与するようになった。同年9月、米海兵隊員による少女暴行事件が起き、米軍基地反対運動が再燃した。
この時、海兵隊普天間飛行場の返還というクリントン大統領の決断によって、危機は乗り越えられた。その経緯も極めて興味深い。
1996年2月23日、カリフォルニア州サンタモニカでクリントンに会った橋本は、
「本当に言いたいことはないのか」
とクリントンに促されて、
「あえて付け加えるとすれば、普天間返還を求める声は強い」
と口を開いた、という。
だが、現実には、この時点でアメリカ側は、“落としどころ”は「普天間返還」と読んでいて、橋本の発言を予想していた。
橋本がなかなか口を開かないから、クリントンの方から誘い水を向けたのである。
少女暴行事件で、日米関係の悪化を懸念したレークは、何度かホワイトハウスで朝食会を開き、有識者の意見を聞いていた。その一人、リチャード・アーミテージ国防次官補は早くから、「普天間返還論」を主張していた。アーミテージは1995年11月、筆者とのインタビューでもその点を強調した。
沖縄現地でも、大田昌秀知事が普天間返還を口にしていた。当然ながら、この情報は在沖縄総領事館からワシントンに伝えられていたはずだ。
首相官邸と外務省は、この時も、アメリカ側の周到な準備状況に気がつかなかったようだ。(前掲書、314〜315頁)
まことに、驚くような記述です。クリントン米大統領に「本当に言いたいことはないのか」と「誘い水を向け」られ、橋本首相が「あえて付け加えるとすれば、普天間返還を求める声は強い」と口を開いたなんて、にわかに信じられないような描写ですが、本当なのでしょうか。
当時、あれほど高まっていた沖縄の米軍基地縮小・撤去要求が、橋本首相にとっては「あえて付け加える」程度のものだったとは……。それも、「基地を縮小・撤去せよ」と求めたのではなく、「普天間返還を求める声は強い」と、他人事のように間接的に言及するだけだったなんて……。
なお、ここに登場している「レーク」という人物は、アンソニー・レークという人です。1970年4月にカンボジア爆撃に抗議してNSC(国家安全保障会議)のスタッフを辞任した硬骨漢で、沖縄返還問題での佐藤首相の密使・若泉敬とキッシンジャーとの連絡役を務めたこともあります。
カーター政権の下で、国務省の政策企画局長、クリントン政権では安全保障担当の大統領補佐官を務め、CIA長官に指名されましたが共和党の反発が強く指名辞退に追い込まれ、ジョージタウン大教授に転身しました。この本に登場したときは、大統領補佐官として普天間返還に関わったというわけです。
何度、読み返してみても、情けなくなるような記述です。これが「普天間返還」問題の始まりだったとすれば、その後の経過も、今回の対応も当然のことだということになるでしょう。
この文章も、実は、新著『活憲』に入れるつもりでした。しかし、分量の問題などもあって、割愛せざるを得ませんでした。
というわけで、ここに紹介させていただいた次第です。
それはともかく、日本の「属国」化がどれほどの問題を生みだしているのか、暗たんたる気持ちがします。このような日本政府の対応に、「ナショナリスト」は、どうして怒らないのでしょうか。「右翼」の人たちは、このような「属国」的な日本のあり方を、どう思っているのでしょうか。
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