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2005年11月9日(水)「しんぶん赤旗」
1965.01.15
日歯連公判で見えてきた
裏金、迂回…小泉首相責任逃れ
「疑惑にフタ」の与党
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自民党旧橋本派(平成研究会)への日本歯科医師連盟(日歯連)からの一億円ヤミ献金をめぐる政治資金規正法違反事件公判はすでに二十回を超え、最終段階に入りました。青木幹雄自民党参院議員会長(71)や橋本龍太郎元首相(68)、野中広務元幹事長(80)などの政治家も証人として出廷した一連の公判などから迂回(うかい)献金や派閥の裏金処理の実態など、「政治とカネ」をめぐる自民党政治の一端が見えてきます。(阿曽隆)
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■「記憶ない」1億円
日歯連の一億円献金を平成研の政治資金収支報告書に記載しなかったという政治資金規正法違反の罪で起訴されている政治家は元官房長官の村岡兼造被告(74)だけ。しかし、公判では村岡被告を超えて、首相、幹事長経験者など党最高幹部クラスの深刻な病根が浮かんできました。
日歯連側から一億円の小切手が渡されたとするのは二〇〇一年七月二日、東京・赤坂の料亭「口悦」の会食。公判では臼田貞夫日歯連前会長や内田裕丈元会計責任者(いずれも有罪確定)が現場を再現しました。
――一億円の小切手が入った茶封筒を受け取った橋本元首相は、金額を確認し、封筒から小切手が半分出た状態で隣の野中氏に渡した。遅れて部屋に入ってきた青木氏にも小声で「歯科医師会から小切手で一億円の献金をいただいた」と話し、青木氏も臼田氏に礼を述べた。
ところが、橋本、青木両氏は別表のように「記憶にない」「他の方がおっしゃるならあったかもしれない」などという証言。川口政明裁判長から「忘れるはずないよね」「国民の政治不信を招いたことに深く反省しているのか」と指摘されるほどでした。
野中氏は料亭会合への出席を否定し、「八時ごろまで別の宴会に出て新幹線に乗った」と“アリバイ”を持ち出しました。しかし、その「別の宴会」で野中氏と一緒だったという日本テレビの氏家斉一郎代表取締役は、「会っていたのは十八時半ごろから一時間余」と話しました。それなら会食に出席も可能です。
一億円の不記載を決めた〇二年三月十三日の平成研幹部会についても、青木、野中、村岡の各氏はいずれも、不記載を話し合ったことを否定しました。
一億円という巨額献金をこともなげに「記憶にない」などといってすます自民党現・元幹部の感覚――。それは、国会でこの問題をめぐって証人喚問にさえ応じない自民・公明与党の姿勢と共通しています。
■記載なき「もち代」
公判ではパーティー券収入や、派閥所属議員への盆暮れの手当である氷代・もち代の支出を、収支報告書に載せずに裏金処理していたことも明るみにでました。
平成研の滝川俊行元会計責任者は、「パーティー券の売り上げのうち現金分は収支報告書に記載しないという方法で裏金とし、〇一年の参院選では四億三千万円を裏金として出した」「青木先生、村岡先生にも説明したことがある」と証言。橋本元首相もこう証言しました。
「当時の新里(庄四郎・会計責任者)に帳簿を見せられ、繰越金はこれだけ書いてあるけど実際はそんなにないですよと言われた」
政治資金規正法違反などいわば日常茶飯事の実態が浮かんできます。派閥の氷代・もち代をめぐっては、小泉首相出身派閥の森派でも収支報告書に記載していなかったことが問題になりました。
■迂回、当事者が証言
小泉首相や自民党がその存在を否定している迂回献金。公判では、自民党の政治資金団体「国民政治協会(国政協)」を使った迂回献金について当事者が重い口を開きました。
迂回献金とは、実際は政治家を指定した献金なのに、国政協を経由したり、国政協に領収書を発行してもらって、献金を隠す行為です。
日歯連の内田元会計責任者は「日歯連は過去に特定の代議士に献金して、国民政治協会から連盟に領収書が発行されることがあった」と証言。迂回献金の仕組みについて「臼田前会長から指示があり、国民政治協会にもっていく。窓口は、自民党本部の元宿仁事務局長」と詳しく説明しています。
山崎拓自民党前副総裁への三千万円の迂回献金も浮かび上がりました。
山崎氏への迂回献金については、日歯連の内田元会計責任者が公判で「山崎氏らに献金した額と同じ額の領収書が国政協から送られてきたため、それにあわせて収支報告書に記載した」と証言しました。山崎氏は、検察の取り調べで「陳情に来た日歯連会長らから、党への献金として現金五千万円をいただき、幹事長室のロッカーに五千万円を一カ月弱置いたままにしていた」と弁明しました。しかし、東京第二検察審査会は、これを「常識では考えにくい」と批判。山崎氏を、政治資金規正法違反で「起訴相当」、つまり起訴すべきとする決定をし、現在、検察側が再捜査中です。
迂回献金システムについては、元宿自民党事務局長自身が検察側に供述した調書の趣旨が報道されています。
「日歯連から議員名を指定した献金を受け取ったことはあった。それを協会に振り込み、党本部に送金された後、日歯連が指定した議員に党幹部が手渡していた。国政協から党を経由して、特定の議員に献金が渡ることは以前からあった」(『自民党迂回献金システムの闇』東京新聞取材班)
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一億円ヤミ献金や迂回献金でこれだけ証言が出ているのに真相にフタをし、企業・団体献金に反省のない小泉首相と与党。その姿勢があらためて問われています。
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2005年11月9日(水)「しんぶん赤旗」
1965.01.15
酒販組合不正
“一番の犠牲者は組合員”
酒店経営者
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「われわれから集めた金をいったい何に使っていたのか。一番の犠牲者は組合員だ」――警視庁の家宅捜索を受けた全国小売酒販組合中央会に対し、組合員で酒店経営の石井正隆さん(59)=埼玉県=は憤りを隠しません。中央会の資金管理をめぐっては、年金資金横領などの容疑だけでなく、不透明なカネが政界へ流出した疑いが浮上しています。
同会の政治団体「全国小売酒販政治連盟(酒政連)」は中央会事務局と同じ場所にあり、事務局長も同じ人物が務めていました。二〇○一年と○二年の政治資金収支報告書では、約八千百六十万円の使途不明金が発覚。元幹部は「陳情のための会合に出席した国会議員との遊興費や『車代』に使った」と証言しています。
〇一年の収支報告書では、自民党の小杉隆元文相(東京5区)への資金提供額について、受領した小杉氏側の報告書との間に大きな食い違いが判明。酒政連側が領収書を偽造した疑いも出ています。
当時、酒政連は酒類の販売免許制度の規制緩和をめぐって積極的な政界工作を展開していました。中央会関係者は「〇一、〇二年に集中的にカネを使った。じくじたる思いだが、自民党の先生と政策の話をするときは、カネを用意しないと話が進まないのが現状」と話しています。
石井さんは「組合員の政党支持を無視して特定の政治家に献金するのは問題。政策をカネで買おうというのも犯罪的だ」と指摘します。
今後の捜査で、資金の流れの分析が進められます。捜査当局には、横領されたとされる資金の行き先とともに、酒政連と政治家との不明朗な関係の徹底解明が求められています。(安川 崇)
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