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11月7日―メディアを創る
政治をあきらめた石原慎太郎?
石原慎太郎もさすがに総理を狙うことはあきらめたと見える。もっとも彼は「NOといえる日本」を書いて米国を怒らせた時点でとっくに政治生命を終わっていたのだ。
それからぱったり米国の悪口を言わなくなったから、「ひょっとしてまだ政界復帰を狙っていたのか」と思っていた。しかし小泉人気のまえに、さすがに高齢の石原は目が無くなったと自覚したのだろう。小泉の後にはタカ派の安倍が続いていることだし・・・
最近米国の講演で「米中戦えば必ず米国は負ける」などと発言したことはその現れである。もっともあの講演は、米戦略国際問題研究所で行った割には、聴衆は日本人ばかり、おまけに米国にまで乗り込んで日本語で講演していることからみて日本人向けの講演だったのだろう。米国人が最初から相手にしなかったということもあるかもしれない。
いずれにしても石原が米国を批判する発言を始めたことは興味深い。7日の産経新聞でも、「日本人よ」のコラムに、「内政への干渉を排せ」と題して、米国が毎年「年次改革報告書」なるものつきつけて日本のあらゆる政策分野に内政干渉してきていることに反発する論文を寄せている。その末尾の次の言葉に思わず苦笑してしまった。
「・・・靖国に対する中国や韓国からの非難も内政干渉だが・・・アメリカのこうした執拗な一方的改革要求も内政干渉以外の何ものでもあるまい。せめて国会はこの事実について国益を踏まえた議論を持つべきだ・・・」
もっとはやく大きな声で言っておけよ。ついでに米軍基地撤退も叫んでくれよ。どうせ総理はあきらめたのだろう。政治もやめるのだろう。心配はいらない。ビートたけしのTVタックルがひろってくれるから、石原は今後は思う存分に米国批判を復活すべきなのである。
孤立が深まるブッシュ大統領
最近やたらとブッシュ大統領凋落の記事が目に付く。たとえば7日の産経新聞は米シンクタンク戦略国際研究所のエドワード・ルトワク氏の次のような寄稿文を載せている。
「・・・ブッシュ大統領は疲れ果てている・・・最近あまりにもたくさんの出来事が大統領に起きた。終わることのない戦争、痛ましい被害をもたらしたハリケーン、マスコミへのリークをきっかけにしたリビー前副大統領首席補佐官の起訴、最高裁判事指名の屈辱的な撤回など・・・大統領はエネルギーを使い果たしてしまった。幸せだった頃の弾むような情熱に代わって、あきらめの調子と沈みがちな物腰はもはや誰の目にも明らかだ。それは大統領という職そのものに対する興味が薄れつつあることを示している。大統領はもはや家に帰りたいのだ。家庭生活の中で休息を得たいのだ・・・手つかずの政策が新たに着手される見込みはない。もはや、政治的指導力が発揮されることはない・・・」
こんなことで米国は大丈夫かと思わせる、驚くべき深刻さだ。
このブッシュ大統領の行き詰まりは先般の米州サミットで見られた反米の動きでも如実に現れている。反米スピーチが満場の拍手で迎えられた時、スペイン語のわからないブッシュ大統領がつられて拍手をした、というエピソードは笑って済ませられる。しかし、米国の中庭として他のどの国にも手をつけさせなかった中南米において、アルゼンチン、ブラジル、ベネズエラなどの主要国から、「(米国は)この地域に貧窮と社会的な悲劇を生じさせた」(ホスト国アルゼンチンのキルチネル大統領)と正面からブッシュ批判をするような米州サミットこそ、米国の孤立が浮き彫りにしているといえる(11月7日朝日)。
中東における反米の高まりは言うまでもない。アジアにおいては米国抜きの地域共同体結成の動きが加速しつつある。アフリカと米国の結びつきは、奴隷制と石油資源以外に何もない。イラク戦争をきっかけにひび割れた「古いヨーロッパ」とブッシュ政権の亀裂は修復されそうもない。本当にブッシュ大統領は孤立しているのだ。
その孤立したブッシュ大統領以上に世界から孤立しているのが日本の小泉首相であると、オランダ人ジャーナリストのカルフ・ヴァン・ウオルフレンは7日の朝日新聞「時流、自論」で次のように指摘している。
「・・・(テレビ受けする小泉首相はブッシュ大統領とちがって)一見すると繭の中にひそんでいるようには見えない。日本国民にとっては身近な存在のように見える。だが、アジアの隣国をはじめ、世界各国の首脳と小泉首相は一体どの様な関係を築いているというのか。そう考えると小泉首相の孤立振りは明白だ。
(しかも)小泉首相の繭はブッシュ大統領の繭より小さく、一人用である。亀が甲羅を背負い歩くように、彼はそれを持ち歩いている・・・ペットは世話が要る、主人の保護が前提だ。しかし米国の孤立主義は単独行為であり、他国への配慮もなければ、相互依存の意識にも欠ける。かつては存在した米国の保護さえないまま、(小泉首相の日本は孤立という)新たな、大きなリスクに直面している。日本の政治エリート集団は、その事実さえ認識できなくなってしまった・・・」
普天間飛行場の移転合意と海兵隊の7、000人撤退ばかりが喧伝される中で
普天間基地の移設先が辺野古崎の沿岸案に落ち着いた交渉経緯をめぐって、米国の言いなりになり、二言目には「日米関係に亀裂が出てもいいのか」と脅す外務省に対し、「米国占領の残滓を一掃する千載一遇のチャンス」と抵抗し、最後は「しっかりやれ、米国の言いなりになるな」という小泉首相の後押しよって米国を譲歩させたという防衛庁。その株があがっているという。
それはおだて過ぎだろう。外務省の対米追随振りについては弁護の余地はまったくない。しかし米国が主張した辺野古沖計画の縮小案と、米国が譲歩したという辺野古崎計画との間にどれ程の差があるというのか。環境破壊や住民の不安、負担など、どれをとっても大きな違いはない。それどころか海兵隊の基地が沖縄に固定化されるという意味で、沖縄の住民にとっては最悪の合意である。「目くそ、鼻くそ」なのだ。
それにしても普天間飛行場の移転合意と海兵隊の7,000人撤退ばかりがマスコミで喧伝されるなかで、米軍基地の強化と日本の新たな負担については隠されたままである。
米軍再編に関する日米合意が、その実態は米国の機能強化に一方的に傾斜していることについて、図らずも米国関係者が暴露している。11月7日の産経新聞、正論で、ジェームズ・アワー日米研究協力センター所長があからさまに次のように認めているのだ。
「(日本の)最近の報道によれば、日米間の安全保障問題の最大事は、沖縄の普天間飛行場の代替施設について日米が基本的に合意したことだというが、それは違う・・・(真に重要な事は)日米両政府が同盟の新しい役割・任務の分担を(報告書の形で)発表し、在日米軍基地の共同使用と再編成構想を打ち出したことだ。普天間飛行場の移転問題はその一部でしかない・・・
普天間が重要問題の様相を呈したのは、沖縄から米軍基地の重荷を軽減する誠意の象徴として小泉首相が固執したからだ・・・米国は代替施設が見つかればいつでも移転の用意はあった・・・米国は普天間の移転問題では譲歩した(ふりをした)。日米間の全体構想は、普天間の移転問題(ごとき)で台無しに出来ないほど(米国にとって)重要なものだった・・・」
要するに米国はえびで鯛を釣ったのだ。通りで米国は普天間基地の問題とその他の問題はパッケージで合意されなければならないと一貫して脅し続けていたのだ。
米国の真意がどこまで国民に明らかにされているというのか。7,000人の海兵隊移転も、その実態は3千数百億円の移転経費を日本側が全面的に負担した上で何年もかけて行うというものらしい。そして7000人の削減と引き換えに、海兵隊1、000人と550トンの物資を載せて時速85キロで航行できる高速輸送艦を、海自に購入させる事になっているらしい(11月5日東京新聞)。海上自衛隊もその必要性に疑問を呈している開発されたばかりの高速輸送艦の購入が、海自の知らないままに政府間で決められていたというのだ。知れば知るほどメチャクチャな合意である。
それにしても安全保障政策に関する日本の基本政策がどういうものであるか不在のまま、つぎのような官僚同士の縄張り争いがマスコミのネタになるとはあまりにも情けない。
「・・・米側が防衛庁案を呑んだことは、米国案を支持していた外務省にとっては大打撃だ。すでに経済交渉では専門知識と権限を持つ財務省、経済産業省などの官僚が直接外国と交渉し、外務省は出る幕がないため、日米安全保障問題を最後の牙城としていたが、ついにそれも陥落した。いまや英語は特技ではなくなり、防衛官僚も自衛隊将校も「君の言う事はわかりやすい」と米側が言う」(11月14日アエラ)ようになったらしいのである。どうする外務省。
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0141
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